妊娠中のカフェイン摂取量はどのくらいまで?おすすめ飲み物も紹介
公開日:2024年4月24日
記事監修:管理栄養士 広田千尋
妊娠中は摂りすぎに注意したいカフェイン。コーヒーであれば1〜2杯は問題ないとされていますが、具体的にどのくらい摂って大丈夫なのでしょうか?カフェインを含む飲み物は、コーヒー以外にも紅茶や緑茶などがあるため、しっかり把握しておきましょう。また妊娠中に取り入れやすい、カフェインを含まない飲み物も紹介します。
妊娠中のカフェイン摂取量は1日200~300mgまで
妊娠中のカフェインの摂取量は、1日あたり約200〜300mg以下にするのがよいとされています。国内には明確な基準がないため、海外で推奨されている量を紹介します。
【妊娠中に影響のないとされる1日あたりのカフェイン摂取量】
・英国食品基準庁(FSA) 200mgまで
・欧州食品安全機関(EFSA) 200mgまで
・オーストリア保健・食品安全局(AGES) 200mgまで
・世界保健機関(WHO) 300mgまで
・カナダ保健省(HC) 300mgまで
妊娠中のカフェインの過剰摂取は、赤ちゃんの発育に影響を与えて、低体重や早産、死産と関連する可能性があることが知られています。そのため妊娠中は上記の量を超えないように、上手にカフェインと付き合っていきましょう。
飲み物のカフェイン含有量一覧
妊娠中のカフェインの摂取量の目安である200〜300mg以下を守るために、飲み物に含まれるカフェイン含有量を知っておきましょう。
【100mlあたりのカフェイン含有量】
・コーヒー(インスタントコーヒー2g使用) 80mg
・コーヒー(浸出液) 60mg
・紅茶(浸出液) 30mg
・緑茶(浸出液) 20mg
・ウーロン茶(浸出液) 20mg
・ほうじ茶(浸出液) 20mg
・玄米茶(浸出液) 10mg
・コーラ 約10mg
・ミルクココア(ピュアココア3g使用) 6mg
もっともカフェイン含有量の高いインスタントコーヒーの場合は、毎日250~375ml(コップ1杯強)であれば飲んでも大丈夫な量です。濃いめにするとその分カフェインを多く摂ってしまうため、注意が必要です。また複数の飲み物を組み合わせて飲む場合は、あわせて200~300mg以下になるように調節しましょう。
コーヒーや紅茶との付き合い方
カフェインの多いコーヒーや紅茶は、毎日1~2杯などと量を決めておきましょう。ほかの水分補給は緑茶などのカフェインを含むものは避け、水や麦茶などのカフェインを含まない飲み物にしておくと安心です。またコーヒーや紅茶をカフェで楽しむ際は、量に注意しましょう。例えば、コーヒーのトールサイズは350mlほどであり、カフェイン量は210mgほどです。2杯飲むとあっという間に基準値を超えてしまいます。カフェには、カフェインレス(デカフェ)のコーヒーや紅茶を取り扱っているところもあるため、そのようなものを選ぶのもよいでしょう。カフェインレスとは、カフェインを90%以上除去しているため、安心してコーヒーや紅茶を楽しめます。上手に利用して我慢しすぎず、無理なく過ごしてくださいね。
妊娠中におすすめのノンカフェインの飲み物3選
カフェインの量を毎日考えながら水分補給するのは、大変ですよね。カフェインの心配が不要な、ノンカフェインの飲み物にはどのようなものがあるのでしょうか?知っておき、選ぶ際の参考にしてみてください。
麦茶
大麦から作られる麦茶は、カフェインを含みません。身近なお茶であり、価格も手頃なので、妊娠中の水分補給に取り入れやすいでしょう。また授乳中や、離乳食がはじまった際の赤ちゃんの水分補給にもぴったりです。
コーン茶
とうもろこしから作られるコーン茶も、カフェインを含まない飲み物です。やさしい甘みを感じられるため、ホッとひと息つきたいときにもおすすめです。
たんぽぽ茶
たんぽぽの根から作られるたんぽぽ茶も、カフェインを含まないため妊娠中の水分補給に役立ちます。たんぽぽ根のみが原料のものもあれば、生姜などがブレンドされているものもあります。お好みにあわせて選んでみてください。
ハーブティーには要注意
ルイボスティーなどのハーブティーはカフェインを含みませんが、たくさん飲むのは注意が必要です。ハーブの中には、子宮を収縮させて早産につながる可能性が知られているものがあるからです。絶対に飲んではいけない、というわけではありませんが、水分補給をするなら、先ほど紹介した麦茶などのお茶を選ぶようにすると安心でしょう。
妊娠中でも、量を守ればカフェインを含む飲み物を楽しむことができます。妊娠中はさまざまな制限があり大変かもしれませんが、上手に息抜きをして、無理なく妊娠期間を過ごしましょう。
【参考文献】
食品安全委員会「食品中のカフェイン」
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
この記事の監修者:管理栄養士 広田千尋