妊活中から気をつけましょう!妊娠初期に避けたい食べ物とおすすめの食べ物とは?
公開日:2022年7月6日
記事監修:管理栄養士 松尾和美
妊娠に気づく頃にはすでに妊娠2ヶ月が過ぎていることが多いと言われています。妊娠しているとは知らずに、本来は妊娠初期から避けなくてはいけない食べ物を食べてしまっていた…ということは、赤ちゃんのためになるべく避けたいですよね。今回は妊活中から避けたい食べ物と、おすすめの食べ物についてご紹介します。
妊活中避けたい食べ物とは?
特に食中毒になる原因となるものを避けましょう。ママが食中毒にかかると流産につながったり、おなかの赤ちゃんも感染するリスクがあります。妊娠中は普通の人より20倍以上食中毒にかかりやすくなると言われているため、妊娠がわかる前から注意が必要です。
1.生のたんぱく質類
■生卵
寄生虫の1種であるトキソプラズマが体内に入る恐れがあるため、妊活中から妊娠中は生卵は避けてください。加熱が十分ではない場合はリスクがあるため、黄身も白身もしっかりと固くなるまで加熱した状態で食べていただくことをおすすめします。
■生肉
日本で肉を生で食べることは特に外食店では禁止されていますが、意図せずとも生肉を食べてしまうこともあり得ます。生肉を食べると生卵と同様に、寄生虫の1種であるトキソプラズマが体内に入る恐れがあります。サイコロ肉などの分厚い肉を焼いても、中まで十分に火が通っていないこともあります。そこで妊活中はできるだけ薄い肉をしっかりと焼いて食べる、またはひき肉など表面積が小さく火が通りやすいものを使うなど、気をつけていただくと良いでしょう。
■生魚
魚の刺身やお寿司など、生魚が使われているものは妊活中から避けていただきたいです。生卵や生肉と同様にリスクを避けるためには、しっかりと中まで加熱した魚を食べるようにしてくださいね。調理をする時もまな板や包丁を変えたりして、菌が他の食品に移らないよう注意しましょう。
2.生野菜・果物
生野菜や生で食べる果物も実は食中毒のリスクがあるのです。ただ、生野菜や果物を食べることは栄養的なメリットも大きいので、これらを避ける必要はないと思います。妊娠中は特によく洗って食べるようにしてください。できれば、加熱して食べるようにしていただくと安心です。冷蔵庫の中に入れておいたとしてもリスクはあるため気をつけましょう。
3.加工品のたんぱく質類
■ナチュラルチーズ
チーズにはナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類があります。妊活中から避けたいのは特に海外産のナチュラルチーズです。具体的にはモッツァレラチーズ・カマンベールチーズなどです。実際にリステリア菌による集団食中毒が報告されています。一方で、日本産のナチュラルチーズは原料の乳をまず加熱殺菌してから固めて作るため、基本的には安全ですが、とても菌数が少ないながらもリステリア菌が検出されているため、やはり海外産同様に控えていただく方が安心です。
■生ハム(プロシュート)
生ハムの中で燻製しないハムの種類をプロシュートと言います。豚肉を塩漬けして、乾燥した場所に吊るして熟成させて作られています。このようにプロシュートは加熱せずに作るため、ナチュラルチーズ同様にリステリア菌による食中毒にかからないために、妊活中から避けた方が良いでしょう。
■スモークサーモン
スモークサーモンは名前の通りサーモンを燻製して作りますが、低温でじっくり、100℃で短時間、などとさまざまな作り方があります。リステリア菌がもっとも増えやすいのは30〜37℃と言われています。高温で燻製したものならば安心ですが、市販品の場合は燻製の温度まではわかりかねるため、妊活中から避けた方が良いでしょう。
4.インスタント食品
仕事をフルタイムでしているとなかなか自炊する時間や気力がなく、簡単な食事になりがちです。たまにインスタント食品を食べる分にはそこまで大きな問題はありませんが、やはり良い食事が良い卵子をキープしてくれるため、妊活中から妊娠中にかけて、できるだけ体にとって不要なものを摂らない方が良いですよね。インスタント食品は日持ちが長い分たくさんの保存料を使用していることが多いです。また塩分も多く、甘味料や発色剤、着色料を使っている場合もあります。
5.冷たい飲み物や食べ物・カフェイン入りのもの
妊活を成功させるためには「体を冷やさない・温める」ことが大切です。体を冷やすものとしては、物理的に氷が入っているアイスの飲み物、アイスクリーム、コーヒーや緑茶などカフェインが入っているものがあります。なるべくカフェインのない暖かいものを摂るようにしましょう。
手軽で安心。妊活中のおすすめの食べ物とは?
妊活中もフルタイムで働いている方も多いですよね。忙しい中でもしっかり栄養が摂れる、常備できたり、すぐに手に入るものをご紹介します。
1.イワシ・鯖の缶詰
しっかりと骨まで食べられるほどに加熱してあり、常温でも長期保存に優れているのが魚の缶詰です。中でもイワシや鯖は良質なたんぱく質で、DHA・EPAが豊富であるため、赤ちゃんの脳の発育にも欠かせません。缶詰の蓋を開けてご飯に乗せて、お好みで白ネギを散らす(ネギはよく水で洗ってください。もしくは電子レンジで軽く加熱しても良いです。)だけで丼ものとして食べられるため、手軽なのに栄養がぎゅっと詰まっていて大変おすすめです。
2.フィッシュ&アーモンド
血流を意識して妊活成功につなげたい人に食べていただきたいのは、ビタミンEが豊富なアーモンドです。さらに良質なたんぱく質源でありカルシウムも含まれる小魚。これらが一緒になったフィッシュ&アーモンドはおやつにおすすめです。スーパーやコンビニ、駅の売店でも手軽に購入できるため、取り入れやすいですね。
3.プロセスチーズ
前述でナチュラルチーズは妊活中から避ける方が良いとご紹介しましたが、一方でプロセスチーズならば妊活中、妊娠中も大丈夫です。良質のたんぱく質源で、かつ調理せずに手軽に食べられるため、冷蔵庫に常備しておいていただくと良いでしょう。細かく切っておにぎりの具材として使用しても美味しくいただけます。
4.缶詰トマト
常温で保存できるのも魅力的ですよね。最近は紙パックなど環境と体にやさしいものもあります。トマトにはリコピンをはじめ、ビタミンEやビタミンCなどの妊活中に欠かせない、抗酸化力のある数々の栄養素が豊富に含まれています。パスタのソースに使用しても良いですし、ミネストローネなどのスープに使用しても手軽で便利です。
妊活中から妊娠中に避けたい食べ物と、逆に妊活中に摂りたい栄養素が豊富に含まれ、常備しやすいおすすめの食べ物をご紹介しました。妊活を始めると色々と気になってしまうことも多いと思いますが、必要以上に食中毒を怖がる必要はなく、きちんと正しい知識さえ持っていれば大丈夫です。ストレスを溜めすぎないように、たまには気分転換にお好きなものを食べながら、妊活ライフを楽しめると良いですね。
この記事の監修者:松尾和美
保有資格
・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者