コラム

いつまで摂ればいいの?妊娠中~産後も葉酸が必要って本当?

公開日:2022年9月22日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

葉酸と言えば、「赤ちゃんの神経管ができる、妊娠初期に摂る栄養素」と思っている方が多いのではないでしょうか?もちろん妊娠初期にとても重要な栄養素ですが、実は産後にも積極的に摂って欲しいものなのです。
産後はいつまで摂取する必要があって、具体的には1日にどれくらいの量を摂れば良いのでしょうか。母乳育児とミルク育児のママで、葉酸の必要量は同じなのでしょうか。産後の葉酸摂取についての疑問を、管理栄養士が解説します。

葉酸について

葉酸とはどんな栄養素?

葉酸は水溶性ビタミンの1種で、ビタミンB群に属しています。ビタミンB12と併せて血液を作る時に必要な栄養素なので、造血ビタミンとも呼ばれています。水溶性ビタミンは体内に貯蔵しておけない特性があるため、毎日、さらには3食と、こまめに摂る必要があります。日本人の食事摂取基準(2020年版)より、18歳以上の女性に推奨されている葉酸の摂取量は1日240μgですが、妊娠中や産後は追加の摂取量も定められています。産後の葉酸の必要量については後述いたします。

葉酸の必要量は?

①母乳育児のママの場合
前述した通り、日本人の食事摂取基準(2020年版)より、18歳以上の女性に推奨されている葉酸の摂取量は1日240μgで、産後は+100μg追加して摂ることが厚生労働省からはすすめられています。追加量を併せると、産後で授乳中のママは1日に340μgの葉酸を摂る必要があります。

②ミルク育児のママの場合
厚生労働省で定められている1日340μgは、授乳中のママの必要量です。母乳育児は一切行わず、すべてミルクで育児をしている場合は、ここまでの摂取量は必要ないかもしれません。しかし葉酸は、造血ビタミンと言って血液を作る働きがあります。出産時には少なからずどのママも出血をしていて、傷口や体の回復のためにもたっぷりの血液が必要ですので、産後のママはミルク育児だとしても340μgに近い量を摂ることをおすすめします。

葉酸が不足するとどうなるの?

葉酸は造血ビタミンと呼ばれるだけあり、血液を作ることに関与しています。具体的には血液の中の赤血球という成分を作ります。赤血球がきちんと作られない場合、貧血の原因の1つとなります。貧血は自分でも気づかないうちに進んでいることがあり、目の前が急に真っ白になり気づいた時には倒れていた、という話もよく聞きます。自分1人でいるときでも急に倒れたら心配ですが、ましてや産後に赤ちゃんを抱っこしていたら、ふらつくだけでも恐ろしいですよね…。そうならないためにも、葉酸は産後にしっかりと摂っていただきたいです。

産後はいつまで葉酸が必要?

赤ちゃんの離乳が完了したからといって、葉酸の摂取を全くやめて良いというわけではありません。葉酸はどの年代の方にも必要な栄養素です。結論としては妊娠中~産後にかけては意識して多めに摂り、授乳がなくなっても変わらず毎日きちんと意識して、1日240μgは摂っていただきたいです。

葉酸が含まれる食材とは?

具体的に葉酸が含まれる食べ物とは

葉酸はどのような食材に含まれるでしょうか?緑の野菜やレバー、海藻類など、さまざまなものに含まれています。特に海苔などはそのまま食べられるので、毎日の食事に取り入れやすいですよね。レバーは家庭で調理しづらく、取り入れにくいと感じる方も多いと思いますが、市販のレバーペーストなどを活用すると、便利でおいしく召し上がれるためおすすめです。ただしレバーは脂溶性ビタミンの1種であるビタミンAが含まれているため、摂りすぎには注意が必要です。

・焼きのり1枚(3g)中 60μg
・枝豆50さや(100g)中 320μg
・ほうれん草半束(100g)中 210μg
・ブロッコリー1/4個(100g)中 220μg
・レバー(20g)中 260μg など

忙しくて葉酸が食事で摂れないときはどうする?

葉酸は産後にもずっと必要な栄養素だから、毎日、さらには毎食こまめにバランス良く摂る方が良い、ということは頭では理解できた、でも毎日赤ちゃんのお世話で忙しいし、睡眠不足で時間があったら寝たい…というママも多いでしょう。そこで、食事として葉酸を取り入れるのが難しい場合は、葉酸の栄養素がぎゅっとつまったサプリメントも活用していただくことをおすすめします。

 

葉酸は妊娠初期のみならず、実は産後も、そして赤ちゃんの離乳が完了したその後も、ずっと欠かせない重要な栄養素だということがわかっていただけたでしょうか?葉酸が含まれる具体的な食材、産後授乳中、非授乳中(離乳後)の摂取する目安の量を頭の片隅に置いていただき、毎日の食事で摂るように意識していただくと良いですね。
ただ、そうは言っても毎日赤ちゃんのお世話をしながら、寝不足できちんと葉酸が摂れる食事を作るのが厳しい…という日もあると思います。その際はサプリメントも活用して、栄養不足にならないように工夫してみてくださいね♪

お役立ち情報やお得なキャンペーンなど配信中♪
友だち追加

この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

一覧へ戻る