コラム

ご飯の代わりにお菓子を食べて良い?妊活中に知っておきたい糖質の適切な摂り方

公開日:2022年9月29日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

少し前から流行っている糖質制限ダイエットなどから、今では「糖質」は当たり前のように使われる言葉となりました。ただ、糖質は悪いもの、と思い込み、全く食べなかったり、白米などはやめてお菓子を食べてしまったりしていませんか?妊活中は赤ちゃんを迎えるために、特に質の高い食事が必要です。では一体どのようにして食べ物を選べば良いのでしょうか?今回は、糖質をメインに妊活中の食事の選び方をご紹介します。

糖質とはどんなもの?

糖質とは一体どんなものでしょうか?「白い砂糖のこと?」「甘いもののこと?」と、本来の糖質の意味と少し認識が異なる意見をちらほら見かけます。糖質と言うと、このように甘い砂糖やお菓子をイメージする方がまだまだ多いと思いますが、糖質は三大栄養素の1つである炭水化物から、食物繊維を除いたものです。ご飯・餅・パン・パスタなど主食になる食材に加え、芋類やとうもろこしなども含みます。私たちの主要なエネルギーで、人間が車だとすると、糖質はいわゆるガゾリンのようなイメージです。摂りすぎも不足も体に良くないので、質の良い糖質を適度に摂ることが大切です。

同じ糖質量でも栄養素の含有量が異なる?

前述した通り、甘い砂糖やお菓子だけではなく、ご飯やパン・芋類なども同じ糖質に属するため、たびたび「同じ糖質の仲間で、しかも同じ糖質量なら、ご飯の代わりにケーキやお饅頭を食べて良いですか?」と、質問を受けることがあります。答えはNOです。その理由は、仮に糖質量が同じであっても、体に吸収されやすい糖質と、体に吸収されにくい糖質があることと、ビタミンやミネラルなど妊活中に欠かせない、糖質以外の栄養素の含有量が全く異なるからです。
例えば、じゃがいも1個(150g)と饅頭1個(50g)はだいたい同じ糖質量(約25g)ですが、じゃがいもには、妊活中に欠かせない抗酸化力の強いビタミンCや、お腹の健康のために摂りたい食物繊維が豊富に含まれています。一方で、饅頭にはビタミンCは含まれず、中の食物繊維の含有量もじゃがいもと比べて少ないです。

同じ糖質量でも血糖値の上がり方が異なる?

同じ糖質量のじゃがいも1個と饅頭1個を比較した時に、栄養素の含有量以外にも異なる点があります。それは血糖値の上がり方です。じゃがいもと饅頭を食べた場合、血糖値が急に上がるのは饅頭の方です。なぜならば、じゃがいもには食物繊維が多く含まれ、食べた後に血糖値の急上昇を食物繊維が抑えてくれるからです。血糖値が急激に上がると、その分インスリンと言うホルモンが出て、血液中にある糖質を肝臓に取り込もうとします。この時、血糖値が急激に上がれば上がるほど、大きく血糖値を下げようとして体に負荷をかけることになります。血糖値が乱れることでホルモンバランスも乱れやすくなり、排卵障害の原因となるとも言われています。
また血糖値が高い状態が続くと、たんぱく質が糖化します。糖化すると、体そして卵子も劣化していく恐れがあるため、この状況も妊活中は避けたいですよね。

妊活中に知っておきたい!適切な糖質の摂り方とは?

お菓子ではなくきちんとご飯を食べる

甘いお菓子にビタミンやミネラルはほとんど含まれていないため、妊活中の場合は栄養の質が低い糖質と言えます。さらには血糖値の急上昇を招く可能性があるため、やはり妊活中にはおすすめできません。主食になる糖質としては米・餅・パン・パスタなどがありますが、腸への負担を考えた時に、小麦製品よりも米や餅、パンでも米粉パンなどを選ぶ方が良いでしょう。

糖質を摂る前に食物繊維の多い食材を先に食べる

今では当たり前となってきているので実践している方もいるかもしれませんが、糖質を食べる時におすすめなのが、食物繊維の豊富な食材を先に食べることです。食物繊維が糖質の急上昇を抑えてくれます。具体的にはレタスやキャベツ・小松菜などの葉物野菜、わかめやひじきなどの海藻類のサラダを先に食べてから、その後にご飯・パン・パスタなどの糖質類を食べる「ベジタブルファースト」がポイントです。

たんぱく質源の食材を先に食べる

たんぱく質を含む肉や魚、卵、乳製品などを先に食べることも、血糖値を安定させるためにはおすすめです。まずベジタブルファースト、その次にたんぱく質源を食べ、最後に糖質を食べるくせをつけましょう。

妊活中におすすめのご飯ものメニュー

ここまでで、妊活中には甘いお菓子ではなくご飯を食べると良いことが、わかっていただけたでしょうか?また、甘いお菓子ではなくご飯を食べるにしても、食物繊維の入った野菜・海藻類や、肉や魚などのたんぱく質源を先に食べる方法がおすすめということもお伝えしました。
ただ、忙しいとおにぎりだけ、パンだけ、など炭水化物だけになりがち…バランス良く食べることが大切とわかっていても、どんなものを食べたら良いの?と思う方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は手軽に作れて栄養も豊富な、おすすめのご飯ものメニューをいくつかご紹介します。
1点注意していただきたいのが、妊娠中は免疫力が落ちやすく、トキソプラズマやサルモネラなどに感染すると危険であることです。気づいたら妊娠2ヶ月だった、などということもよくあるので、妊活中からストレスにならない範囲で生食をなるべく避け、火を通して食べる方法をおすすめします。

湯通ししらす丼

しらすは普段ならばそのままでも食べることができますが、妊娠を想定した上で妊活中は生食を避けたいです。そこでしらすを一度湯通しします。この時、湯通しすることで一緒に塩抜きもできるため、塩分の過剰摂取を防げます。

醤油漬け卵丼

ラーメン屋やコンビニでよく見かける醤油漬け卵を使用します。刻みネギをかけるとさっぱりとした口当たりになります。ネギの代わりにカツオ節とごまをかけてもおいしいです。カツオ節の場合は良質な魚の油、EPA・DHAが摂れるのでおすすめです。

ネバネバ納豆丼

大豆の食物繊維が豊富な納豆をご飯に乗せます。刻みネギとごまを乗せると栄養価がアップしておすすめです。このとき市販のタレの中にも糖質や添加物が意外と多く含まれているため、気になる方はかける量を調整するか、醤油に変更してください。

 

同じ糖質でも食材によって、栄養含有量や血糖値の上がり方が大きく異なることがわかっていただけたでしょうか?妊活中はただでさえストレスがかかるため、食事で体に負荷がかかることは極力避けましょう。上記でご紹介したように、体への負担が少なく栄養価の高い、糖質の摂り方を是非実践してみてください。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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