コラム

母乳はいつから出るの?出ない時の対処法は?

公開日:2022年4月30日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

赤ちゃんが生まれたら母乳はすぐに出るもの、そう思っている方も多いのではないでしょうか。実は、ママになったからといってすぐに出るものではありません。母乳はどうやって作られるのか、産後ママおすすめレシピをご紹介します。

母乳はどうやって作られる?

赤ちゃんが生まれた後、すぐに胎盤が排出されます。すると、「プロゲステロン」というホルモンの分泌が急激に減少し、「プロラクチン」というホルモンが分泌されます。その2つのホルモンの働きによって乳腺で母乳が作られ始め、赤ちゃんがおっぱいを吸うことで母乳の分泌が始まるのです。
ただし、赤ちゃんが吸ったからといってすぐに出るというわけではなく、母乳が出始める時期や量は個人差があります。母乳は赤ちゃんに吸わせる回数が多ければ多いほど分泌量が増えていきます。産後すぐのママは身体が休まらない状態ですし、初産の場合は赤ちゃんの抱っこの仕方や授乳の方法もぎこちないでしょう。生まれて間もない赤ちゃんもまだ吸う力が弱いため、お互いが初心者の状態です。最初のうちは母乳が出ないことも多いでしょう。
しかし、回数を重ねていくごとに徐々に分泌量が増えていきます。一日に8~10回、2、3時間ごとに授乳することで、母乳を分泌するホルモンが増加していきます。個人差はありますが、母乳の分泌が安定する時期は、およそ1~3か月くらいの方が多いようです。

母乳に良いとされる3つのこと

母乳は実は血液から作られているということはご存じでしょうか?血液中のたんぱく質などの栄養素や、白血球などの成分は母乳に含まれますが、赤い色素成分の赤血球は母乳に含まれないため、白い液体となります。母乳には赤ちゃんを病気から守ってくれる働きのある免疫成分や、たんぱく質・脂肪・糖質などの栄養がたっぷりと含まれています。まず母乳をしっかり作るためには、ママの身体が健康である必要があります。母乳に良いとされる3つのポイントをみていきましょう。

1. 食事に気をつける

① たんぱく質を積極的に摂る
質の良い母乳を作るためには良質なたんぱく質が不可欠です。授乳期は通常のたんぱく質量に加えて20g多い摂取が推奨されています。たんぱく質は一度にたくさんの量を食べても蓄えることができないので、毎食ほぼ均等に摂取する必要があります。
ポイントは複数のたんぱく質を多く含む食品を組み合わせて、バランス良く摂取すること。肉や卵などの動物性食品はアミノ酸のバランスが良く(アミノ酸スコアのバランスが良い)良質なたんぱく質を摂取できるのですが、たくさんの量摂りすぎてしまうと脂質も摂りすぎてしまう恐れがあります。逆に豆腐や大豆製品などの植物性のたんぱく質は積極的に摂りたいですが、植物性ばかりに偏ってしまうとたんぱく質を効率良く摂取することが難しくなります。肉や魚・乳製品・大豆製品などを組み合わせて、バランス良く摂取するように心がけましょう。

② ご飯などの主食を抜かない
産後ダイエットを理由にご飯を抜いてしまうママがいますが、主食を極端に減らしてしまうと赤ちゃんに必要な栄養がいきわたらず、栄養が豊富な母乳を作ることができない原因になりかねません。母乳の出が悪くなってしまうことも考えられるので、主食は抜かずに食べるようにしましょう。母乳を作るのに必要なエネルギーを考慮すると、妊娠していない時に比べて+350kcal(おにぎり2個程度)必要とされています。普段から小食の方は特に、積極的に食べるようにしましょう。

③ 鉄分・葉酸・ビタミン B12
母乳を作るために欠かせない鉄分や、赤血球を作るのに必要な葉酸やビタミンB12も積極的に摂りたい栄養素です。鉄分はドライフルーツやレバー・赤身のお肉・お魚などに多く含まれます。葉酸は妊娠中に意識的に摂る方は多いですが、産後も引き続き意識的に摂取することを心がけましょう。ビタミンB12はあさりやレバーに多く含まれます。

2. 水分を摂る

母乳の8割は水分でできているため、授乳中は普段よりもこまめに水分を摂るようにしましょう。食事も味噌汁やスープなど、水分が摂れるメニューを積極的に取り入れましょう。

