コラム

夫婦で摂れていますか?妊活中に摂りたい栄養素【亜鉛・ビタミンE・たんぱく質・葉酸】

公開日:2022年2月22日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

妊活は女性が一人で抱え込みがちですが、夫婦一緒に取り組むものです。そのために夫婦で必要な栄養素をしっかりと摂って臨みたいですよね。妊活中にバランス良くなんでも食べることは必須ですが、その中でも今回は、特に摂りたい栄養素4つにスポットを当ててご紹介します。

妊活に必要な栄養素とその理由

亜鉛

1.亜鉛とは?
亜鉛はミネラルの一種です。体内に約2,000mgあり、骨格筋・骨・皮膚・肝臓・脳・腎臓などの臓器に分布しています。

2.妊活と亜鉛の関係
亜鉛はDNAの合成に必要な栄養素で、お腹の中で赤ちゃんが大きくなるのに重要です。このことから亜鉛は妊活に必要な栄養素と言われるようになりました。それ以外にも骨の成長や肝臓・腎臓・すい臓、そして精子を作る睾丸など、新しい細胞が作られる組織や器官では欠かせない栄養素なので、男性に必要ということを知っている方も多いのではないでしょうか?また、味覚を感じる味蕾細胞にも亜鉛は必要です。食事で濃い味を好むようになった時、もしかすると亜鉛が不足しているのかもしれません。

3.一緒に摂る栄養素による亜鉛の吸収率の違い
亜鉛はたんぱく質との結合によって吸収されて、体内でよく働くと言われています。一方で、亜鉛はフィチン酸により吸収が阻害されると言われているため、玄米やオートミールなどと一緒に摂ることはおすすめしません。

亜鉛というと男性が摂る栄養素のイメージが強いですが、亜鉛は毎日の排泄などや、月経時に体外へ出ることが多いため、女性の方にも必要です。

ビタミンE

1.ビタミンEとは?
ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種です。ビタミンEは細胞膜のリン脂質二重層内にあると言われています。動物を使ったビタミンE欠乏の実験では、症状の1つに不妊が見られました。一方で、仮にビタミンEを摂りすぎると出血しやすくなると言われていますが、基本的には通常の食品からの摂取において、ビタミンEの過剰摂取は心配しなくて良さそうです。

2.妊活とビタミンEの関係
ビタミンEは強い抗酸化力を持つため、体のサビが気になる方や美容に興味がある方の間で認知されている栄養素ですが、妊活にも大きく関わっています。前述のように、ビタミンEが欠乏していると不妊の症状が見られたという報告があるため、妊活を意識したらしっかりと摂りたい栄養素ですね。

3.一緒に摂る栄養素によるビタミンEの吸収率の違い
ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種なので、油と一緒に摂ると、吸収されて体内でよく働くと言われています。しかし注意したいのが、何度も使った古い油は酸化しているので、せっかく抗酸化力のあるビタミンEを摂ろうとしても、酸化した油と一緒に摂るのでは意味がありません。新鮮で、できれば加熱せずに使える油(オリーブオイルなど)と一緒に摂ることをおすすめします。

たんぱく質

1.たんぱく質とは?
たんぱく質は三大栄養素の一種で、炭水化物、脂質と合わせて主要な栄養素と言われています。たんぱく質は他の栄養素から体内で合成することができないので、必ず食事から摂取しなければなりません。たんぱく質は体内でアミノ酸という細かい形に変わり、吸収されます。私たちの筋肉や臓器、皮膚、髪や血液、ホルモンなど、あらゆるものの原料となっています。

2.妊活とたんぱく質の関係
たんぱく質は前述のように、筋肉や血液、ホルモンなどの原料となっています。妊娠を希望している場合は、平熱が低くないこと、血流が良いことが大切になるので、たんぱく質をしっかりと摂って体の筋肉を作り、熱産生を増やして低体温予防をすることや、たっぷりと血液を作ることで妊娠につながる可能性が高くなると言えます。

3.一緒に摂る栄養素によるたんぱく質の吸収率の違い
たんぱく質は肉や魚、卵や、豆腐などの大豆製品に含まれますが、食品によって含まれる割合は異なります。例えば、水分が多い豆腐は肉や魚に比べて、重量あたりのたんぱく質量が少なくなっています。卵は別名『完全栄養食』と言われるように、ひよこが成長するのに必要な栄養素が含まれているだけあり、アミノ酸のバランスがとても良いと言われています。たんぱく質には動物性と植物性があり、どちらかだけ摂れば良いというものではなく、どちらもバランス良く摂ることが必要です。たんぱく質については一概にこの食品を食べると吸収率が高くなるなどとは言えません。

