コラム

妊娠中に鉄分が不足したらどうなるの?

 

鉄は吸収率が約8%ととても低いミネラルです。体調に問題がある時は鉄欠乏が原因であることが多いです。鉄は体内で再利用され、排泄される量は1日に1mg程度であるため、男性や閉経後の女性は鉄欠乏になることは少ないといわれています。ただし、月経がある女性、子宮筋腫、痔、歯ぐきなどからの出血がある人、成長期の子供は、鉄が不足しがちです。今回は、妊娠中の鉄不足について詳しく解説しましょう。

どうして妊娠中に鉄分が必要なの?

鉄分は血液に多く含まれています。 血液は、約45%を占める赤血球、白血球、血小板といった血球と、55%程度を占める液体である血漿からできています。
妊娠中は、赤ちゃんの健康のためにも、お母さんの血液量が増えます。このときヘモグロビンなどに比べて、液体である血漿が多く増えます。このとき、液体が増え、血液量は40~50%増えても、赤血球は20~30%程度しか増えず、それほど増えていないために、血液が薄くなることで鉄不足となります。また、赤ちゃんが鉄を必要とすることから、さらに鉄が不足しやすいといわれています。
妊娠後期は、さらに鉄の必要量が増えます。成人女性の一日に必要な鉄の推奨量は月経がある女性で10.5mgですが、妊娠初期、授乳期は+2.5mgに増え、妊娠中期、後期は+15.0mgもの鉄が必要になります。
妊娠中の鉄の必要量は、妊娠初期から授乳期まで多くなり、また、妊娠中期から後期は通常の2倍以上必要となります。 もともと体調が不安な妊婦さんであれば、赤ちゃんの成長とともに鉄不足が進行しやすい状態になるため、妊娠前から、バランスのよい食生活を心がけましょう。

妊娠中に鉄分が不足したら?

女性は生理もあるため、男性に比べて多くの鉄が必要です。若い女性の無理なダイエット、朝食を抜くなど不規則な食生活は、鉄不足を招いてしまいます。そのため、日ごろから食生活に気をつけることが大切です。
体調維持のためには、毎日の食事から鉄分をしっかり摂ることが大切になります。妊娠前から栄養のバランスを意識することが大切ですが、妊娠中や授乳中のときは、ママと赤ちゃんの健康のために特に鉄を意識して取りましょう。鉄は吸収率が低いため、欠乏しやすいミネラルです。鉄だけではなく、ビタミンやミネラルなども一緒に摂るようにすることで鉄の吸収率アップにもつながります。

鉄分が豊富に含まれるレシピをご紹介

鉄を含む食材を利用して、積極的に食事に取り入れましょう。鉄を多く含む食材は、レバー、牛もも赤身肉、あさり、ひじき、大豆、小松菜などがあります。

今回は、鉄を多く含むレバー料理をご紹介します。
鉄は、植物性食品に含まれる非ヘム鉄と赤身の肉や魚に含まれるヘム鉄があります。レバーは、吸収率がよいヘム鉄が豊富に含まれています。臭いや調理の手間でレバーを苦手とする人も多いのですが、豚レバーであれば、100g食べると約13mgの鉄が摂れ、妊婦が一日に必要な鉄の約半分程度補うことができますので鉄の補給にはおすすめの食材です。

レバーのチーズ揚げ

<材料>2人前
レバー   150g
牛乳    大さじ3
小麦粉   大さじ1
水     大さじ1
粉チーズ  小さじ1
パン粉   1/2カップ
油     適量
レタス   適量
ミニトマト 適量

<作り方>
① レバーは、脂、血合いを取り除き、よく水で洗う。小さめの一口大に切り、ボウルに入れた牛乳に浸して、30分ほど置いたら、水で洗い、水気を切る。
② 小麦粉と水をボウルに混ぜて、①を入れてまぶす。
③ バットに粉チーズとパン粉を入れて混ぜ合わせ、②を入れてまぶし、熱したサラダ油で揚げる。
④ ③がカラッと揚がったら、油をきって器に盛り、レタス、ミニトマトを添える。

<調理のポイント>
レバーは牛乳に浸けることで、臭みをやわらげることができます。牛乳に浸す前に、良く洗い、脂や血のかたまりは取り除き、水でよく洗いましょう。パン粉に粉チーズを混ぜることで食べやすくなります。苦手な方は、レバーを小さめに切って調理するとよいでしょう。

レバーのソース炒め

<材料>2人分
レバー     150g
ウスターソース 1/2カップ
小松菜     1/2束
玉ねぎ     1/4個
しょうが    1片
ごま油     大さじ1
酒       大さじ1

<作り方>
① レバーは脂、血合いを取り除き、よく水で洗う。小さめの一口大に切り、ウスターソースに漬け込み、30分程度置いておく。
② 小松菜、玉ねぎは食べやすい大きさに切り、しょうがはみじん切りにする。
③ フライパンに油を熱し、しょうがを炒め、玉ねぎ、①のレバー、小松菜を入れ、炒める。
④ 酒をふって蒸し焼きにしたら、ウスターソースを加え、水分を飛ばすように煮詰め、お皿に盛る。

<調理のポイント>
レバー、小松菜と鉄を多く含む食材を組み合わせた炒め物です。小松菜のみで食べると、非ヘム鉄なので吸収率が悪くなってしまいます。ヘム鉄を含むレバーと一緒に食べることで効率よく鉄を摂ることができます。また、ソースに漬け込むことで、臭みがやわらぎ、レバーが苦手な人でも食べやすい料理です。

どうしてもレバーが苦手な方は、レバーの代わりに牛の赤身肉やカツオなどを代用して作ってみましょう。レバー以外にも鉄分を多く含む食材がありますので、食べられるものを選んで、鉄の補給を心がけることが大切です。毎日1品でも鉄を意識した食材で調理するようにするだけでも、鉄の摂取量は変わります。日ごろの食事を見直して、バランスよく食べるようにしましょう。

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