3. 十分な休養

産後ママはなかなか身体を休める時間が取れないかと思います。寝不足や睡眠が足りないことで、母乳の量が影響してしまう場合もあるのです。ストレスや疲れをなるべくためないよう、産後間もない入院中は助産師さんや看護師さんに話を聞いてもらったり、夜は一時的に赤ちゃんを預けられないか相談してみるのも良いでしょう。退院後は家事や育児の分担を旦那さんと話し合ったり、頼れる人からのサポートを受けて、ストレスや疲れを解消できる方法を見つけましょう。
また、完全母乳育児にしようと頑張りすぎてしまうと、逆にそれがストレスになってしまうこともあります。ミルクにも赤ちゃんに必要な栄養はしっかりと含まれています。母乳のみで赤ちゃんを育てなければいけないと頑張りすぎる必要はありません。ミルクと併用したり、ママの状態に合わせてミルクに移行したりすることも全く問題はありません。

産後におすすめ レシピ2品

これさえ食べていれば母乳の出が良くなる、という食べ物は残念ながらありません。母乳の出には体質や個人差も大きく影響するのです。ただ、母乳は血液からできているため、身体が冷えていると血の巡りが悪くなり、母乳の分泌に影響することも考えられます。温かい飲み物を飲んで身体を温めたり、ごぼう・イモ類・大根・レンコンなどの根菜類を積極的に摂ることで冷えの予防になり、血流の改善が期待できます。また、油脂や砂糖を多く含むお菓子や揚げ物も、あまりたくさんの量を一度に食べてしまうと乳腺炎の原因になることもあります。乳腺炎を起こしやすい方、起こしにくい方も個人差があります。油分が多く含まれるものは、様子を見ながら少しずつ食べていくことがおすすめです。

~産後ママにおすすめのカラダが喜ぶおやつとごはん~

セサミ&きなこのクラッカー

材料(作りやすい分量)
きなこ 50g
薄力粉 40g
全粒粉 20g
砂糖 20g
白炒りごま 小さじ2
こめ油などの香りのない油 30g
牛乳 45g

(作り方)
① きなこと粉類・砂糖・炒りごまをボウルに入れてよく混ぜ合わせる。

② 油を入れてよく混ぜ、均一になったら牛乳を加えて手でまとめる。

③ ラップに包んで冷蔵庫で30分休ませる。

④ オーブンを180度に温めておく。オーブンシートを敷き、③をラップから取り出して平にし、上にラップをのせて綿棒で薄くのばす。(3mm程度)

⑤ 包丁で好きな大きさにカットし、間隔をあけてシートの上に並べなおす。

⑥ オーブンシートごと天板に滑らすようにのせてオーブンで13分ほど焼く。

血液の流れを良くするビタミンEを豊富に含む、ごまをたっぷり使ったクッキーです。ごまやきなこは鉄分も多く含むので、産後の小腹がすいたときにおすすめのおやつです。

牛肉の柳川風

材料(2人分)
牛薄切り肉 150g
ごぼう 1本
白ネギ 1本
卵 2個
粉山椒 お好みで
(調味料)
だし 200ml
しょうゆ 大さじ2
酒 大さじ2
みりん 大さじ2
砂糖 小さじ2

(作り方)
① 牛肉は食べやすい大きさに切る。ごぼうは皮をむきささがきにし、10分ほど水に浸してから水気を切っておく。ネギは斜め切りにする。卵は溶きほぐしておく。

② 鍋にごぼう・ネギ・(調味料)を加えて弱めの中火で2~3分加熱する。牛肉を加え、さらに1~2分加熱し、牛肉に火が通ったら強火にし、溶き卵を回し入れる。数秒加熱してから火を切り、器に盛りつけてからお好みで山椒をふり完成。

身体を温め、血の巡りを良くする効果が期待できる、ごぼうやネギを使った一品です。牛肉と卵で産後不足しがちなたんぱく質・鉄分を補います。

 

産後すぐに母乳が出ないことで気持ちが落ち込んでしまうこともあるかもしれません。何度も赤ちゃんとの授乳の時間を繰り返すことでだんだんと母乳は作られていくので、すぐに安定するわけではないので焦る必要はありません。また、十分に母乳が出なかったとしても、ミルクを併用することは赤ちゃんの健康に全く問題はありません。母乳で育てる場合もミルクで育てる場合も、産後のママの身体のためにはバランスの良い食事が必要です。不足しがちな栄養素を意識的に摂り、休養をしっかりと取って、赤ちゃんとの生活を楽しみましょう。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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