コラム

産後のママはとても疲れやすい!体力回復、気分の落ち込みを防ぐために積極的に食べたいものとは?

公開日:2022年3月23日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

産後はとても疲れやすいです。出産は、交通事故に遭った程のダメージを受けるとよく例えられます。加えて、授乳、おむつ交換など日中も夜間も頻回な赤ちゃんのお世話などで、ママは休む間がありません。さらに産後、慣れない育児や家族以外の人と話す機会も少なくなりがちで、ストレスも溜まりやすくなってしまいます。そこで今回は、体力の回復や温存のために積極的に食べると良い食事や間食について、管理栄養士がお伝えします。

①体力の要!たんぱく質

たんぱく質は体力を作るための要です。たんぱく質を原料にして、筋肉、髪の毛、皮膚などはもちろんのこと、直接普段は目にすることのできない内臓や血液やホルモン、消化酵素、免疫物質なども、たんぱく質が原料で作られています。すなわち良質のたんぱく質をしっかりと摂ることが、体力、免疫力のためには大切だと言えます。

<おすすめ食材>

・肉類
牛肉、豚肉、鶏肉は、脂肪分の少ない赤身を選ぶとよりたんぱく質が摂れます。馬肉なども高たんぱく質でおすすめです。

・魚類
鮭、鯖、かつお、まぐろなどは、EPA、DHAという悪玉コレステロールを低下することが期待できる脂質が豊富なので、産後ダイエットをしたいママにもぴったりです。

・卵
完全栄養食と言われていて、食物繊維とビタミンC以外の栄養は全て含まれています。

・牛乳やチーズなどの乳製品
特にチーズは小さいサイズでたんぱく質がぎゅっと詰まっているため、ピザやパスタにかけたり、間食にもおすすめです。

・豆腐などの大豆製品
上記4つが動物性たんぱく質であるのに対して、大豆製品は植物性たんぱく質です。大豆は『畑の肉』とも呼ばれているほど栄養価が豊富です。最近話題の大豆ミートを利用すると、肉の食感を楽しみながらも植物性のたんぱく質が摂れます。

②たんぱく質を使うためのアシスタント役!ビタミンB6

たんぱく質を摂るときは、たんぱく質を体の中に取り入れて使う(これを代謝と言います)ために必要な、ビタミンB6も併せて摂ることが大切です。

<おすすめ食材>

・まぐろ
・かつお
・レバー類
・バナナ
・にんにく
・玄米 など

具体的には魚、肉のレバー類に多く含まれますが、バナナやにんにくなど、肉や魚以外からも摂れます。ビタミンB6は水溶性ビタミンで、仮に一度にたくさんの量を摂っても体の中に貯蔵しておけないため、こまめに、できるだけ毎食摂ることがポイントです。また、水溶性のビタミンは煮ると水中に栄養分が溶け出してしまうため、煮汁を捨てずに丸ごと食べられる調理法(スープ、鍋など)が、最もおすすめの食べ方です。

③血液を作る!葉酸

葉酸は妊娠前から妊娠中に摂るイメージが強いかと思いますが、実は造血作用があり、体内で血液を作るときに必要な栄養素です。

<おすすめ食材>

・ブロッコリー
・ほうれん草
・枝豆
・焼き海苔
・いちご
・ドライマンゴー など

葉酸もビタミンB6と同様に水溶性ビタミンの1種ですので、一度に大量に食べても体内に貯蔵することができません。そこで、こまめに食べることをおすすめします。さらに、ほうれん草や枝豆以外は生でそのまま食べるか、煮汁ごと食べる調理法がおすすめです。ほうれん草は生の状態ですと、胆石の原因になるシュウ酸が含まれているため、必ず一度茹でてからお召し上がりください。

④全身に酸素を運ぶ!鉄

鉄というと貧血の人が補給するものというイメージが強く、生理が再開していなければあまり必要ないのではと思っているママも多いかもしれませんが、体中に酸素を運ぶためには必要なミネラルの1種です。鉄が不足していると疲れやすくなります。爪がスプーン状に曲がる、無性に氷が食べたくなるなどの体感があるときは、鉄不足が進んでいる可能性が高いです。

<おすすめ食材>

・レバー類
・肉の赤身
・ほうれん草
・小松菜
・青海苔 など

鉄はヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、ヘム鉄は吸収率が高く、動物性の食材(レバー、肉の赤身など)に多く含まれるのに対して、非ヘム鉄は吸収率がやや低く、植物性の食材(ほうれん草、小松菜、青海苔など)に多く含まれます。応用編として、鉄の鍋やフライパンで調理するとその分鉄が多く摂れますので、調理器具の見直しからしても良いかもしれません。

⑤日に当たらない&落ち込みやすい時に!ビタミンD

日に当たることで体内で作られるビタミンDですが、産後は赤ちゃんの予防接種もまだなどの理由で、外に出る機会が制限されてしまい、日に照たる時間が産前に比べて減ってしまったというママも多いのではないでしょうか?国立環境研究所のデータによりますと、ビタミンDが不足すると気分が落ち込みやすくなるという結果があります。そこで、日照時間が減っている産後のママには、特にビタミンDを食事から取り入れてもらいたいと考えています。

<おすすめ食材>

・菌類(干し椎茸、えのき、エリンギなど)
・しらす干し
・鮭
・うなぎ
・かつお など

脂溶性のビタミンなので、油で炒めて食べる、オイルのドレッシングをかけるなど工夫して食べましょう。

⑥腸内環境を整える発酵食品も◎

ビタミンDと同様に、気分の落ち込みに良いと言われているのが発酵食品です。神戸大学の研究によりますと、発酵食品に含まれるLHジペプチドが気分の落ち込みに良いという結果があります。そこで、産後のママには発酵食品も大変おすすめです。

<おすすめ食材>

・納豆
・味噌
・みりん
・酒粕
・ブルーチーズ(青カビチーズ) など

 

産後のママに必要な食材をご紹介させていただきました。産後、慣れない赤ちゃんのお世話は体力勝負だと言われます。体力をいかにしてつけるか、体力を落とさないかが大切です。なかなか体調が安定しない時期ですので、無理せず、周りの力も借りながら育児を楽しみましょう。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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