コラム

授乳中に摂りたい3つの栄養素とは?注意したいものも紹介

公開日:2024年3月19日

記事監修:管理栄養士 広田千尋

妊娠中に続き、授乳中も食事の気配りが大切です。お母さん自身が食べたものから母乳が作られ、赤ちゃんの栄養源となります。授乳中は具体的にどのような栄養素・食べ物をとればよいのか知っておきましょう。ほかにも、注意したいものや簡単に栄養補給するコツもお伝えします。

授乳中に摂りたい3つの栄養素

授乳中はさまざまな栄養素が必要とされますが、次に紹介する「たんぱく質」「カルシウム」「鉄」の3つの栄養素は特に意識して摂りたいものです。理由や具体的な食べ物の例を紹介します。

たんぱく質

たんぱく質は赤ちゃんの体を作るのに必要で、成長に欠かせない栄養素です。授乳中は妊娠前に比べて20gほどプラスする必要があります。赤ちゃんが小さいうちは自分の食事に気がまわらず、おにぎりやパン、麺などの糖質が中心の食事になるかもしれませんが、これではたんぱく質の不足が心配です。牛乳、ヨーグルト、チーズ、納豆などの取り入れやすいものを常備したり、味噌汁やスープに卵を入れたりすると、手軽にたんぱく質を増やせます。

【たんぱく質を含む食べ物】
牛乳、ヨーグルト、チーズ、納豆、豆腐、卵、肉、魚など

カルシウム

カルシウムは赤ちゃんの骨を丈夫にするだけでなく、お母さん自身の骨の健康を守るためにも必要です。授乳中はカルシウムの吸収率が高まるため、必要量は妊娠前と同じですが、20~40代の女性はもともとカルシウムが不足しているため、意識して摂る必要があります。カルシウム源となる牛乳やヨーグルトを毎日取り入れる習慣をつけたり、手軽に食べられる納豆や豆腐などを取り入れるようにするとよいでしょう。

【カルシウムを含む食べ物の例】
牛乳、ヨーグルト、チーズ、納豆、豆腐、小松菜、水菜、桜えびなど

母乳を通して赤ちゃんへ鉄が送られるため、妊娠中に引き続き、授乳中も鉄の摂取が大切です。また鉄は、お母さん自身の健康を守るためにも必要な栄養素です。鉄が不足し貧血の状態になると、疲れやすさや倦怠感が出てしまう恐れがあり、体調不良の原因となりかねません。下記の鉄が豊富な食べ物を意識して取り入れるようにしましょう。

【鉄を含む食べ物】
レバー、牛もも肉、あさり、カツオ、マグロ、納豆、厚揚げ、小松菜、水菜など

授乳中に注意したいもの

母乳を通して赤ちゃんに移行する恐れがあるため、授乳中はカフェイン、アルコールを含むものに注意が必要です。どのように付き合うとよいのか、詳しく見てみましょう。

カフェイン

カフェインを含む飲み物は、量に気をつけるようにしましょう。国内には決まった基準がありませんが、海外の基準値を参考にすると、カフェイン量で1日200~300mg以内であれば問題ないとされています。1日あたり、コーヒーであれば1〜2杯、紅茶であれば2〜3杯程度が目安です。飲みすぎないように注意しましょう。

アルコール

授乳中のアルコール摂取は、避けたほうが望ましいとされています。アルコールを摂取すると、母乳を通して赤ちゃんはもちろん、母乳の分泌にも影響が出る恐れがあるからです。しかし、どうしてもお酒を飲みたい場合もあるかもしれません。その場合は、飲酒後2時間以上あけて授乳することが推奨されています。授乳の直後にお酒を飲むようにして、2時間以上経ってお酒の影響がなくなったと感じてから、次の授乳を行うようにしましょう。

忙しい授乳中でも栄養補給するコツ

授乳が頻回な時期は、赤ちゃんのお世話にも手間がかかる時期です。なるべく手間をかけずに栄養補給するコツを紹介するので、参考にしてみてください。

おにぎりを冷凍する

おにぎりをまとめて作って冷凍しておくと、食べたいときに温めるだけで食べられて便利です。ちりめんじゃこやツナ、チーズなどを混ぜ込んでおくと、たんぱく質やカルシウムなどの栄養補給にも役立ちます。

チーズやヨーグルトを常備する

手軽に食べられて栄養補給できる、チーズやヨーグルトを常備しておくのがおすすめです。食べたいときにサッと食べられ、たんぱく質やカルシウムを補給できます。朝食や間食に取り入れてみましょう。

納豆や豆腐を毎日食べる

調理の手間をかけずに食べられる納豆や豆腐を、毎日取り入れるようにしてみましょう。たんぱく質、カルシウム、鉄のほかにも、食物繊維も補給できます。豆腐は食べ切りサイズの小さなパックのものを常備しておくと、取り入れやすいのでおすすめです。

冷凍野菜を活用する

ほうれん草や枝豆、いんげんなどの冷凍野菜は、手軽に野菜を取り入れたいときに便利です。鉄やカルシウム、食物繊維だけでなく、ビタミンやミネラルを補給でき、母乳の栄養源となったり、お母さんの体調を整えたりしてくれます。めんつゆを使って胡麻和えにしたり、味噌汁に入れたりできて便利なので、ストックしておくとよいでしょう。

 

授乳が必要な時期は、毎日あっという間に時間が過ぎてしまいますよね。今回紹介したコツを取り入れてみるほかにも、冷凍食品やお惣菜、お弁当などを上手に活用するのもよいでしょう。お母さんが無理なく過ごせるよう、やりやすい方法を探してみてくださいね。

【参考文献】
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
食品安全委員会「食品中のカフェイン」
公益社団法人日本産婦人科医会「10.妊娠中の飲酒について」

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この記事の監修者:管理栄養士 広田千尋

 

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