妊娠中はよく足がつる?こむら返りを予防する食事
公開日:2023年3月15日
記事監修:管理栄養士 松尾和美
妊娠中にマイナートラブルはつきものとは言っても、できる限り快適なマタニティライフを過ごしたいですよね。食事の工夫で少しでも予防ができたら良いと思いませんか?今回は妊娠中に起きやすくなるこむら返りついて、その原因と予防におすすめの食材・レシピをご紹介します。
妊娠中に足がつる原因とは?
妊娠中、特に妊娠中期から後期にかけて、多くの方が一度は経験すると言われるこむら返り。寝ている間に起こることが多いとされていますが、歩いている間に起きてしまうと転倒の危険もあり、しっかり予防したいですよね。こむら返りが起こる原因は、主に2つあります。1つは物理的な体の変化による血流の悪化、もう1つはミネラル不足です。
物理的な体の変化による血流の悪化
赤ちゃんが育つにつれて妊娠中の体は変化をします。具体的には体の血流量が増え、赤ちゃんを守るために皮下脂肪もつきやすくなります。この総合的な体重の増加により、体を支える下半身への負担が増えます。下半身での血流の滞りが、こむら返りの原因と言われています。
ミネラル不足
妊娠するとお腹の赤ちゃんへ優先的に栄養素を送ることが必要となるため、全体的に栄養不足になります。とりわけビタミンやミネラルは不足しやすく、中でもミネラルの1つであるマグネシウム不足が、こむら返りの主な原因と言われています。筋肉が持続的な攣縮(れんしゅく)を起こし、痛みを伴います。ふくらはぎの筋肉に起こることが多いですが、そのほか足の裏・太ももなどでも起こると言われています。
こむら返りを予防する「マグネシウム」が含まれている食材や、それらを活かしたお手軽なレシピをご紹介します。
マグネシウムを含む食材とは?
海藻類
海藻類の中でもわかめ、海苔、あおさなどにマグネシウムが多く含まれます。海藻類は食物繊維も豊富なので、お腹の調子が気になる方にもおすすめです。
魚介類
魚介類の中では干しエビ、スルメなどにマグネシウムが多く含まれます。干しエビは殻も丸ごと食べられるので、同時にカルシウムも摂取できておすすめです。
胚芽米
胚芽米は玄米から表皮ぬか層を取り除いて、栄養が豊富な胚芽を残したご飯です。胚芽の部分にはマグネシウムはもちろんですが、ビタミンEやビタミンB1、カリウムなども含まれているので、毎日食べる白米に胚芽米を足すだけで栄養価がアップします。
野菜類・豆類
野菜類の中ではほうれん草、豆類の中では枝豆にマグネシウムが多く含まれています。生のほうれん草には胆石症の原因となるシュウ酸が多いので、一度茹でこぼしてから使ってくださいね。
ナッツ類
ナッツ類の中では、特にアーモンドにマグネシウムが多く含まれています。ローストしたアーモンドのお菓子や、アーモンドを粉砕して作られたアーモンドミルクもコンビニで見かけるので、手軽に取りやすい食材です。
マグネシウムがたっぷり摂れる!こむら返り予防レシピ
アーモンドミルクとかぼちゃのポタージュ
【材料(2人分)】
・かぼちゃ 1/4個
・玉ねぎ 1/2個
・アーモンドミルク 300ml
・固形コンソメ 2個
・パセリ お好みで
【作り方】
① かぼちゃは表面に水をかけて耐熱容器に入れ、ラップをして5分間加熱します。(熱が偏らないように2分ほど加熱したら一旦取り出し、上下を返して再度加熱すると柔らかくなります)
② ①のかぼちゃを潰します。
③ 玉ねぎはみじん切りにして、耐熱容器に入れてできるだけ広げ、ラップをして5分間加熱します。
④ 鍋に②のかぼちゃ、③の玉ねぎ、アーモンドミルク、固形コンソメを入れて、軽く沸騰するまで弱火で煮ます。
⑤ 最後にパセリを飾って完成です。
マグネシウムに焦点を当てたレシピですが、アーモンドやかぼちゃに含まれるビタミンEは抗酸化力が強く、別名子宝ビタミンとも呼ばれているほど妊娠前から妊娠中にかけて欠かせない栄養素です。マグネシウムとビタミンEが同時に手軽に摂れる、忙しい方にもおすすめのレシピです。
焼き枝豆ガーリック風味
【材料】
・枝豆 200g
・ニンニク 1片
・有塩バター 10g
【作り方】
① ニンニクはみじん切りにします。
② フライパンを熱し、有塩バターと①のニンニクを入れます。
③ 枝豆を②の中に入れて焦げ目がつくまで焼いて完成です。
枝豆はマグネシウムも豊富で、他にもたんぱく質も摂れるので、妊娠中には意識してたくさん食べて欲しい野菜です。また免疫力が落ちやすい妊娠中は、免疫力を高めることが期待できるニンニクを調味料として使うこともおすすめです。ただし刺激が強いので、胃が荒れているときは量を調整してみてくださいね。
妊娠中のマイナートラブルの1つこむら返りの原因と、その予防に摂りたいマグネシウムが含まれるレシピをご紹介しました。マグネシウムは便に含まれる水分量を増やし排便を促す効果もあるので、妊娠中になりやすい便秘にも効果的です。逆に摂りすぎると下痢をすることもあるので量には注意ですが、毎日でも摂りたい栄養素です。今回ご紹介したレシピはどちらも簡単にでき、作り置きもできるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
この記事の監修者:松尾和美
保有資格
・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者