コラム

イライラ気分の原因?産後の腸内環境を整える食事

公開日:2024年1月17日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

産後は授乳・オムツ交換・沐浴、生後半年ごろには離乳食が始まり、毎日とにかく忙しいですよね。日々の疲れや寝不足が重なりイライラ…、こういった不調は産後のホルモンバランスが大きく関係すると言われています。ホルモンバランスは私たちのコントロールの効かない部分でもあり、どうしようもないとしても、それ以外にケアをする方法があります。それは腸内環境を整える食事を摂ること。今回は産後に取り入れたい腸内環境を整えるおすすめの食事について、管理栄養士が解説します。

腸内環境の乱れとは?

自分の目で直接見ることができない腸内環境。その腸内環境を間接的に知ることができる、チェックポイントが3つあります。ぜひ確認してみてください。

・毎日の排便がない
・オナラが臭い
・お腹が張っている

いかがでしょうか?上記に1つでも当てはまる場合は腸内の悪玉菌が多く、腸内環境が乱れている証拠です。慣れない育児でのストレスや疲労の蓄積、食生活の乱れなどが、腸内環境の乱れを引き起こす原因となります。特に食事の要素と腸内環境の状態には深い関係性があり、食事内容の見直しをするだけで腸内環境が整います。毎日3回摂る食事だからこそ、見直しをすると変化が早いのが特徴です。

腸内環境と脳は深くつながっている?

腸は脳と同様に神経細胞同士で情報伝達をしており、腸には脳に次いで神経細胞が多いことが分かっています。腸の情報伝達に使われる神経伝達物質は、別名、幸せホルモンとも言われるセロトニンと言うもので、体内にある9割のセロトニンは腸内で作られることが分かっています。イライラする時はセロトニンが不足している可能性が高く、腸内環境を整えることで腸内でセロトニンが作られるようになるため、食事内容を見直すことで結果として産後のイライラが抑えられる可能性があるという訳です。
具体的にどうしたら良いか?と言いますと、毎日の食事から発酵食品を摂り、発酵食品に含まれる善玉菌を腸内に取り入れることで、悪玉菌を減らすことです。さらに善玉菌の餌となる食物繊維も同時に摂ることで、善玉菌がイキイキと活動的になるため、食物繊維も一緒に摂っていきましょう。

管理栄養士おすすめ!腸内環境を整えるために食べたい食材

発酵食品

腸内環境を整えるために最も必要なもの、それは善玉菌が含まれる発酵食品です。具体的には以下のものがあります。

■乳製品類:ヨーグルト・チーズ・バター等

授乳中のおやつに、たんぱく質が多く含まれる発酵食品である、ヨーグルトやチーズを食べるのは大変おすすめです。プレーンのヨーグルトにドライフルーツや玄米フレークを混ぜれば、後述の食物繊維もたくさん摂れて一石二鳥です。

■豆製品類:納豆・テンペ・豆腐よう等

納豆は毎日でも食べたい食品の1つです。血液をサラサラにするビタミンKが入っているので、特に母乳育児をしている方にはおすすめです。ただし、市販のタレには添加物が多く入っていることもあるため、ポン酢や醤油などシンプルな調味料で食べていただくことをおすすめします。

■野菜類:糠漬け・キムチ・ピクルス・ザワークラフト・ザーサイ等

全て塩分が多いので、食べすぎると喉の渇きやむくみの原因になります。授乳中は特に脱水になりやすいこともあり、食べる場合は量に注意してください。

■調味料類:味噌・醤油・みりん・酢・塩麹・醤油麹・豆板醤・コチュジャン等

調味料は毎日の料理の中で使用しやすいのが特徴です。できるだけ原料がシンプルで、添加物が少ないものを選んでみてくださいね。塩麹や醤油麹は硬めのお肉にまぶしてから焼くと、柔らかくなりとても食べやすくなります。

■魚類:かつお節・塩辛等

かつお節は和物にもサラダにも合いますし、ご飯に混ぜても美味しいですよね。塩辛は食べすぎると喉の渇きやむくみの原因になりますので、食べる場合は量に注意してください。

■肉類:生ハム・サラミ等

肉の加工品である生ハムやサラミは塩分を多く入れることで腐敗しづらくなるようにしていますので、食べすぎると喉の渇きやむくみの原因になります。授乳中は特に脱水になりやすいこともあり、食べる場合は量に注意してください。

■飲料類:甘酒・プーアール茶・紅茶等

甘酒にはアルコールが入っている酒粕甘酒と、アルコールが入っていない米麹甘酒の2種類があります。母乳育児の方はアルコールの入っていない米麹甘酒がおすすめです。甘酒は疲労回復効果も期待でき、飲む点滴とも言われているため、産後の疲労にも大変良いと言えます。紅茶にはカフェインが含まれており、基本的に摂取量の制限はないものの、飲みすぎると頭が興奮状態になり、睡眠が浅くなることもあるので注意してください。

食物繊維を多く含むもの

腸内環境を整えるために他に必要なもの、それは食物繊維が含まれるものです。具体的には以下のものがあります。

■野菜類:ほうれん草・小松菜・キャベツ・白菜などの葉物野菜・じゃがいも・さつまいも・にんじん・玉ねぎ・ごぼう・大根などの根菜類

特に根菜類の皮には食物繊維が多く含まれるため、皮を剥かずにそのまま食べていただくと、より多く食物繊維を摂ることができます。旬の野菜は特に栄養価が高いため、季節の野菜を選ぶと食物繊維以外にも、ビタミンやミネラルがしっかりと摂れます。

■海藻類:わかめ・昆布・もずく・あおさ・海苔等

わかめやあおさ、海苔は毎日の味噌汁やスープにおすすめです。もずくは発酵食品である酢と一緒に摂ると、腸内環境のために一石二鳥ですね。

■果物類:りんご・柿・みかん・梨・メロン・いちご等

果物には食物繊維のみならずミネラルやビタミンが入っており、いちごやりんごなど皮を剥かなくても手軽に食べられるものがあり、時間がない産後にはおすすめです。しかし果物全般、基本的に糖質が高いので、食べすぎには気をつけてください。

 

今回は産後の気分のイライラを、腸内環境を整えて改善する食事方法について解説しました。腸内環境を整える基本は発酵食品を毎日摂ること、そして発酵食品に含まれる善玉菌の餌となる食物繊維も併せて摂ることです。ただし追い込みすぎては逆にストレスとなるため、コンビニやスーパーのお惣菜も活用して、無理のないように食べてくださいね。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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