コラム

妊娠したら知っておきたい、赤ちゃんにもママにも大切な「糖質」のお話

公開日:2022年4月27日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

妊娠すると、赤ちゃんはお腹の中で成長するためにママから栄養をもらいます。赤ちゃんがママからもらう栄養は様々なものがありますが、そのうちの大事なものの1つに『糖質』があります。糖質が不足するとふらつきや転倒の原因にもなりえます。一方で、妊娠中に血液中の糖が増えすぎて下がらなくなる、妊娠糖尿病なども糖質が関係しています。今回はうまくコントロールしたい『糖質』についてのお話です。

糖質とは?生きるために必要な糖質の役割

赤ちゃんをお腹で育てている妊娠中のママにはもちろんのことですが、そもそも糖質というのは、私たちが生きていく上で欠かせない3大栄養素の1つです。
もしも糖質が不足して、いわゆる低血糖になった場合、どのようなことが起きるのでしょうか?低血糖とは厚生労働省の基準より、血糖値が60‐70mg/dL未満になることを指します。低血糖になると、冷や汗・気持ちが悪くなる・急に強い空腹感を感じる・寒気・動悸・手足の震え・ふらつき・力の抜けた感じがする・頭痛などが起こると言われています。実はとても怖い状態です。特に妊娠中のママはお腹に大切な赤ちゃんがいるので、ふらつきや転倒は絶対に避けたいですよね。妊娠中に低血糖がとても酷い場合は、病院でブドウ糖の点滴を打つ場合もあります。母体の血糖は胎児の栄養源として優先的に使われてしまうため、低血糖は誰でも起こる可能性があります。妊娠初期〜中期につわりでほとんど何も食べられない、妊娠中期〜妊娠後期以降にお腹が大きくなってきて、胃が圧迫されてなかなか食べられないなど、妊娠中のママが糖が足りない状況になることはとても多いのです。

正しく糖質を摂りましょう!気をつけるポイント、摂り方をご紹介

1.お菓子ではなく食事から糖質を補う

糖質というと『甘いもの』『お菓子』をイメージされる方が多いのですが、正しい食事からしっかりと必要な量の糖質を摂ることが大切です。糖質が含まれる食材としては、ご飯・パン・麺類など主食類があります。野菜類ではじゃがいも・さつまいもなどの芋類・とうもろこしなどにも糖質が多く含まれます。
妊娠中はとてもお腹が空くので、お菓子など食べてしまいたくなりますが、お菓子には大量の砂糖が含まれているため、急激に血糖値を上げてしまい、その分ホルモンが血糖値を急に下げようとするので血糖値の変動が激しくなります。一方で、ご飯はゆるやかに血糖値を上げて下げるため、体にとって優しい糖質と言えます。主食の中でも特にご飯は、パンや麺類と比べると砂糖や塩分が含まれないので、より体に優しい糖質です。妊娠中はお菓子ではなく、食事からきちんと糖質を摂りたいですね。

2.つわりで食欲がない時は、消化のよい果物で糖質を補う

つわりがひどくてお米など主食から糖質が摂れないときは、果物を食べるのもおすすめです。生の果物には、果物が持っている酵素が多く含まれるので、消化を助けてくれます。具体的に酵素を多く含む果物とは、キウイ・パイナップル・バナナなどです。
ただし、つわりで食欲が落ちている時に食べられるもの・食べたいと感じるものは個人差が大きいので、基本的には食べたい果物を食べていただければ良いでしょう。

3.甘いジュースは飲み方に注意

ジュースで糖質を補う場合は、飲み方に注意していただくと良いでしょう。なぜならジュースは体に吸収されるスピードが早く、その分血糖値が急激に上がりやすいからです。ジュースを飲む時は、できるだけ生の果物を絞って作ったものをおすすめします。食物繊維も一緒に摂れることで、糖質が吸収されるスピードが遅くなります。自分で果物をミキサーやジューサーにかけて作る自家製だと、添加物も入っていないのでより安心ですね。また、飲む時も一度にたくさん飲むのではなく、少しずつゆっくり飲むようにしてくださいね。

糖質の代謝に欠かせないビタミンB1も必要

上記では妊娠中の糖質の摂り方についてご説明しましたが、摂った糖質をきちんと体の中で利用するために必要な栄養素があります。それはビタミンB1です。ビタミンB1が含まれる食材は、豚肉・鮭・ぶり・玄米ご飯などです。これらを糖質の含まれる食材と一緒に食べることが大切です。ビタミンB1は水溶性ビタミンの1種なので、一度にたくさん食べても体の中に貯蔵しておくことができないので、毎食こまめに食べていただくことをおすすめします。ビタミンB1はサプリからも摂ることができますので、うまく活用しましょう。

 

妊娠中に必要な栄養素といえば葉酸や鉄分などが一般的には有名ですが、実は3大栄養素の1つである糖質も、ママにとって赤ちゃんにとって、とても大切です。妊娠中はただでさえお腹が大きくバランスが崩れやすいため、ふらつきや転倒につながる低血糖状態は避けたいですよね。
体重コントロールをしたいからと、糖質を抜いてしまっていませんか?一概に糖質を摂ると言っても、食事から摂るのか、はたまたお菓子などの甘いものから摂るのかによって、体への影響が変わってきます。ビタミンB1と一緒に上手に糖質を摂りましょう。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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