コラム

妊娠“超”初期から必要な葉酸の正しい摂り方

公開日:2023年6月7日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

妊娠中に必要な栄養素はいくつかありますが、基本のキである栄養素「葉酸(ようさん)」。名前は聞いたことがある方も多いかもしれませんが、そもそも葉酸とはどんな栄養素かご存知ですか?いつから必要なのか、足りない場合赤ちゃんの成長にどう関係するのか、含まれる食材とは?など、管理栄養士が解説します。

そもそも葉酸はどんな栄養素なの?

葉酸は水溶性ビタミンB群の仲間です。赤ちゃんの細胞の分裂や成熟にも大きく関わるため、特に妊娠中のママとお腹で育つ赤ちゃんに大変重要な栄養素だと言われています。当たり前ではありますが、赤ちゃんは自分で葉酸を摂ることができないため、ママがしっかりと食べ物から摂る必要があります。葉酸は水溶性ビタミンなので、一度にたくさん摂っても体の中に貯蔵しておくことはできず、貯蔵できない分は尿と一緒に排出されます。そのため一度にたくさんではなく、毎日意識して摂ることがポイントです。
葉酸は妊娠の超初期から必要です。ただし一般的に妊娠に気づくのは、早くても妊娠2ヶ月ごろ。すなわち妊娠超初期から葉酸を摂ろうとすると、実質は妊活中から摂る必要があることがわかります。赤ちゃんがほしい!と思った時点から、葉酸を意識して摂っていただくのがベストですね。

葉酸が足りないとどうなるの?

前述のように、葉酸は赤ちゃんの細胞の分裂や成長に大きく関わる栄養素です。もしも葉酸が足りない場合は、お腹の中で赤ちゃんが育つ時にリスクが生じる可能性があります。具体的な症状としては、お腹の赤ちゃんの脳や脊髄の発達が遅れる先天的の「神経管閉鎖障害」です。ママが妊娠中に葉酸を含む食材を食べることで、赤ちゃんの「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすことができると言われています。
厚生労働省によると、そもそも日本人女性は鉄と葉酸が不足しがちであるというデータがあります。この原因としては、厚生労働省がかかげる1日350gの野菜を摂りましょうという目標を、達成できていない人が多いから、と言われています。平成29年国民健康・栄養調査 厚生労働省 健康日本21(第二次)によりますと、1日の野菜の平均摂取量は、20~29歳では218.4g、30~39歳では232.3g、40~49歳では246.3gであり、目標の350gからすると100g以上も足りていないというデータがあります。特に20代の野菜の摂取量は最も少なくなっています。ぜひこれを読んでいる皆さんも、一度自分の1日の野菜の摂取量を測ってみてくださいね。

葉酸が含まれる食材とおすすめの食べ方

葉酸は野菜・果物に多く含まれますが、中でも菜花・アスパラガス・からし菜・さつまいも・ほうれん草・枝豆・白菜・春菊・いちご・マンゴー・キウイフルーツ・バナナなどに多く含まれています。葉酸は水溶性ビタミンなので、煮込むと水に溶け出してしまう性質があります。そのため最も良いのは、葉酸が含まれる野菜をスープの具材として食べることです。煮汁まで丸ごと飲むことができると余すことなく葉酸を摂ることができます。また、お腹が空いた時の間食として、いちごやマンゴー、キウイフルーツやバナナなどの果物を食べるのも良いです。生のフルーツには酵素や水分が沢山含まれているため、妊娠中に胃の働きが弱っている時でも食べやすく、消化に良いのでおすすめです。
一方で、ドライフルーツとなっているものは酵素や水分が含まれず、特に砂糖漬けになったドライフルーツは糖分過剰になりやすいため、食べる量を控えるようにしてください。

 

妊娠超初期から必要な、葉酸についてのお話でした。忙しかったり、つわりなどの体調不良で毎食調理するのが難しくても、果物なら毎食手軽に食べやすいのではないでしょうか。サプリメントもうまく活用してみると良いですね。ご自分の状況に合わせてチョイスしてみてくださいね。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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