コラム

妊娠中の塩分摂りすぎに注意!おすすめ減塩工夫ポイント

公開日:2022年10月27日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

妊娠中は味覚が変わると言われています。多くの妊婦さんが今まで食べられていたものが食べられなくなったり、逆に今まで好まなかったものを食べたくなったりするようです。味が濃いものを好むようになる方もいます。もちろんお腹の赤ちゃんがしっかり育つために、食べられるタイミングに食べていただきたいですが、塩分の摂りすぎは危険なので注意が必要です。今回は妊娠中の塩分摂取についてのお話です。

妊娠中塩分を摂りすぎてはいけない理由。塩分はどのくらい摂って良いの?

妊娠中はいつもに比べてむくみやすい状態です。塩分を摂りすぎると、体が塩分濃度を下げようとして体内に水分をためこんで、さらにむくみがひどくなります。また、高血圧になる恐れもあります。ママが危険なだけでなく、重症の場合には子宮や胎盤での血液の流れが悪くなり、赤ちゃんが栄養不足や酸素不足になってしまうことがあります。この結果、赤ちゃんは十分に育たなくなってしまう可能性もあります。では妊娠中はどのくらいの塩分量を摂れば良いのでしょうか?
実は日本人の食事摂取基準2020年版によりますと、妊娠中に付加量が定められている葉酸やたんぱく質量とは異なり、塩分摂取量については妊娠中と非妊娠中の差はありません。18歳以上の女性は、一律で食塩相当量6.5g/日未満と定められています。だからと言って、気をつけなくて良い訳ではありません。参考として2019年の国民健康・栄養調査結果を見たところ、日本人成人女性の平均的な食塩摂取量は9.3gでした。6.5g/日と比較すると、約3gも多いことがわかります。これは全国平均の数値なので、外食やスーパーのお惣菜などをよく食べる方は、この平均的な量よりも多く摂ってしまっているかもしれません。

無理なくできる!妊娠中の減塩の工夫

減塩と聞くと、おいしくない食事と思ってしまう方もいるかもしれませんが、調味料の工夫や調理工程の工夫により、無理をすることなくおいしく減塩ができます。

1.味が濃い旬の野菜を取り入れる

旬の時期に育ち収穫された食材は、味が濃く食材そのものを味わうことができるので、調味料を多く使用しなくてもおいしくいただけます。野菜を煮込むと塩分がなく安心な天然の出汁が摂れるので、市販の塩分入り出汁パックを使うよりも、健康面でも嬉しいですね。

2.酸味を活用する

お酢・レモン汁など、酸味のある調味料や食材を活用するのもおすすめです。例えば醤油を少なめにして、その代わりにレモン汁を入れると、トータルの塩分量を減らしながらも、おいしく香りの良いレモン醤油に変身します。唐揚げも自宅で作るときは塩分を減らして作り、レモン汁だけでいただくのも良いですね。

3.肉加工品は控える

ハム・ベーコン・ウインナーなどの食肉の加工品は、加工する際に日持ちを良くするためにたくさんの塩を入れて作ります。
そこで、妊娠中は肉加工品の使用を控えることをおすすめします。
例えばベーコンの代わりに豚バラ肉を買って、加熱してから塩や胡椒で調味をすると、塩分を控えることができます。

4.かけるのではなく、つける

醤油やソースを使用するとき、上からかけるよりも、小さめの器に入れてつけて食べていただくと、塩分を控えることができます。醤油やソースをついかけてしまいがちな、お寿司やトンカツ、コロッケ、お好み焼きなど、ぜひ試してみてください。

5.汁物は1日1回まで

味噌汁やスープなど、特に市販のものは塩分が多く入っています。そこで、味噌汁やスープなどの汁物は1日1回までにしていただくと、塩分を控えることができます。また夕飯時よりも朝や昼に飲んでいただくと、日中に塩分を排泄しやすいのでおすすめです。

6.調味料は最後に入れる

通常の調理ではまず下味をつけることが多いのですが、あえて食材に火が通ったタイミングで調味料をかけて味をつけます。そうすることで表面に調味料がまぶされ、濃く感じるので、使用する塩分量を控えることができます。

塩分を摂りすぎた場合の対処法

塩分を控えめにする工夫は理解できましたか?それでもつい塩分を摂りすぎてしまった場合はどうしたら良いでしょうか?ここでは塩分排泄の対策についてお伝えします。

カリウムの豊富な野菜を食べる

摂りすぎてしまった塩分は、カリウムを摂ることで対処が可能です。カリウムが多く含まれる食材は、枝豆、ほうれん草、さつまいも、じゃがいも、トマトなどです。これらを食べることで、摂りすぎた塩分を体外へ尿として排泄してくれます。

水分をたくさん摂って尿として排泄する

水分をたくさん摂って尿として排泄するのもおすすめです。ノンカフェインの水、お茶なども良いですが、あえてカフェインが入っているコーヒー、紅茶などですと利尿作用が働き、より早く体外へ尿として塩分を排泄してくれます。ただし、妊娠中にカフェインの過剰摂取はおすすめしないので、コーヒーや紅茶の場合は1日1~2杯がおすすめです。

 

妊娠中に特に塩分摂取量についての規定はありませんが、そもそも平均的に塩分を摂りすぎているという傾向があるため、意識して減塩をしていただくことをおすすめします。ただし、減塩をしすぎると食事が楽しくなくなってしまうため、酸味を取り入れてその代わりに塩分を減らすなど調味料の使用方法を工夫し、無理なくおいしく減塩対策をしていただけると良いでしょう。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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