コラム

冬のマタニティライフ!食事で風邪を予防しましょう

公開日:2022年1月19日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

寒い季節は体が冷えることで免疫細胞の働きが低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなります。さらに、妊娠中はお腹の赤ちゃんのことを異物とみなして攻撃しないように、免疫力が一時的に低下します。妊娠中の免疫力の低下は体で起こる自然なことですが、風邪など引かずに元気にマタニティライフを過ごしたいですよね。今回は風邪予防に食事面で気をつけるポイントのお話です。

まずはバランスの良い食事を摂りましょう

まず基本となるのが、1日3食しっかりと食べて、たくさんの食材から様々な栄養素を取り入れることです。朝食は時間がなくておろそかにしてしまいがちですが、できれば朝も主食・主菜・副菜をなるべくそろえるよう意識しましょう。副菜までそろえるのは難しいと思うかもしれませんが、スープや味噌汁などの汁物にすると、忙しい朝でもバランスが整いやすくなります。また夕食のメニューに悩む方は、和食・洋食・中華と食事の様式を変えるだけでも、様々な食材を取り入れやすくなります。
調理法や味つけにも変化をつけるようにしましょう。油を使わない、蒸す、煮る、茹でるなどの調理法を献立に取り入れることで、エネルギー量が高くなりすぎることを防ぐことにつながります。

風邪から身を守る栄養素とは?

たんぱく質

体を構成する基本食材で、免疫細胞を生成します。肉・魚・卵・牛乳・大豆などを毎食取り入れましょう。

免疫力を高めるビタミンA・C・E(エース)

免疫力を高めるビタミンを総称して、ACE(エース)と呼ばれます。具体的にそれぞれのビタミンがどのような働きをしているか見てみましょう。

ビタミンA

目・鼻・のどの粘膜・皮膚を正常に保つために必要な栄養素です。体のバリア機能を高め、外からの細菌やウイルスの侵入を防ぎます。脂溶性ビタミンのため、油脂と一緒に摂ることで吸収率が増加します。人参・かぼちゃには、必要に応じてビタミンAに変わるβカロテンが多く含まれます。その他にも、ピーマンや小松菜などの緑黄色野菜にも比較的多く含まれます。
動物性食品からのビタミンAは、妊娠初期に過剰に摂取すると胎児に奇形を起こすリスクが高まるため、過剰摂取には注意が必要です。レバーや鰻には特に多く含まれるので、食べすぎに気をつけましょう。目安の量は週に1回程度となります。植物性の食品に多く含まれるビタミンAは問題になることが少ないため、注意する必要はありません。

ビタミンC

白血球の働きを強くして免疫力を高めます。また、丈夫なコラーゲンを合成し、健康的な皮膚や粘膜を作り、細菌やウイルスが体内への侵入するのを防ぎます。いちご・パプリカ・みかん・ピーマン・じゃがいもなどの、野菜や果物に豊富に含まれます。

栄養を逃さないコツ
ビタミンCは余分に摂取しても体内に蓄えられず排出されてしまうので、毎日取り入れることが大切です。また、水溶性ビタミンで水に溶けやすいので、汁ごと食べられるスープなどがおすすめです。

ビタミンE

強い抗酸化作用で免疫力の低下を防ぎます。また、末梢血管を広げ、血行を良くして自律神経を整えます。食事摂取のポイントとしては、ビタミンCと一緒に摂ることで抗酸化作用が高まります。アーモンド・かぼちゃ・ツナ油缶などに多く含まれます。

A・C・E(エース)の抗酸化作用について

抗酸化作用とは、私たちが生活を送る中で、体内に蓄積する活性酸素の働きを抑える作用のことです。活性酸素は必要以上に発生してしまうと体の細胞をさびつかせてしまいます。そこで過剰に発生した活性酸素の除去や、細胞の酸化を抑える働きがあるのが抗酸化物質です。免疫力を高めるビタミンA・C・E(エース)の中でも、CとEは強い抗酸化作用をもちます。また、体内で必要に応じてビタミンAに変わるカロテンという成分も、同様の抗酸化作用があると注目されています。

