コラム

痛くて辛い乳腺炎、食事でできる対策とは

公開日:2023年4月26日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

産後のお悩みとして多いのが乳腺炎です。乳腺炎になると辛いと聞いたことがある方も多いかと思いますが、具体的にどんな症状で、どうしたら防げるのでしょうか。妊娠を経験する方は誰しも気になるのではないでしょうか。今回は乳腺炎の原因と、乳腺炎になりやすい食事・なりづらい食事について、管理栄養士が解説します。

辛くて痛い?乳腺炎とは

乳腺炎になると乳房がカチカチになって痛くなり、ひどいと熱が出たりします。頭痛や全身の倦怠感などの症状になる場合もあります。乳腺炎には、乳管が詰まり母乳が溜まることで炎症が起きるものと、乳腺が細菌に感染したために炎症が起きるものの2種類があります。
今回は乳腺炎の中でも、乳管の詰まりによって起きるものの食事対策についてお伝えします。乳管が詰まるタイプの乳腺炎は、母乳が通る乳管が十分に開いていない場合や、赤ちゃんが小さいが故に母乳を飲む力が弱いことなどが原因で、母乳が乳房に溜まることで起こると考えられます。赤ちゃんの飲む量が少ない場合は、搾乳機などで出してしまうことなどが対処法としてありますが、なかなかコントロールが難しいです。乳管に詰まりにくくする食事対策ならば、ご自身でコントロールしやすいのではないでしょうか。
なお今回はあくまで予防の観点からのお話なので、既に乳腺炎になってしまった場合は、すぐに医師に相談するようにしてくださいね。

乳腺炎になりやすい食事

脂肪分の高い乳製品

高脂質のバター・生クリーム・チーズなどです。赤ちゃんのお祝いなどでケーキを食べる機会が多いかもしれませんが、少しずつ食べて様子を見ていただくことが大切です。もし乳房が張ってきたり、痛くなってきたりしたら、高脂質の乳製品により母乳の流れが悪くなっている状態かもしれません。

脂肪分の多いお菓子類

クッキー・マドレーヌ・マカロン・ケーキ類などです。一見クリームが乗っていないケーキ類でも、中にバターやマーガリン・ファストスプレッド・ショートニングなどがたっぷり含まれている場合があるので注意が必要です。裏面の原材料表示もチェックしてみましょう。含有量の多い順に原材料が書かれているので、ご自身でも読み取る力をつけると良いでしょう。

脂肪分の高い肉類

霜降りの肉・揚げ物全般などです。肉に関しては目視で脂質が多そうなど判断がつきやすいため、ご自身で脂身は避けて食べるなど対策がしやすいです。牛肉や豚肉はしゃぶしゃぶなど食べる際に脂身を落とすと、調理上食べやすいかと思います。鶏肉に関してはモモ肉よりもムネ肉やささみの方が脂質が少ないため、できるだけムネ肉やささみを使うなどしていただくと、最初から脂質が抑えられます。揚げ物については食べる際は衣を残すなど、工夫していただくと良いでしょう。

冷たい食べ物・飲み物全般

アイスクリーム・氷入りの冷たい飲料などです。体を冷やすものを摂ると血流が悪くなり、結果として乳腺炎になる可能性があります。そこで、基本的にはアイスクリームなど冷たいものは避け、飲み物は氷なしで常温以上またはホットのものを飲むようにしていただくと良いでしょう。

乳腺炎になりづらいおすすめの食事

野菜類

ほうれん草、キャベツなどの葉物野菜、にんじん・じゃがいも・玉ねぎなどの根菜類はどれもおすすめです。一方でトマト・きゅうり・レタスなど、生で食べる夏が旬の野菜は体を冷やしてしまう可能性があるため、授乳期にはあまりおすすめできません。体を冷やすと血流が悪くなり、母乳が詰まりやすくなってしまう可能性があるため、もし夏野菜を食べるならば加熱していただくことをおすすめします。

海藻類

わかめ・海苔・昆布など。野菜と同様に基本的に加熱して、体を冷やさないように食べてください。乳腺炎のみならず、産後の抜け毛が気になる時にも海藻類はミネラルが豊富でおすすめです。

豆類

大豆・小豆・枝豆など。豆類は植物性のたんぱく質が豊富で母乳を作る原料にもなるため、特に授乳期は摂りたい食材です。甘いものが食べたい時、洋菓子だと乳腺炎になりやすい高脂質の食材が含まれているのに対して、あんこを使った和菓子は基本的に低脂質で乳腺炎になりにくいものが多いです。授乳中に小腹が空いた時のスイーツは、和菓子をおすすめします。

魚類

鯖、マグロ、鮭などです。魚に含まれる脂質はDHA・EPAといって血液をサラサラにする働きが期待できます。同じ脂質といっても肉とは性質が違う脂質が魚には含まれています。授乳中の食事はたんぱく質がたくさん必要ですが、肉だけに偏らず魚もぜひ毎日の食事に取り入れてみてくださいね。ただし、産後まもなくまだ免疫力が回復していない場合は、生の魚(刺身)は避けていただき、基本的には焼き魚がおすすめです。

 

産後はただでさえ体が疲れている状態なのに、母乳が詰まって痛くなる辛い乳腺炎にはできることならなりたくないですよね。そこで、毎日の食事や間食選びで乳腺炎を予防するための、食材選びについてお伝えしました。毎日少しずつ実践していただくことで、体質改善にも繋がるのでぜひ取り入れてみてくださいね。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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