コラム

早めに知っておきたい!離乳食のOK食材・NG食材、注意するポイントは?

公開日:2022年6月1日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

離乳食は生後5、6ヶ月ごろで始めることが一般的です。妊娠中のママからするとなんだかイメージが湧きにくく、まだまだ先だから…と先送りしがちです。しかし実際に赤ちゃんが生まれると、生まれたその日から夜間の授乳やおむつ交換、沐浴などでママはとても忙しく、あっという間に離乳食の時期がきてしまいます。「離乳食の勉強をしようと思ったけれどそんな暇がない…」という声をよく聞きます。そこで今回は、妊娠中の今のうちから知ってもらいたい、離乳食の基本について管理栄養士が解説します。

離乳食を始めるタイミングは?

前述した通り、一般的には生後5、6ヶ月ごろからと言われています。しかし離乳食開始は月齢のみではなく、赤ちゃんの様子を見て決めるのが良いでしょう。

離乳食を開始する目安は、
①首のすわりがしっかりして寝返りができる
②よだれがでてきている
③スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる
④ママやパパが食事をしている時にじっと見る、欲しがるなど食べ物に興味を示す
などです。

離乳食を始める前に知っておいてほしい大切なこと

1.調理器具は清潔に保ち大人のものとは分ける

赤ちゃんはまだまだ免疫力が低く、菌に弱いです。離乳食を作るときは、まな板、包丁、鍋などの調理器具は清潔にしましょう。また赤ちゃんの食器やスプーンなども清潔なものを使い、虫歯菌をうつしてしまうのを防ぐためにも、大人のものと別にしましょう。

2.使用する水にも注意が必要

食中毒になるリスクがあるので、殺菌されていない井戸水や湧き水を使わないようにしましょう。ミネラルウォーターは水道水と違い、塩素が入っていないので安心ですが、ミネラルウォーターには大きく分けて硬水と軟水があります。硬水ですと赤ちゃんに合わない場合があるので、軟水がおすすめです。

3.禁忌食材を知っておきましょう

ハチミツや、ハチミツ入りの離乳食や飲料・お菓子は、1歳未満の赤ちゃんには食べさせないようにしましょう。ボツリヌス菌による食中毒になることがあります。表のパッケージだけでは判別がつかないものも多いので、必ず裏の成分表示を確認してから与えるようにしていただくと良いですね。また刺身などの生ものは、食べさせるのは控えましょう。

離乳食の進め方

離乳食初期(生後5、6ヶ月ごろ)について

1.離乳食の回数や量
最初は1日1回1さじずつから始めます。次第に2さじ、3さじと増やしていきます。

2.離乳食の形状
なめらかにすりつぶした状態、ポタージュ状が目安です。ごっくんと飲み込める形状にしましょう。

3.与えて良い食材
離乳食の一番初めはつぶし粥から始めます。粥は、米:水を1:10にして煮て作り、それを裏ごしします。
その次にすりつぶした野菜なども試してみます。野菜はにらやねぎなどの刺激の強いものや、きのこやごぼうなど固くて食物繊維の豊富なもの、ナッツ類はNGです。OKな野菜は、かぼちゃ・さつまいも・にんじん・大根・白菜・ほうれん草などです。
つぶし粥やすりつぶした野菜を食べることに慣れてきたら、つぶした豆腐・白身魚・卵黄などを試してみましょう。主食はつぶし粥以外に、食パンやうどんなども与えてOKです。

4.注意するポイント
ごっくんときちんと飲み込めているかを確認しながら進めてください。初めて与える食材があるときは、平日の午前中の小児科に受診できる時間帯にすると安心なので、朝ごはんが良いです。つぶし粥、すりつぶした野菜などは、基本的に食物アレルギーの原因物質などはないと言われていますが、豆腐や魚はたんぱく質食材なので注意が必要です。離乳食を食べて口の周りが赤くなるなどの症状が見られたら、念のために写真を撮っておき、小児科をすぐに受診してご相談ください。

