妊娠中の食事のポイント、たんぱく質を知ろう
公開日:2023年2月22日
記事監修:管理栄養士 松尾和美
妊娠中にはしっかり栄養を摂るべきとわかっていても、時間がないから、太りたくないから、などの理由で食事を抜いたりしていませんか?妊娠中の健康状態は、生まれてくる赤ちゃんの状態と関連しています。具体的に、妊娠中はどのようなものを食べたら良いでしょうか?妊娠中の食事のポイントを知りましょう。
妊娠中の栄養状態がとても大切
さまざまな研究により、妊娠中の栄養状態が生まれてくる赤ちゃんの体重などと関連があることがわかってきました。特に体のもととなる大切な栄養素、たんぱく質は重要です。栄養状態を知るには客観的な指標があり、たんぱく質の指標となるのが血中アルブミンという検査項目です。この血中アルブミンの数値が高いほど栄養状態が良く、逆に血中アルブミンの数値が低いほど栄養状態は悪いと言われています。妊娠中はもちろんのこと、妊活を意識した時から栄養を意識し、特に赤ちゃんの体を作るもととなるたんぱく質は、不足しないようにしっかり食べたいですね。
妊娠中にNGな食事とは?
妊娠中におすすめできない食べ方についてご紹介します。
糖質のみの食事
主食のごはん、パン、麺類だけの食事は糖質が主成分で、たんぱく質がほぼ含まれていません。忙しい朝などは特に、おにぎりだけ、菓子パンだけ、になってしまっていませんか?赤ちゃんにとって必要なたんぱく質が摂れないだけではなく、糖質のみを過剰に摂取すると血糖値の乱高下が起きやすく、その後低血糖になるとふらついたりするリスクもあり、危険なのでおすすめできません。必ず野菜やたんぱく質源(肉、魚、卵、大豆製品)と一緒に食べましょう。
野菜サラダのみの食事
野菜サラダのみ、スムージーのみ、などの食事は、一見ヘルシーでビタミンが摂れて体に良さそうに思えますが、妊娠中の食事としては栄養が不足してしまいがちなので、おすすめできません。サラダには野菜だけではなく、ハム、チーズ、サラダチキン、豚しゃぶなどたんぱく質も乗せて一緒に食べてくださいね。
妊娠中にしっかり摂りたいたんぱく質源とは?
前述した通り、赤ちゃんの体のもととなるたんぱく質は、妊娠中は特に毎食しっかりと摂っていただきたいです。ここでは具体的な食材を紹介します。
肉類
肉類は、豚肉・牛肉・鶏肉などです。馬肉やラム肉などもヘルシーでおすすめです。豚肉や牛肉を選ぶポイントとしては、できるだけ脂肪が少ない赤身を選ぶことです。肉類の脂肪は飽和脂肪酸という種類で、ラーメンの背油をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。ラーメンの汁が冷めると白っぽい油が浮いて固まってきますよね。このような動物性の脂肪を摂りすぎると、血液をドロドロにするリスクがあります。おすすめの調理法としてはしゃぶしゃぶなどで、食べる前に脂肪を落とすことです。なお妊娠中は食中毒など防ぐために、しっかり火を通して食べましょう。
魚介類
魚介類とは魚・甲殻類(エビ、カニ)・貝類などです。魚にはEPA・DHAという良質な油が含まれます。これらは不飽和脂肪酸と呼ばれる種類の油で、脳の油の原料になっているため、一説には魚をよく食べると赤ちゃんの脳の発育にも良いのではないかと言われています。ただし魚類の中でも特にマグロなど大型の回遊魚には、水銀が含まれていることが多いため、妊娠中に食べ過ぎることはおすすめできません。目安は週に1回80gまでです。妊娠中は生のまま食べることは避け、火を通してから食べましょう。特に牡蠣などの二枚貝は、生食するとノロウイルスなどの食中毒のリスクがあるので、必ずよく加熱してから食べるようにしてくださいね。
大豆製品
大豆製品とは、豆腐、納豆、豆乳などです。豆腐や油揚げを選ぶコツは、裏の栄養成分表示を見て、できるだけ材料がシンプルなものを選ぶことです。基本的に成分表の「/(スラッシュ)」以降のもの、カタカナの材料は添加物であることが多いため、頭に入れておいて選択する際の基準にしていただくと良いかもしれません。大豆製品に含まれる脂肪は不飽和脂肪酸という種類で、私たちの体内に入っても血液をドロドロにすることはありません。むしろ悪玉コレステロールを下げるなど、良い働きがあります。しかし油揚げなど予め調理がしてあるものは、揚げ油が酸化していて体のサビを作る原因となるため、しっかりと油抜きしてから調理していただくと良いです。
卵
卵は完全栄養食と言われるほど栄養が豊富なたんぱく質源です。ビタミンC以外のあらゆる栄養素が含まれています。本来卵は生でも食べられますが、免疫力が落ちている妊娠中はサルモネラ菌による食中毒が心配ですので、しっかりと加熱して食べてくださいね。
妊娠中のママの栄養状態が赤ちゃんに関係するならば、しっかりとたんぱく質を摂りたい!と思いますよね。とはいえ、妊娠中は出産ギリギリまで働いている方も多いので、忙しかったり、嗜好が変わったりで、あまり食事がきちんと摂れていないという方もいらっしゃると思います。食べないと!と考えすぎると辛いので、市販のプロテインなども活用してたんぱく質を摂っていただくのもおすすめです。無理せず楽しくマタニティライフを送りましょう。
この記事の監修者:松尾和美
保有資格
・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者