コラム

産後の飲酒について〜適切なお酒との付き合い方〜

公開日:2022年6月22日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

妊娠中お腹の赤ちゃんのために控えていたお酒。出産した後はまたお酒を楽しみたい、と思うママも多いと思います。いつから解禁して良いのでしょうか?適切な飲み方、お酒を飲む時のポイントなど、今回は「産後の飲酒」について解説します。

そもそも「適切な飲酒」とは?

アルコールの適切な量をご存知ですか?つい飲み過ぎてしまうことの無いよう、解禁する前に適切な量をおさらいしましょう。厚生労働省が提唱する健康日本21の中で、私たち日本人の節度ある適度な飲酒の定義は、1日平均、純アルコールで20g程度とされています。アルコール20gとは、具体的に換算すると「ビール中ビン1本」または「日本酒1合」または「チューハイ(7%)350mL缶1本」または「ウィスキーダブル1杯」が目安となります。この目安の数値は、日本人はもちろん欧米人など外国の方も対象にした、大規模な研究によって割り出されたものです。産後に関わらず一般的な飲酒の基準として、ぜひ参考に覚えておいてくださいね。

アルコール分解能力が低い人は要注意

前述では一般的な飲酒の目安をお伝えしましたが、中には少量の飲酒でも酔ってしまう、すぐに顔が赤くなる、というような方がいます。そのような場合は体内でアルコールを分解して解毒する、アルコールの代謝能力が低い可能性があります。アルコールの代謝能力が低いと、アルコールを飲んだ時に発生する、体にとって有害なアセトアルデヒトという物質の分解が遅れ、血液中のアセトアルデヒトの濃度が高くなり、急性アルコール中毒になるリスクが上がります。お酒に弱い自覚がある方は、前述した量よりも意識して少なめに飲んでいただくと安心です。
また、一般的に女性は男性よりお酒に弱いと言われています。その理由としては、一般的に女性は男性より身長や体重が低いことが多く、体内の水分量も少ないことや、アルコールの代謝能力が、平均すると男性の3/4程度しかないためです。女性の中でも特に痩せていたり、身長が小柄な方は注意が必要です。また年齢が若い方や高齢の方も、一般的にアルコールの代謝能力が低いので、併せて注意が必要です。

産後とお酒について:お酒はいつからOK?

ミルク育児をしているママの場合

ミルク育児のママの場合は産後すぐから飲んでもOKです。しかし、飲み過ぎには注意が必要です。妊娠中からトータルすると、少なくとも1年ほどお酒を制限していたので、産後にお酒に弱くなったと感じるママも多いようです。出産の疲れと寝不足と重なり、赤ちゃんが泣いているのに寝過ごしてしまうようなことがあっては大変です。お酒を解禁しても一度にたくさん飲むのではなく、少しずつ飲んで体調をみるようにしていただくと安心です。

母乳育児をしているママの場合

母乳育児のママの場合は卒乳後からOKとなります。授乳が終わりやっと飲める!と思うかもしれませんが、目安としては卒乳後約1ヶ月を過ぎた頃からです。アルコールは血管拡張作用があるので血流が良くなります。卒乳後すぐにアルコールを摂取すると、血流が良くなり母乳がたくさん作られます。すると胸が張って痛みを伴うことがあります。卒乳後1ヶ月ほど経つと母乳の生成が落ち着くので、それからの方が安心です。少しずつ飲みながら、様子を見るようにしましょう。

産後にお酒を飲むときのポイント

長らく禁酒していたので、妊娠前はお酒に強かったという方も飲み方に注意しましょう。

1.チェイサー(和らぎ水)を必ずお供に

お酒を飲む時は、お酒の2倍量の水を意識して飲んでください。お酒を飲むと利尿作用により脱水になりやすいため、お酒を飲んだら次は水、と交互に飲んでいただくと安心です。悪酔いもしづらくなるのでおすすめです。

2.空腹時には飲酒しない

空腹時にお酒を飲むと、胃に何も入っていない分、すぐに小腸から吸収されます。そうすると、一緒に何か食べた時に比べて酔いが回るのが早くなります。そこで食後に飲む、おつまみを用意するなど、食べ物と一緒にお酒を飲むようにしてくださいね。おつまみは胃に長い時間滞留する食べ物を選ぶと、その分お酒が吸収されにくくなります。具体的には食物繊維がたっぷり含まれる海藻のサラダ、レタスのサラダ、枝豆などです。ポイントとしてはお酒を飲むより前に食べること。おつまみを胃に入れた状態で飲むと、酔いにくくなります。

 

赤ちゃんのお世話で忙しく、たまには息抜きにお酒を飲みたくなる時もありますよね。最近は微アルコールドリンクも流行っていますが、授乳中でもお酒を飲む気分を味わってストレスを発散したい場合は、アルコール0.00%のノンアルコール飲料を選んでみてください。お酒ともうまく付き合い、上手にリフレッシュできると良いですね。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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