コラム

妊娠中は風邪を引きやすい?風邪を予防する食事のポイント

公開日:2022年12月28日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

今回のテーマは妊娠中の風邪予防についてです。これから寒くなりますし、妊娠中は風邪薬を飲むことができないので、いつも以上にしっかり体調管理をしていきたいですよね。妊娠すると免疫力が落ちやすくなるって本当?妊娠中はなぜ風邪を引きやすいの?など、気になることがたくさんあると思います。妊娠中の免疫力にフォーカスして、食事でできる風邪の予防方法について解説します。

妊娠中は風邪を引きやすいって本当?

妊娠は、精子と卵子が受精し着床することで成り立ちます。すなわちママは、自分の体ではない一部を体内に宿すことになります。通常の場合ですと、私たちの体は自分にないものは異物として認識し、攻撃して体外へ出そうとします。しかし妊娠が成立すると、受精卵=赤ちゃんを攻撃しないように、ママは自分自身の免疫力を下げて妊娠を継続しようとします。この仕組みにより、ママは妊娠すると免疫力が下がり、風邪を引きやすくなったり、食中毒に当たりやすくなったりすると言えます。妊娠中期以降に分泌されるエストロゲンやプロゲステロンは、お腹の赤ちゃんを攻撃しないようにしているという実験結果もあります。

妊娠中の風邪予防のためにママができることは?

物理的に冷やさない

風邪の大敵は冷えです。免疫力が下がりやすい妊娠中は、特に体を冷やすことはおすすめできません。冬は手首・足首・首を冷やさないように防寒するだけでも、全く体感温度は違います。夏にはクーラーに直接当たらないようにするなど、工夫をしましょう。さらに妊娠中は体がぽかぽかとほてりやすくなりますが、冷たい飲み物は避けるようにしていただくと良いでしょう。基本的にいつでも氷抜きにし、できれば夏でも暖かい状態で飲むようにしましょう。

冷やす食性のものは避ける

体の熱を内側から冷ます働きがあるため、夏野菜・夏の果物・熱帯地方で摂れるもの全般を控えていただくと良いでしょう。具体的には、夏野菜ではきゅうり・トマト・レタス・ナス・セロリ・ゴーヤなど、夏の果物はスイカ・パイナップル・マンゴーなど、熱帯地方で摂れるものではコーヒー・バナナ・パイナップルなどです。どうしても食べたい場合は、夏野菜は加熱して温かい状態で食べていただくと良いですね。また、白砂糖・小麦など白い精製されたものも体を比較的冷やすため、必要以上に食べすぎないようにしましょう。

体を温める元になるたんぱく質をしっかりと摂る

たんぱく質は血や筋肉などを作る原料です。血が少なければ循環が悪くなり、結果的に体が冷えやすくなりますし、筋肉が少なくても体温は上がりません。そこで、毎日毎食しっかりとたんぱく質を摂っていただくと良いでしょう。具体的には、動物性たんぱく質である肉・魚・乳製品・卵と、植物性たんぱく質である大豆製品(豆腐・味噌・油揚げ・豆乳など)です。どちらかだけに偏らず、動物性たんぱく質も植物性たんぱく質もバランス良く摂るように意識しましょう。動物性たんぱく質のうち、赤身の肉や魚の血合は鉄分が豊富なので、妊娠中の免疫力はもちろんのこと、貧血も気になるママには特に摂って欲しい食材です。

血液循環を良くするビタミンEを摂る

血液循環が悪いと体中に栄養を運ぶことが難しくなり、風邪を引きやすくなります。そこで、抹消からの血液循環を良くする働きがある、ビタミンEを含む食材を食べることもおすすめです。具体的には、アーモンド・落花生・うなぎ・豆乳などです。ビタミンEは脂溶性ビタミンなので油料理と相性が良く、ビタミンEの吸収率をアップさせてくれるので、炒め物やオイルを含むドレッシングと一緒に食べていただくと良いですね。普段から体の末端、手先、足先などが冷えやすく霜焼けになりやすい方は、抹消の血液循環が滞りがちなので、特に意識してビタミンEが豊富な食材を食べましょう。

粘膜を強くするビタミンAを摂る

私たちは、鼻や喉などの粘膜が弱って、そこから風邪のウイルスが侵入することで風邪を引きます。そこで、鼻や喉などの粘膜を強くする、ビタミンAを含む食材を食べることも大切です。具体的にはにんじん・かぼちゃ・うなぎ・レバーなどです。ビタミンAはEと同様で脂溶性ビタミンです。油料理と相性が良く、ビタミンAの吸収率をアップさせてくれるので、炒め物やオイルを含むドレッシングと一緒に食べていただくことをおすすめします。ただし、うなぎ・レバーなど動物性の食材に含まれるビタミンA(レチノール)は、妊娠初期の摂りすぎは良くないので、食べるとしても週1回程度にし、植物性のビタミンA(βカロテン)からしっかり摂るようにしましょう。

 

妊娠中に風邪を引きやすくなる原因から、具体的な妊娠中の風邪予防の食事についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?特にこれから気温が下がり、風邪を引きやすい時期になります。しかし妊娠中は基本的に、赤ちゃんへの影響を考えて風邪を引いても薬は使えないため、マスクと手洗い・うがいをしっかりしながら、食材を味方につけて風邪予防に努めましょう。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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