コラム

妊活に欠かせない大切な栄養素「亜鉛」!亜鉛の摂れる食材とおすすめの食べ方

公開日:2022年5月7日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

妊活中は健康的な食事をバランス良く食べて赤ちゃんを迎える準備をしましょうと言われていますが、特に欠かせない栄養素があります。それはミネラルの1種である『亜鉛』です。今回は、なぜ妊活中に特に亜鉛が必要なのか?また亜鉛をしっかりと摂るためにおすすめの食材、そしてどのように食べると吸収率が高くなるのかについてお伝えします。

妊活に必要なミネラル『亜鉛』

亜鉛は成人の体内に約2g含まれており、鉄に次いで2番目に多いミネラルです。亜鉛は体内で作ることができないので、必ず食事やサプリメントから摂る必要があります。亜鉛は歯・骨・肝臓・腎臓・筋肉・生殖器などに含まれます。細胞分裂を助けて新しく細胞を作る作用、味覚機能を正常に保つ作用、他にも免疫機能に関係していたり、最近では褥そうの治癒などでも注目されている、皮膚の健康にも欠かせない栄養素です。
そして今回のテーマである妊活との関係ももちろんあります。亜鉛は別名“セックスミネラル”と呼ばれており、女性の卵胞刺激ホルモンや黄体ホルモンの働きを高めることがわかっています。亜鉛は妊娠や着床に欠かせないミネラルと言えます。女性のみならず男性にも亜鉛は必要で、精子を作るのに欠かせません。亜鉛は妊活を意識したら夫婦で摂ることをおすすめします。

具体的な亜鉛の必要量とは?

亜鉛の必要量は日本人の食事摂取基準2020より、1日の推奨量は女性18~29歳・30~49歳ともに8mg、男性18〜29歳・30〜49歳ともに11mgです。通常の食事による亜鉛の過剰摂取の可能性は低いですが、亜鉛の過剰摂取は銅欠乏、貧血、胃の不調など様々な健康被害が生じることがあるため、過剰摂取にはご注意ください。耐用上限量は女性18~29歳・30~49歳で35mg、男性18~29歳で40mg、30~49歳で45mgですので、推奨量は妊活中も非妊活中も区別はありませんが、妊活を意識したら推奨量+α(耐用上限量未満)の摂取量を意識していただくことをおすすめします。

妊活を意識した『亜鉛』が摂れるおすすめの食事

妊活を意識したらすぐにでも始めていただきたい、亜鉛を意識した食生活。亜鉛がたっぷり含まれる食材を摂る事はもちろんですが、せっかく亜鉛が含まれる食材を食べるならば、吸収率が上がる食べ方を知ることも大切です。また、亜鉛の吸収を阻害する食材を避けたり、食べる時間をずらすことで効率よく亜鉛を摂ることができます。
まず亜鉛が多く含まれる食材といえば牡蠣です。牡蠣には100gあたり14.5mgと、多くの亜鉛が含まれています。殻なしで1粒当たり30g程なので、3、4粒で亜鉛が14.5mg摂れます。これだけで1日に必要な栄養素(推奨量)を十分に摂ることができます。また、豚のレバー100gあたり6.9mg、うなぎ100gあたり2.7mgと、これらも亜鉛が多く含まれている食材です。
牡蠣やレバーは買ってきたら臭みを取る工程があり、味も濃い目にするために調味料を入れるなど、少し手間かかり調理がめんどくさいというイメージがあると思います。また、生のものを扱うには食中毒の心配もあります。そこで市販品を活用して、気軽に食卓に亜鉛を取り入れるのはいかがでしょうか?牡蠣は調理済みの缶詰や揚げるだけで簡単にできる冷凍牡蠣フライ、レバーはバケットに塗るレバーペーストなど、簡単に使えて日常に取り入れられるものが売られていますので、うまく活用していきましょう。
他にもナッツ類にも多く、特にカシューナッツは100gあたり5.4g、アーモンドも100gあたり4.4gと多いので、おやつとして10粒程を目安に取り入れるのもおすすめです。

亜鉛の吸収率をアップする食材、吸収阻害する食材

亜鉛の吸収率を高めてくれる食材に、たんぱく質やビタミンCがあります。たんぱく質の中でも特に動物性のたんぱく質が相性が良く、豚肉・牛肉・鶏肉・魚と一緒に食べていただくと、より亜鉛の吸収率が上がります。また、同じく亜鉛の吸収率を高めるビタミンCは、野菜ではパプリカ・ピーマンなどに、果物ではいちご・みかんなどに含まれてるので、牡蠣と一緒の食事の中でサラダとして取り入れたり、食後のデザートとしてこれらを食べていただくことをおすすめします。

一方で亜鉛の吸収を阻害する栄養素もあります。それはフィチン酸、食物繊維、リン酸です。フィチン酸は玄米・ごま・とうもろこしなどに含まれています。食物繊維は基本的に野菜や海藻に含まれる一般的な量でしたら問題ありませんが、食物繊維の豊富なファイバー系のサプリメントなどと一緒に、亜鉛の含まれている食材を食べることはおすすすめしません。リン酸は、ソーセージやハム、カップラーメンなどの加工食品に多く含まれます。加工食品は亜鉛の吸収を阻害するだけではなく、食品添加物や塩分も気になるので、できるだけ妊活を意識したら避けることをおすすめします。亜鉛を意識して摂るときは、これらの含まれている食材とは少しタイミングをずらして食べていただくと良いでしょう。

 

今回は妊活を意識したら摂りたい『亜鉛』についてのお話させていただきました。仕事をしながら妊活もとなると、忙しくてきちんと食事を作れない事にストレスを感じる方も多いと思います。適切に市販品やサプリメントも利用しながら、できるだけストレスを溜めずにリラックスして妊活を始めてください。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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