コラム

免疫力をアップして赤ちゃんを守る!積極的に取り入れたい妊娠中の食べ物

妊娠中免疫力が下がるという話を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。風邪やインフルエンザの季節になり、心配している妊婦さんも多いのではないでしょうか。今回は、なぜ免疫力が下がるのか、そして免疫力をアップさせる方法をお伝えいたします。

<目次>
1. 妊娠中は免疫力が下がりがち、その理由とは
2. 免疫力をアップする方法
2-1. 身体を温める
2-2. 腸内環境を整える
2-3. 自律神経を整える

1. 妊娠中は免疫力が下がりがち、その理由とは

妊娠すると、お母さんの身体にとってお腹にいる赤ちゃんは異物とみなされてしまい、通常の状態だと母体を守るために赤ちゃんを攻撃してしまい流産につながる恐れがあります。それを防いで赤ちゃんを守るために、一時的に免疫力が下がるのです。また、つわりで動けずに栄養が偏ること、ストレスやホルモンバランスの変化なども免疫力が低下する理由に挙げられます。そのため妊娠中のお母さんはインフルエンザや風邪などのウイルス性の感染症に通常よりもかかりやすくなります。
免疫力の低下は妊娠初期に特に起こりやすい自然の現象なので、あまり深刻にとらえすぎなくても大丈夫ですが、著しく低下してしまうことは避け、病気にならないように予防することが大切です。

2. 免疫力をアップする方法

2-1. 身体を温める

体温が高いとリンパ球が増えて活性化し、免疫機能が高まります。ごぼうやレンコンなどの土の中にできる根菜類は身体を温める作用があるため、積極的に取り入れましょう。逆に、夏が旬のきゅうりやトマトなどの野菜や、水分が多い果物・パイナップルなど南国で育つフルーツなどは、身体を冷やす作用があるので摂りすぎに注意が必要です。
また、飲み物も冷やした飲み物は避け、できるだけ常温や温かい飲み物を飲むようにしましょう。妊娠中はホルモンバランスの変化により体温調節がうまくできず、血行が悪くなるため身体が冷えやすくなります。気づかないうちに身体が冷えていないか注意して、温かい食べ物や飲み物を取り入れて身体の内側から温めるように心がけましょう。

2-2. 腸内環境を整える

腸には、全身の免疫細胞の約7割が存在すると言われています。そのため、病原菌が体内に入ってきたときに戦うためには腸内環境を整えることが最も重要と言えます。
腸内には沢山の細菌が存在し、その菌のバランスにより腸の環境が良いほうへ傾いたり、悪いほうへ傾いたりと変化します。
腸内の細菌はその働きによって善玉菌・日和見菌・悪玉菌の3種類に分類されます。善玉菌が増えることで腸の働きが良くなり、免疫細胞が活性化します。一方で悪玉菌が増えると腸内環境が悪化します。腸内環境を整えるには、善玉菌を全体の20%・悪玉菌を全体の10%に保つことが理想です。

■腸内環境を整えるためにおすすめの食事法3つ
① 発酵食品を取り入れる
発酵食品にはパンやワイン・チーズなど世界中に多くの種類があり、日本では納豆や酢・みりん・味噌など、身近な調味料も多く存在します。特にヨーグルトや納豆・味噌などの発酵食品には腸内環境を良くする善玉菌を多く含んでいるので、積極的に摂ることが大切です。これらの菌は腸内に定着することがないとされているため、毎日継続して摂ることが重要となります。食べる習慣をはじめてみてはいかがでしょうか。

② 食物繊維を多く取り入れる
食物繊維は腸のぜん動運動を促し、消化物を体外へ排出する役割があります。水溶性と不溶性の2種類があり、どちらも善玉菌のエサとなることで腸内に善玉菌を増やします。水溶性と不溶性のバランスは1:2の割合が目安です。普段の食事では水溶性の食物繊維は不足しがちなので積極的に摂るとよいでしょう。水溶性食物繊維はわかめ、昆布、大根などに多く含まれ、腸内細菌のエサになります。不溶性食物繊維は大豆、さつまいも、玄米などに多く含まれます。ごぼうは水溶性、不溶性をどちらも多く含み、食物繊維の含有量がトップクラスです。 ごぼうの食物繊維にはイヌリンという多糖類が含まれ、腎臓や肝臓の機能を活発にし、免疫力を高める働きがあります。

③ オリゴ糖
オリゴ糖は善玉菌の1つであるビフィズス菌のエサとなることで善玉菌を増やすことに役立ちます。玉ねぎ・ごぼう・バナナ・大豆製品などに多く含まれます。腸内環境を整えることで便秘の予防にも役立ちます。
特に妊娠中はホルモンバランスの変化にともない便秘になりやすいため、上記の3つのポイントを生活の中に取り入れて、免疫力アップとともに便秘も予防しましょう。

2-3. 自律神経を整える

自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経は活動する神経と言われ、興奮や緊張状態を作り出します。一方、副交感神経は休む神経と言われ、リラックスした状態を作り出します。自律神経はストレスなどによりバランスが崩れやすく、免疫を弱める原因になると言われています。妊娠中は女性ホルモンと自律神経が同じ脳の視床下部から指令を受けて作用するため、自律神経が乱れやすくなります。自律神経が乱れると不安感やイライラなどメンタルの不調も起こりやすくなります。
妊娠中は自律神経のバランスを整えるために、なるべく規則正しい生活を心がけることが大切です。

■自律神経を整えるためのポイント
①セロトニンを分泌しやすくする
セロトニンとは別名幸せホルモンとよばれ、自律神経のバランスを整えます。セロトニンは脳内で作られますが、その材料として必須アミノ酸のトリプトファンが必要となります。トリプトファンは体内で生成できないので、食事から摂らなければなりません。牛乳・チーズなどの乳製品、大豆製品、バナナなどに多く含まれます。

②GABA(r-アミノ落酸)を意識的に摂取する
GABAを摂ることにより、リラックス効果のある副交感神経の活動が促されます。発芽玄米や味噌や漬物などの発酵食品に多く含まれます。

③決まった時間に朝食を取る
セロトニン分泌のために重要なのが体内時計の働きです。体内時計を規則正しく働かせるために、朝食をできるだけ決まった時間に取ることが大切です。また、よく噛むことで脳内のセロトニンが増えるので、時間をかけて食事を楽しむことも重要です。朝食に前述したトリプトファンを意識して摂ることをお勧めします。

今回は妊娠中の免疫力についてお伝えをしてきましたが、いかがでしたか?
妊娠中一時的に免疫が低下してしまうのはお腹の赤ちゃんを守るための自然の現象なので、日ごろから感染症には注意をし、免疫力アップを意識して食事でカバーしていくことが大切です。
できることから取り入れてみてください。

(記事監修:管理栄養士 松尾和美)

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