免疫と深い関係をもつ腸

腸は免疫細胞全体の約7割が集まる臓器です。外敵の多くは胃酸によって死滅しますが、それでも死なない病原菌などは小腸に到達し、腸で取り込まれます。腸には主要な免疫細胞が集まっており、侵入したものが体に悪いものと判断された場合、免疫物質を出して退治します。ですが免疫力が下がっている時は退治できず、風邪を引いてしまうのです。
また、胃腸に負担がかかっている状態だと免疫力が低下してしまう恐れがあります。風邪を引いて体調が良くないときは、うどんやおかゆなど消化に良いものを中心に食べるようにしましょう。
また、熱すぎるものや辛すぎるものは避け、しょうがなどの薬味も取り入れながら、体を温める食事を意識しましょう。

風邪予防におすすめのレシピ

レシピ1:冬に常備したい一品 ゆずみそ

材料(作りやすい分量)
ゆずの皮 3個分
ゆずのしぼり汁 大さじ2
【A】
白みそ 300g
砂糖 50g
みりん 50ml

(作り方)
① ゆずの皮をすりおろす
② 鍋に【A】を入れて中火で練る。
火をとめ、ゆずの皮としぼり汁を加えてよく混ぜる。

【保存方法】
清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫で2~3週間保存可能

~おすすめの使い方~

【ふろふき大根のゆずみそのせ】
だしで煮た大根の上にゆずみそをのせる。

【ゆず風味の五平餅】
① 炊き立てのご飯をすりこぎでつぶし、団子状にしたら割りばしを包むようにして小判型に形を整える。
② フライパンを中火で熱し、サラダ油を敷き、①を両面にこんがり焼き色がつくまで焼き、ゆず味噌をのせる。

実はゆずは果汁や果肉よりも皮に栄養が豊富に含まれています。果汁や果肉に比べ、皮のほうがビタミンCは約4倍・ビタミンEは約17倍も多く含まれるのです。冬至になるとゆず湯として楽しむのが一般的ですが、食事にも取り入れてみてくださいね。保存もきくので、いろいろなお料理に活用してみてはいかがでしょうか。

レシピ2:鯖の水煮缶を使った簡単一品 鯖とかぼちゃのココット焼き

材料(2人分)
鯖の水煮缶 100g
かぼちゃ 100g
玉ねぎ 30g
ミックスビーンズ30g
ピザ用チーズ 30g
粗びき黒コショウ少々
イタリアンパセリ適量

(作り方)
① 玉ねぎは1cmの角切りにする。
かぼちゃは2cmの角切りにし、電子レンジ600Wで1分30秒加熱する。
鯖の水煮缶は水気を切って軽くほぐす。
② ココット皿に①とミックスビーンズを入れて、粗びき黒コショウをひく。
上にピザ用チーズをのせる。
③ トースターでチーズにこんがりと焼き色がつくまで焼く。
イタリアンパセリを添えて完成。

ツナ缶にはビタミンEが豊富に含まれていますが、鯖の水煮缶にも多く含まれています。ビタミンEは4種のトコフェロールと4種のトコトリエノールに分類されるのですが、鯖の水煮缶はトコフェロールの4種類、α(アルファ)β(ベータ)γ(ガンマ)δ(デルタ)の中で最も生理作用が強い、α(アルファ)トコフェロールが多く含まれます。

 

免疫力に関わるビタミンA・C・E(エース)は感染症予防の強い味方です。汁物やサラダなど、毎日の食事に積極的に取り入れてください。もちろん、体を構成するうえで必須のたんぱく質も欠かさずに、バランスの良い食事で寒い冬を乗り切りましょう。
とはいえ妊娠中はどうしても免疫力が低下してしまうため、冒頭で述べたようにどれだけ予防を心がけていても風邪にかかってしまうことはあります。風邪を引いてしまったときにはしっかり栄養と休養を取り、身体を温めましょう。これは風邪を引いたときだけでなく、風邪の予防にもつながることなので、普段から意識したいものです。重症化する前に早めに受診するなど、自分と赤ちゃんのためにも早めに対処しましょう。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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