コラム

産後に疲れやすい原因とは?疲れを軽減させるおすすめ食材

公開日:2023年3月2日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

産後は出産時のダメージに加えて、毎日の赤ちゃんのお世話で大変ですが、産後の体はなぜいつも以上に疲労が溜まりやすいのでしょうか。今回はその原因と、原因別の疲労回復におすすめの食材をご紹介します。

産後に感じる体の疲労、その原因とは?

貧血による疲労

疲労の中でも出産を経験する女性特有のものがこの貧血による疲労です。出産時には通常で約500ml未満の出血を伴うと言われています。500mlと言えばペットボトル飲料1本分に当たります。これはあくまで通常の出血量であり、異常出血の場合はさらに多くの出血量となります。このように出産時の出血により貧血のリスクがある上、産後は初日から母乳を与えるとなると、母乳は血液からできているため、さらに貧血のリスクが上がります。
妊娠すると赤ちゃんを育てるために、自分の体内の血液量を増やしていますが、そもそもこれにより血液中の鉄などの成分が薄まってしまっているため、妊娠の時点で全ての方に貧血のリスクがあると言えます。疲労に加え、めまいや立ちくらみを感じたり、顔色があまり良くないなと感じたら、貧血を起こしている可能性があります。

寝不足による疲労

無事に出産を終えたと思ったら、その日から赤ちゃんのお世話が始まります。赤ちゃんが生まれてすぐから数ヶ月は、3時間おきの授乳やおむつ交換、沐浴など、頻繁にお世話をする必要があるため、なかなか朝までぐっすり眠ることができず、寝不足により疲労が溜まりやすくなります。
赤ちゃんが寝ているときに活動したくなってしまいますが、お昼寝なども一緒にするようにして、1日合計7~8時間ほど眠れるとスッキリします。あまりにも寝不足が続くときは、家族の力を借りたり、産後ケアホテルなどの利用も検討してみてください。

抱っこなどお世話による疲労

授乳やおむつ交換、沐浴、なかなか泣きやまないときは抱っこをしてあやしたり…産後は1日中やることがたくさんで、体力勝負です。生まれたての赤ちゃんの体重は約3000gと、片手でも抱っこができるほど軽いのですが、成長に伴いどんどん重くなるので、肉体的にも疲労感が募りますよね。中にはお世話により腱鞘炎になる方もいるようです。

お悩み別、疲労を回復する食材

ここでは前述の様々な疲労に合わせた、おすすめの栄養素と食材をご紹介します。

貧血による疲労の場合

【鉄】
鉄は貧血対策の要とも言われるミネラルで、牛・豚・鶏のレバーに特に多く含まれます。レバー特有の臭みが気になる場合は牛乳に浸け置きし、しっかり洗うと臭いが軽減されます。他にも牛肉の赤身にも鉄が含まれるため、脂肪分の少ないものを選ぶと効率良く鉄が摂れます。

【葉酸】
葉酸は血液を作るために必要なビタミンで、ほうれん草や小松菜など青い葉物野菜に多く含まれます。葉酸は水溶性ビタミンの一種ですので、煮ると水に溶け出してしまいます。スープや味噌汁など煮汁を丸ごと食べる料理がおすすめです。

【ビタミンC】
ビタミンCは鉄の吸収を上げるために必要なビタミンで、野菜では赤パプリカや黄パプリカ・ピーマン・じゃがいも、フルーツではみかん、いちご、レモンなどに多く含まれています。ビタミンCは水溶性なので、生のまま食べましょう。食後フルーツを食べる習慣をつけると手軽にビタミンCが摂れて良いですね。

産後は忙しいのでサプリメントを活用することもおすすめです。妊娠中に葉酸サプリを飲んでいた方も多いと思いますが、鉄分も一緒に含まれていることが多いため、産後しばらくは続けて飲むことをおすすめします。

寝不足による疲労の場合

産後は赤ちゃんのお世話で3時間おきなど細切れにしか眠れないため、その睡眠の質を上げる必要があります。睡眠の質を上げる食材をご紹介します。

【たんぱく質】
たんぱく質は睡眠の質を良くするために必要です。就寝時には眠りを誘発するメラトニンというホルモンが、脳内でしっかりと分泌されていることが大切で、メラトニンはセロトニンを原料として作られます。このセロトニンを作るためにはたんぱく質を摂る必要があります。たんぱく質は肉類、魚類、卵、大豆製品に含まれています。毎食調理するのはなかなか難しいので、市販のプロテインなども活用しましょう。

【GABA】
GABAは脳内のストレスを減らして、睡眠の質を整える働きがあり、発芽玄米に多く含まれます。発芽玄米単体だと食べづらい場合は、白米と混ぜて炊くとおいしく食べられます。GABAが含まれているチョコレートなどもコンビニやスーパーにも売られているため、これらをおやつに食べるのも良いですね。

抱っこなどお世話による疲労の場合

【たんぱく質】
肉体的な疲労の場合でもたんぱく質は大切です。たんぱく質は筋肉を作るためにも必要な栄養素で、筋肉をつけることで赤ちゃんを抱っこしても疲れにくい体を作ることができます。

【ビタミンB6】
上記のたんぱく質を摂る際に、ビタミンB6も併せて摂ることが必要です。たんぱく質を体に吸収させて最終的に筋肉に換えるためには、そのスイッチを入れるビタミンがないとたんぱく質がうまく活用されません。ビタミンB6はマグロ、カツオ、ニンニクなどに含まれています。こちらもビタミンのサプリメントなどで代用できます。

【クエン酸】
クエン酸は疲労を回復するために必要と聞いたことがある方も多いかと思います。クエン酸は梅干し、レモン、酢など酸っぱいものに含まれています。これらを単体で摂るのは難しいかもしれませんが、食事の調味料として使ったり、炭酸水にレモンを絞ってはちみつを入れて飲んだりするのもおすすめです。疲労回復だけではなく美容にも良いです。

 

産後の疲労には貧血、寝不足、肉体的な疲労と様々な原因があり、それぞれに合った栄養補給がおすすめです。とは言え忙しい育児の中で、通常の食事で毎回摂るのは難しいと思うので、市販のプロテインやサプリメントなども活用し、疲労の回復を少しでも早め、赤ちゃんとの毎日を楽しみましょう。

お役立ち情報やお得なキャンペーンなど配信中♪
友だち追加

この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

一覧へ戻る