コラム

妊娠中に胃がキリキリ?胃痛の原因と対策について

公開日:2023年2月2日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

念願の赤ちゃんを授かることができ嬉しい一方で、妊娠にはつわりや気分の落ち込み、体の痛みなど、マイナートラブルがつきものです。今回はその中で、妊娠中によくある「胃の痛み」にフォーカスします。妊娠中の胃のトラブルの原因と、避けたいもの、おすすめの食べ方について、管理栄養士が解説します。

妊娠と胃痛の関係

妊娠すると、赤ちゃんの成長のために、卵巣からプロゲステロンというホルモンの分泌が多くなります。このプロゲステロンには子宮内膜を柔らかくする、妊娠の継続を助けるなどの働きがあり、妊娠とは切っても切り離せないとても大切なホルモンだと言えます。しかしその一方で、プロゲステロンは消化器官の働きを抑える作用もあります。その働きにより胃の消化機能が低下することから、妊娠中には胃が荒れやすくなり、胃痛が起こりやすくなると言われています。
また、妊娠初期の胃痛には、つわりが影響している可能性もあります。吐き気、嘔吐、偏食などは胃への負担が大きく、胃痛につながることがあります。一般的に妊娠5~6週ごろからはじまり、12~16週ごろになるとおさまってくる人も多いため、つわりがおさまると同時に胃痛もおさまるケースもあります。

妊娠中に気をつけたい飲み物や食べ物

妊娠中の辛い胃痛は少しでも楽にしたいですよね。ここからは、避けたい飲み物、食べ物について紹介します。

コーヒー

コーヒーに含まれるクロロゲン酸というポリフェノール成分は、胃酸の分泌を促し、結果として胃が荒れやすくなることがわかっています。コーヒーにはカフェインも多く含まれるため、妊娠してからはそもそも避けているという方も多いと思いますが、そういった点でも妊娠中は控えていただく方が良いでしょう。どうしても飲みたい時は、ブラックコーヒーではなく牛乳を足して、カフェオレにして飲んでいただくことをおすすめします。牛乳のたんぱく質は胃の粘膜を守る働きがあるため、胃痛を防ぐことができます。なお、クロロゲン酸は抗酸化力が強く美容に嬉しい成分で、一概にデメリットばかりではないため、授乳が終わったら上手に取り入れていただくと良いですね。

唐辛子

唐辛子に含まれる辛味成分カプサイシンは、刺激物のため胃を荒らす原因となります。摂り過ぎると下痢など起こす可能性もあり、胃の調子が悪い場合は控えていただく方が良いでしょう。ただし、カプサイシンは全身の血液循環を良くし発汗作用もあるので、手先や足先が冷えやすい方にとっては嬉しい成分でもあります。胃の調子が良い場合は、少量の摂取であれば問題ありません。

揚げ物・肉の脂身

消化酵素を持っている野菜や果物などに比べると、油は消化するのに時間を要します。おおよそ3~4時間ほど消化吸収にかかると言われており、比較的長く胃腸に滞留するため、その分負担をかけます。揚げ物や脂肪たっぷりの肉などは、量を控えていただくと良いでしょう。

食物繊維が豊富な野菜類・きのこ類

食物繊維は消化されずそのまま便へと排出されます。便秘が気になる場合にはおすすめですが、妊娠中で胃の調子が良くない時は、食物繊維が消化吸収時の負担になる場合があります。胃の調子が悪いなと感じる時は、食物繊維が豊富なパセリ・モロヘイヤ・ごぼう・レタスなどの野菜や、しめじ・えのきなどのきのこ類(菌類)の食べ過ぎは、控えた方が良いでしょう。

妊娠中の胃を守る飲み方・食べ方

ここでは胃に負担をかけない飲み方、食べ方のポイントをご紹介します。

冷たい飲み物は極力避けて常温以上に

暑い日やお風呂上がりなど、どうしても冷たい物を飲みたくなってしまいますが、冷たい物の取り過ぎは、胃により負担をかけてしまいます。体を冷やす原因にもなるため、できれば常温以上の温度で飲むようにしましょう。

肉は脂肪分の少ない赤身のものを、魚もおすすめ

肉を食べるなら、脂肪分の少ない赤身の部分を選ぶようにしていただくと良いでしょう。また、魚の油は肉の油(飽和脂肪酸)とは異なり、EPA・DHA(不飽和脂肪酸)という体に良い油が含まれているので、たんぱく質補給として魚を主として食べていただくのもおすすめです。調理方法はフライではなく、焼き魚や煮魚が良いでしょう。

野菜や果物は細かく切って

野菜や果物を食べる時は、細かく切ることやジュースにしてしまうのもおすすめです。食物繊維の長さを短くすることで、胃に負担をかけづらくなります。また、生野菜は消化に時間がかかるため、温野菜にすることもおすすめです。

 

妊娠中はただでさえ食べられる物が少なくなっているのに、加えて胃の調子も悪くなるととても困りますよね。今回は胃の働きを守る食べ方をご紹介させていただきました。気にすることの多いマタニティライフですが、ストレスを溜め過ぎずに消化に良い物をうまく取り入れながら、楽しく過ごせると良いですね。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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