公開日：2023年12月19日

記事監修：管理栄養士 松尾和美

赤ちゃんが欲しいと思った時、食事を改善したり、生活習慣を整えたり、妊娠しやすい体づくりを意識することが大切ですが、同時にストレスから体を守ることも大切です。妊活中にさまざまなストレスを感じることもあるかもしれませんが、できるだけストレスを溜めないようにしていただくことが、妊活成功へのカギとなります。そこで今回は、妊活中のストレス軽減におすすめの食べ物を、管理栄養士がご紹介します。

妊活中にストレスを溜めない方が良い理由とは？

そもそも妊活中にストレスを感じると、なぜ良くないのでしょうか？その理由は、ストレスによりホルモンバランスが崩れる可能性があるからです。私たちがストレスを感じた時、脳にある視床下部から脳下垂体という指令を出すところが刺激され、不調をきたします。本来、視床下部や脳下垂体が指令を出して卵胞刺激ホルモンが分泌され、その結果月経が起こる仕組みが、ストレスを強く受けることで視床下部からの指令がうまく出なくなり、月経不順や無月経になってしまう場合があります。赤ちゃんが欲しいと思っているのに月経周期が不定期であると、排卵日の予測もしづらく、妊活のタイミングが難しくなってしまいます。そこでまずは月経周期が安定するように生活リズムを整え、さらにはストレスを軽減することが大切だと言えます。

妊活中のストレス軽減に摂りたい栄養素とは？

現代社会に生きる私たちは、誰もが日々ストレスと戦っています。例えば、仕事や人間関係におけるストレスはもちろんですが、携帯電話やパソコンから出る電磁波や、排気ガス、オゾン層の破壊により年々強くなっている紫外線なども、体にとってはすべてストレスとなります。そこで、これらのストレスに打ち勝つために、摂りたい栄養素をピックアップしました。

ポリフェノール

ポリフェノールは植物に存在する、苦みや色素の成分です。具体的にはアントシアニン・カテキン・カカオポリフェノール・クルクミン・ショウガオールなどです。水に溶けやすい性質があるため、比較的迅速に作用すると言われておりますが、その分持続性がないため、こまめに毎日摂ることがポイントです。

下記のものに多く含まれます。
○アントシアニン：ブルーベリーなどのベリー系の果物
○カテキン：緑茶や抹茶などの飲料
○カカオポリフェノール：チョコレートなど
○クルクミン：カレー粉の原料であるウコン
○ショウガオール：生姜

ポリフェノール入りのドリンクやお菓子なども売られていますが、砂糖や添加物の少ないものを選んでいただくことがポイントです。

ビタミンＣ

ビタミンＣは主に植物性食材に多く含まれるビタミンです。ストレスがかかると多く消耗してしまうため、ストレスが多いと感じる方はより意識していただきたい栄養素です。水溶性のビタミンであるため、一度にたくさんの量を摂っても貯蔵できず、貯蔵ができなかった分は尿中に排泄されてしまうため、ポリフェノールと同様にこまめに毎日摂ることが大切です。赤ピーマン・黄ピーマン・ブロッコリー・じゃがいも・さつまいもなどに含まれます。水溶性なので、蒸し器や時間短縮ができる圧力鍋や電子レンジで料理することで、流出を防ぐことができます。

ビタミンＥ

ビタミンＥは、植物性食材にも動物性食材にも含まれるビタミンです。脂溶性のビタミンであるため貯蔵はできますが、一度にあまりにもたくさん摂ってしまうと過剰症になりえます。そのため、ビタミンＥもこまめに適量を摂ることが大切です。アーモンド・ピーナッツ・くるみなどのナッツ類、アボカド・かぼちゃなどの野菜類、柿・レモン・アセロラ・いちごなどの果物類、うなぎ・たらこ・ぶり・銀鱈などの魚介類に含まれます。油で炒めたり、オイルドレッシングと一緒に食べたりすることで、吸収率がアップします。

ＧＡＢＡ

ＧＡＢＡには興奮した際に出る神経伝達物質の分泌を抑え、自律神経を整える働きがあります。発芽玄米に最も多く含まれていますが、トマト・かぼちゃ・きゅうり・なすなどの野菜類、メロン・みかんなどの果物類、漬物やキムチなどにも含まれています。ＧＡＢＡ入りのお菓子なども最近では良く見かけますよね。

トリプトファン

トリプトファンは必須アミノ酸の１つで、体内で必要量を合成することができないため、必ず外から摂取する必要があるアミノ酸です。ストレスによる不眠に作用し、質の良い睡眠に導いてくれる栄養素です。質の良い睡眠はストレス軽減に大切なことです。かつお・まぐろ・えびなどの魚介類、しいたけ・マッシュルームなどのきのこ類、ピーナッツ・カシューナッツ・くるみなどのナッツ類、きなこや納豆・豆乳などの大豆製品、インゲン豆や小豆などの豆類、キウイ・バナナなどの果物類に含まれます。

食事から摂ることにこだわりすぎないでサプリメントを頼ることも大切

上記でご紹介した栄養素・食材を摂ることでストレス軽減につながりますが、毎食バランス良くしないと！など神経質になってしまうと、かえってストレスになり逆効果です。忙しい毎日の中で、食事だけで必要な栄養素を完璧に摂ろうと思っても、難しいこともあると思います。そこで、上記の栄養素の含まれるサプリメントをうまく活用しながら、追い込みすぎないことが大切です。

 

いかがでしたでしょうか？妊活にストレスが良くない理由から、具体的にストレスに打ち勝つために摂りたい栄養素と食材を、管理栄養士がご紹介しました。ストレスをゼロにすることはなかなか難しいので、食べ物からもケアしながらうまくストレスと付き合っていきましょう。サプリメントも活用して、できるだけノンストレスな生活を送ってくださいね。

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この記事の監修者：松尾和美