妊活に必須な栄養素の宝庫「鶏卵」~鶏卵の栄養とおすすめレシピ~
公開日:2022年8月17日
記事監修:管理栄養士 松尾和美
そろそろ赤ちゃんが欲しい。そう思ったときに、まず整えていただきたいのが食事面です。そうわかってはいても、仕事も忙しいしあまり難しいことはしたくない…と思う方も多いですよね。そんな方におすすめの食材があります。それは「鶏卵」です。妊活中に必要な栄養素がぎゅっと詰まった魔法のような食材「鶏卵」の栄養について、また簡単レシピをご紹介します。
妊活に必要な栄養素とは?
妊活中に必要な栄養素と言えば、葉酸が有名ですよね。もちろん葉酸は絶対に必要ですが、それ以外にもたくさん必要な栄養素はあります。ここでは妊活に必要な栄養素をピックアップしました。
葉酸
言わずもがな妊活~妊娠中に必要な栄養素の代表、葉酸。妊娠初期は赤ちゃんの神経管が作られる時期なので、この時期に葉酸が不足すると神経管閉塞障害のリスクが増えると言われています。妊娠に気づく頃(おおよそ妊娠2ヶ月)までには神経管が作られるため、妊娠を希望する場合は妊活中から摂取する必要があると言われています。さらに、葉酸は造血に関わる栄養素の1つでもあるため、貧血予防にも必要です。こういった複数の理由から、妊活中にしっかりと摂ることが大切だと言われている、水溶性ビタミンの1つです。
亜鉛
亜鉛は細胞分裂に関与する栄養素です。赤ちゃんがお腹の中で大きくなるほど、亜鉛の貯蔵量が減ると言われていることから、細胞分裂には亜鉛が必要だと考えられます。亜鉛というと男性の妊活で必要というイメージが強いのですが、前述のように卵子と精子が受精した後、細胞分裂を促す働きがあるため、妊活中の女性にも必要な栄養素だと言えます。
たんぱく質
たんぱく質はあらゆる材料になる大切な栄養素です。筋肉、血液、髪、そしてホルモンや酵素などもたんぱく質から作られます。赤ちゃんを授かるためにはホルモンバランスが整っていることが重要です。また、血流が滞ると冷えやすくなりますし、必要な栄養素が運ばれにくくなるので、毎日たっぷり血液を作れるように、たんぱく質をしっかりと摂ることが大切です。
鉄
鉄は体中に酸素を運ぶ働きがあります。鉄が不足すると貧血になります。健康診断の結果でヘモグロビンの値が低いと言われたり、日常生活の中で息切れをしやすいなど自覚症状がある女性の場合は、妊活中は特に鉄を意識して摂っていただきたいです。
ビタミンA、E
別名若返りのビタミンとも呼ばれ、どちらも卵子の老化予防に欠かせない栄養素です。妊活中に受けたストレスを軽減する働きもあるため、例えば仕事でストレスを感じやすい方は特に意識して摂っていただきたいビタミンです。どちらも脂溶性ビタミンなので、油を使用した料理と相性が良く、油と一緒に食べると吸収率も上がります。
「鶏卵」は妊活に必須な栄養素の宝庫
上記では、妊活中にぜひ摂っていただきたい栄養素についてご説明しました。これらを1つずつ意識しながら摂るのは、なかなか難しいのではないでしょうか。そういった方におすすめの、妊活に必要な栄養素がぎゅっと詰まった食材、それが「鶏卵」です。忙しいときでも、とりあえず鶏卵を食べておけば大丈夫、と言っても過言ではありません。
ここでは鶏卵に含まれる栄養素をご説明します。
・ビタミンA
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・葉酸(ビタミンB群の1種)
・ビタミンD
・ビタミンE
・鉄
・亜鉛
・カルシウム
・マグネシウム
・リン
・たんぱく質
・脂質
鶏卵にはなんと3大栄養素のうち2つ(たんぱく質・脂質)、ビタミンは7種類、ミネラルは5種類と、これだけ多くの栄養素が含まれています。鶏卵はもともと、ヒヨコが卵の中で育って生まれるまでに必要な栄養素が、全て詰まっているものです。ですので当然栄養バランスが良く、同時に私たち人間にとっても必要な栄養素がしっかりと入っています。スーパーやコンビニなど、あらゆる場所で手軽に、しかも比較的安価で手に入れることができる食材なのに、これだけ栄養バランスが良い珍しい食材です。
いろいろな種類のものが売られていますが、鶏卵の質を見極めるポイントは、『平飼いであるか?』『飼料にこだわっているか?』です。
平飼いの卵
平飼いで飼われている鶏は、比較的自由に動ける分、鶏自体にストレスが溜まりにくいと言われています。ストレスが少ない鶏から生まれた卵は、ストレス物質が少ないと言われています。妊活中は少しでも安心安全なものを選びたいですよね。
飼料にこだわった卵
飼料については、米を食べさせて育てた鶏、水にこだわって育てた鶏、などいろいろなこだわりが養鶏場ごとにあります。どのような飼料が1番良いか?は好みもあるため一概に言えませんが、こだわりの飼料からご自分が良いなと思える鶏卵を選んでみるのが良さそうです。
妊活中におすすめの簡単鶏卵レシピ
ほうれん草入り卵焼き
(材料)
卵 3個
ほうれん草 20g(お好みで量を調整可)
白だし 小さじ2/3
調理油 少々
※濃い目がお好きな方は塩を少々足してください
(作り方)
① ほうれん草はさっと茹でてよく水気を絞り、1cm幅に切っておきます。
② 卵をボールに割り、白身を切るように菜箸で混ぜ、白だしを入れて味をつけておきます。
③ 調理油をフライパンに敷き、温めておきます。
④ ①に②を入れよく混ぜ合わせ、③で温めたフライパンに1/3量入れ、丸めてふちに寄せます。それを3回繰り返して完成です。
野菜も摂れる簡単な1品です。鶏卵にはビタミンCが含まれないため、野菜や果物と一緒に食べるとバランスがより良くなるのでおすすめです。お好みで野菜の種類を変えるなどアレンジしてみてください。
蒸し器不要!フライパンで作るお手軽卵プリン
(材料)2人分
卵 2個
牛乳または豆乳200cc
砂糖 40g(甘めが良い場合はお好みで+10gほど足してください)
(作り方)
① 卵を割りほぐし、牛乳(または豆乳)、砂糖を入れます
② 深めのフライパンに水を張って湯を沸かします。沸いたら一旦火を止めます。
③ ①を耐熱の容器に入れて、②の湯を張ったフライパンに入れて蓋をします。
④ ③を12~15分ほど加熱し、その後火を止めます。
⑤ 粗熱を取って、冷蔵庫で30分ほど冷やして完成です。
蒸し器を使わず簡単に作ることができます。たんぱく質たっぷり、妊活中のおやつにおすすめです。
赤ちゃんが欲しいと思ったら栄養バランスに気をつけた食事が必要、というのは耳にタコができるほど聞いていらっしゃる方でも、実際にいざバランスの良い食事を毎日作るのはなかなか大変ですよね。スーパーやコンビニで手軽に買えて、妊活中に嬉しい必要な栄養素がぎゅっと詰まった食材、鶏卵。鶏卵を毎日の食事に取り入れて、バランスの良い妊活食を目指してみませんか?
この記事の監修者:松尾和美
保有資格
・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者