葉酸

1.葉酸とは?
葉酸はビタミンB群の一種で水溶性ビタミンです。葉酸といえば妊娠前から摂りたい栄養素の1つとしては最も有名で、妊娠を希望する女性だけが摂れば良いと思われがちですが、実は赤血球を作るときに欠かせない栄養素なので、男性にも是非一緒に摂っていただきたいです。

2.妊活と葉酸の関係
葉酸は前述のように、妊娠前から摂りたい栄養素の1つです。なぜなら葉酸は赤ちゃんがお腹の中で育つのに必要な栄養素で、もし妊娠初期に葉酸が不足すると、お腹の赤ちゃんの神経管閉鎖障害や無脳症を引き起こす原因となるとわかっているからです。ママが妊娠に気づくのは一般的に妊娠2ヶ月ごろ。赤ちゃんの神経管は妊娠2ヶ月より前に出来上がると言われているので、そういった理由で妊活中からしっかり葉酸を摂る必要があります。

3.一緒に摂る栄養素による葉酸の吸収率の違い
葉酸は水溶性ビタミンなので、ゆでるときなどに水中に流れ出てしまいます。葉酸はたんぱく質と同じく何かと一緒に摂ると吸収率が変わる栄養素ではないのですが、ゆでて水に溶け出してしまうとそもそもの摂取量が減ってしまうため、生でそのまま食べるか、煮汁まで丸ごと食べられる調理方法をおすすめします。

ちょい足しで摂れる!おすすめの食べ方

亜鉛

●牡蠣の佃煮
牡蠣は亜鉛がたっぷり入っています。調理が大変ですが、佃煮としてたくさん作っておけば長持ちし、毎日摂ることができます。

●小海老と海苔のふりかけ
小海老からも亜鉛は摂れます。わざわざ主菜や副菜で摂らなくても、ご飯にちょい足しで亜鉛が摂れるので手軽ですね。

ビタミンE

●フィッシュ&アーモンド
おやつに選んでいただくと小腹が満たせる上に、手軽にビタミンEとたんぱく質が摂れます。

●アボカドのオリーブオイルかけ
スライスしたアボカドにオリーブオイルと塩をかけるだけ!火を使わなくても立派な副菜になります。吸収も◎

●かぼちゃチーズ焼き
チーズを載せて焼くだけで簡単です。冷凍かぼちゃを電子レンジでチンして柔らかくしてつぶし、チーズをかけて焼けばグラタン風になります。副菜におすすめです。

たんぱく質・葉酸

●プロテイン+ヨーグルト+フルーツ
朝からしっかり食べる時間がない人は、プロテイン+ヨーグルトがおすすめです。ヨーグルトは水切りタイプですと特にたんぱく質が多く含まれています。さらにお好みでイチゴ、ドライマンゴーなど葉酸が豊富なフルーツを足すと、妊活に最強のコンビネーションになります。

コンビニやスーパーでの選び方のコツ

今はさまざまな惣菜や食品が身近なコンビニやスーパーで買えるようになりましたが、妊活を意識するなら選び方も大切です。

1.加工食品は食品添加物ができるだけ少ないものを選ぶと◎
生のフルーツや野菜以外の加工された食品、例えばたんぱく質補給の目的でヨーグルトやプロテインを買う時に、裏の成分表示を見てから買うくせをつけることをおすすめします。食品添加物は/の後ろに記載されています。(/の前は原材料です)
全ての食品添加物がNGということではありませんが、食品添加物の摂りすぎは体の冷えなどに繋がる可能性があります。シンプルな材料で作られている食品は、食品添加物の含有量は少なくなり、体への負担も少なくなります。

2.油調理の場合は酸化していないものを選ぶと◎
油は空気に触れれば触れるほど酸化されます。何回も揚げた油で調理された食材は、酸化が進んでいると言えます。酸化された油は体にとって負担になります。ビタミンEを含む食材は、油調理で食べるとビタミンEの吸収率が高くなるとお伝えしましたが、酸化した油で調理されたものではその効果は半減です。ですので、揚げ物などは市販のものを買って食べるよりも、自宅で新鮮な油を使い揚げると安心ですね。

 

妊活に必要な栄養素はいくつかありますが、今回はその中でも4つに絞ってご紹介させていただきました。できるだけ効率良く簡単に摂れる方法でチャレンジしてみてください。それでも難しい場合はサプリメントに頼るのも1つの方法です。あまりストレスを溜めずに頼れるものは頼っていきましょう。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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