5.母乳やミルクの量
離乳食初期においては、母乳やミルクは赤ちゃんが欲しがるまま与えます。

離乳食中期(生後7、8ヶ月ごろ)について

1.離乳食の回数や量
1日2回食で、食事のリズムを整えていきます。1回の食事量は、主食の全粥は50〜80g。野菜・果物は20〜30g。たんぱく質源としては魚・肉は10〜15g、豆腐の場合は30〜40g、卵の場合は卵黄1個または全卵1/3個、乳製品は50〜70gで、肉または魚または豆腐・卵・乳製品のいずれかを与えます(混ぜて与える場合は量を調整します)。

2.離乳食の形状
舌でつぶせる固さ、もぐもぐと食べられる固さが目安です。

3.与えて良い食材
主食は全粥、食パン、うどんに加えてコーンフレークもOKです。
野菜はかぼちゃ・さつまいも・にんじん・大根・白菜・ほうれん草などに加えて、里芋、いんげん、もやし、ピーマン、パプリカなどもOKになります。

4.母乳やミルクの量
母乳は赤ちゃんが欲しがるまま与えます。ミルクは1日3回+離乳食の後に2回、1日計5回のタイミングで与えます。

離乳食後期(生後9~11ヶ月ごろ)について

1.離乳食の回数や量
1日3回食で、食事のリズムを整えていきます。中期に比べると1回の量が増えます。主食は全粥90g~軟飯80g。野菜・果物は30〜40g。たんぱく質源としては魚・肉は15g、豆腐の場合は45g、卵の場合は全卵1/2個、乳製品は80gで、肉または魚または豆腐・卵・乳製品のいずれかを与えます(混ぜて与える場合は中期と同様に量を調整します)。

2.離乳食の形状
歯ぐきでつぶせる固さが目安です。

3.与えて良い食材
主食は、離乳食後期以降はバターロールもOKとなります。野菜は中期までの食材に加えて、きのこ、ねぎやにら、にんにくなど刺激の強いものも、少量ならばOKになります。ナッツ類やごぼうは引き続きNGです。

4.母乳やミルクの量
母乳は赤ちゃんが欲しがるまま与えます。ミルクはフォローアップミルクを1日2回+離乳食の後に3回、1日計5回のタイミングで与えます。コップ飲みの練習を少しずつ始めても良い時期だと言われています。

離乳食完了期(生後1歳~1歳半ごろ)について

1.離乳食の回数や量
離乳の完了の時期です。引き続き1日3回食です。自分で手づかみ食べをして、食べる楽しみを赤ちゃんに感じてもらえるように工夫します。後期に比べると1回の量が増えます。主食は軟飯90g〜ごはん80g。野菜・果物は40〜50g。たんぱく質源としては魚・肉は15〜20g、豆腐の場合は50〜55g、卵の場合は全卵1/2~2/3個、乳製品は100gで、肉または魚または豆腐・卵・乳製品のいずれかを与えます(混ぜて与える場合は後期と同様に量を調整します)。

2.離乳食の形状
歯ぐきで噛める固さが目安です。

3.与えて良い食材
ナッツ類やごぼうは引き続きNGですが、基本的には多くの野菜がOKとなります。1歳を過ぎてからは牛乳がOKとなります。また、間食に赤ちゃん用のせんべいやクッキーなども活用してみると良いですね。

4.注意するポイント
ハチミツは1歳までは禁忌ですが、1歳過ぎたら大丈夫だと言われています。しかし解禁後すぐに与えなくても良いので、様子を見ながらにしてください。

5.母乳やミルクの量
フォローアップミルクを午前と午後のおやつの後に、1日2回与えます。ただし全体的に食事量が赤ちゃんにとって足りなさそうであれば、離乳食後にフォローアップミルクを与えてOKです。

 

いかがでしたか?産後にいざ離乳食の勉強を始めようと思っても、赤ちゃんのお世話でなかなか勉強をする余裕がないという声をよく聞きます。今回は離乳食の予習として、妊娠中のママに知っておいてほしい基本的な知識をご紹介しました。赤ちゃんに良い食事は大人にも良い食事です。いざ離乳食が始まって慌てないために、妊娠中から離乳食のための準備をしておきましょう。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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