コラム

食べたものでおっぱいの味が変わる?!母乳に良い食べ物・悪い食べ物

母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養です。お母さんなら誰しも、赤ちゃんのために質の良い母乳をあげたいと願うものですよね。主に血液を材料に作られるため、母乳をあげるお母さんは、自分が口にする食べ物・飲み物はとても気になりませんか?
今回は授乳中のお母さんのためにも、そして赤ちゃんのためにも積極的に摂りたい食べ物、逆に避けた方が良い食べ物についてお話しします。

<目次>
1. 授乳期に積極的に摂りたい食べ物
1-1. 授乳期に必要なエネルギー量
1-2. 授乳期には“質を重視した栄養”が必要
2. 授乳期に避けた方が良い食べ物
3. お母さんの食べたものでおっぱいの味は変わる?

1. 授乳期に積極的に摂りたい食べ物

1-1. 授乳期に必要なエネルギー量

『日本人の食事摂取基準2015』に、成人女性(18歳~49歳)に必要なエネルギー量は、活動量が少ない方でも1650kcal/日、活動量が多い方では2300kcal/日と設定されています。授乳期では母乳を作るために、さらに+350kcal/日程多くエネルギー量を摂ることを推奨しています。350kcalというと身近なものに例えると、おにぎり1個が約200kcalなので、350kcal=おにぎり1.5個分です。ただし、単に授乳期にカロリーが高いものを食べれば良い、カロリーだけを守れば良いというわけではありません。

1-2. 授乳期には“質を重視した栄養”が必要

・たんぱく質とビタミンB6
母乳はお母さんの血液が原材料となって毎日作られています。お母さんの血液は主に肉や魚などの動物性たんぱく質と、豆腐や大豆製品などの植物性たんぱく質から作られます。ですので、毎日お母さん自身が動物性たんぱく質も植物性たんぱく質もバランス良くたっぷり摂る必要があります。さらに、肉や魚や豆腐などのたんぱく質を食べた時に、その後きちんとそれらを血液(おっぱいの原材料)へと変換するためには、サポーターとしての役割を持つビタミンB6が必要となります。ビタミンB6は、マグロ、レバー、さんま、パプリカ、さつまいも、そしてバナナ、玄米などに特に多く含まれます。これらをあわせてきちんと摂ることで、赤ちゃんに必要な母乳が作られます。

・鉄分
鉄分は血液を生成する大切な栄養成分です。妊娠中から意識した方も多いかと思いますが、授乳期でも妊娠期と同様に貧血になりやすいので、しっかり鉄分を摂ることが必要です。鉄分を食事から摂る秘訣としては、まず調理に使用するフライパンや鍋を鉄製にするだけで、調理中に食材に鉄分が移り、自然と鉄分の摂取量がUPします。
そして、鉄分が多いレバーや小松菜、ほうれん草などを意識して食べるようにしてください。鉄分はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がUPします。ビタミンCはブロッコリー、パプリカ、キウイなどに多く含まれます。

・カルシウム
カルシウムも母乳の生成に欠かせない栄養素です。妊娠中は赤ちゃんにお母さんの体内に貯蔵されているカルシウムを与えるため、お母さんの歯や骨がもろくなります。妊娠中や産後に歯が欠けた事があるというお母さんも多いのではないでしょうか。骨粗鬆症予防のためにも、しっかりとカルシウムもたんぱく質や鉄分と同様に補うことが大切です。カルシウムは乳製品に多く含まれているので、毎日チーズや牛乳等を摂るようにしましょう。

・葉酸
葉酸は血液を作る働きがあるため妊娠前から意識して摂取する方は多いと思いますが、授乳期の女性にとっても重要な栄養素です。枝豆やブロッコリー、アスパラガス、春菊などに多く含まれています。葉酸は水溶性ビタミン類なので尿とともに体外へ出てしまうため、少しずつこまめに摂ること、生で食べられるものは生で食べること、茹でずに蒸したり電子レンジで調理をすること、加熱時間を短くすること、スープにして水に溶け出た分も摂ることがポイントです。

産後は赤ちゃんのお世話でなかなか自炊をする時間がなく、睡眠不足も重なり、きちんと食べなくてはいけないことは頭ではわかっているけれど、現実は栄養があまり摂れていない…なんてこともあるかもしれません。そんな時は、手軽に栄養が摂れるプロテインやサプリメントを活用するのも一つの手です。
プロテインは筋トレをする男性が飲むイメージがあるかもしれませんが、一般的にたんぱく質やビタミン、さらにはミネラル等も摂れるので、時間がない時でもバランスよく栄養が摂取できます。水の代わりに牛乳でプロテインを割れば、さらにたんぱく質やカルシウムを摂ることができておすすめです。
家事も育児も完璧を目指さずに、ストレスを溜めないように工夫して栄養を摂っていきましょう。

2. 授乳期に避けた方が良い食べ物

お酒は妊娠中から引き続き、絶対にNGですが、他には脂っぽいもの・カフェイン類・身体を冷やすものはなるべく控えましょう。揚げ物、クリーム系のお菓子など脂っこいものは、個人差がありますが食べすぎると母乳が詰まって乳腺炎になる可能性があります。カフェイン類については多少の量は良いですが、もし授乳後に赤ちゃんが不眠傾向になる場合は控えた方が良いとされています。冷たいもの、南国の果物など身体を冷やすものについてはお母さんの血液循環を悪くし、母乳の出方にも影響する可能性があるためできるだけ避けた方が良いでしょう。

3. お母さんの食べたものでおっぱいの味は変わる?

母乳は血液からできているというお話をしましたが、母乳は血液の味ではなく、基本的には赤ちゃんが好む甘い味です。そして血液が材料であるからこそ、食べたものや体調によって甘さ、苦味、酸味など、味が微妙に変化すると言われています。脂っぽいものを食べ過ぎたり、ストレスが溜まったりすると乳腺炎になりやすくなりますが、そうすると母乳が詰まり、苦みと酸味が強くなることがわかっています。
赤ちゃんに飲ませていけないものではありませんが、赤ちゃんが嫌がって飲まなくなるため、授乳中はなるべく乳腺炎にならないよう食事に気をつけましょう。

赤ちゃんが生まれるとお母さんはお世話に大忙しになります。初めてのことばかりで、戸惑うことも多いでしょう。中でも特に頭を悩ませるのが、「母乳」「授乳」についてだと思います。
一番大切なことはお母さんがストレスを溜めないことです。毎日の食事をバランス良く摂ることはもちろん大切ですが、適度に好きなものを食べて、飲んで気分転換をしつつ、たまにはサプリメントやプロテイン、外食などにも頼って育児を楽しみましょう。

(記事監修:管理栄養士 松尾和美)

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