コラム

授乳期の食生活

公開日:2018年10月4日

授乳期の食生活

赤ちゃんとの生活が始まる、授乳期。お母さんの身体は、産後から回復していく時期になります。妊娠中も食事に気をつけていたと思いますが、産後も気になるのが食事。どのような点に気をつけたらよいのか、何を食べたらよいのか解説します。

どのくらい食べたらいい?

妊娠中と同じように、授乳中もバランスのよい食事が大切になります。授乳期だからといって、特別な食事が必要なわけではありません。野菜や果物、豆類、イモ類、お肉、お魚、乳製品などいろいろな食材を取り入れて、3食しっかり食事をしましょう。産後は、赤ちゃんのお世話が忙しく、食事の用意をすることが大変な時期でもあります。

脂っこいもの、甘いものを避けようとする必要はありませんが、調理の手間がなく、すぐ食べられるからといってお菓子を食事代わりにしたり、塩分の多いレトルト食品、カップラーメンなどを食べ過ぎたりすることのないように注意することは大切です。
もし、産後体重が増えることをが気になるようであれば、脂っこいものや甘いものを控えるようにするとよいでしょう。1か月あたり1kg程度、体重を減らしていくのであれば、母乳を作る量に問題ないといわれています。 そのときは、食事を減らすのではなく、間食の内容を見直し、栄養をしっかり摂ることを忘れないようにしましょう。

エネルギー量としては、通常よりも+350㎉/日必要になるのですが、これはご飯を山盛り1杯多めに食べる程度の量になります。3食に分けると、ご飯をいつもより多めに食べる程度ですので、 エネルギーが多く含まれるものや、高脂肪のものを摂ったらよいということではありません。

母乳は血液から作られています。 主食のご飯、主菜になるたんぱく質の多いお魚やお肉、卵、大豆製品など、副菜になるお浸しや煮物など野菜料理、乳製品などを取り入れて、血液の質を高めることを考えて食事を摂るようにするとよいでしょう。

授乳期に摂っておきたい栄養素をご紹介します。

鉄分

母乳から赤ちゃんは鉄分を吸収しています。 鉄分は、不足しがちなミネラルですから、お母さんは日ごろから充分に摂っておくことが必要になります。
鉄分を多く含む、青菜、豆腐、赤身のお肉、お魚などを食事の中に取り入れます。鉄は、吸収率がもともと低いため、吸収率を上げるビタミンCを含む柑橘類などの果物と一緒に食べるのもおすすめです。

たんぱく質

母乳の分泌のためには、たんぱく質が必要となります。骨や筋肉など体をつくるもとになるたんぱく質は、女性は日ごろから不足しがちなため、充分に摂るようにしましょう。たんぱく質は、お肉、お魚、卵、豆腐などに多く含まれていますが、同じ食材を食べ続けるのではなく、いろいろな食品を取ることで効率よく栄養として体に取り入れることができます。

カルシウム

赤ちゃんにあげる母乳には大量にカルシウムを含んでいます。 そのため、お母さんはカルシウム不足になりがちです。将来、丈夫な体を維持するためにも今のうちから、しっかりカルシウムを摂るようにしましょう。乳製品である牛乳、チーズ、ヨーグルト、緑黄色野菜の小松菜などに多く含まれています。カルシウムだけでなく、キノコ類や魚などに含まれるビタミンDを一緒に摂ることで吸収率が高まります。骨をつくるために必要なビタミンKを含む、納豆、肉類なども一緒に食べるようにするとよいでしょう。

水分を摂る

赤ちゃんは、離乳食開始前に1日700~800mlの母乳を飲むといわれています。お母さんは、1日の食事で水分を1Lほど摂れますが、それ以外に1~1.5L程必要になります。
母乳は、水分をとられるため、朝食を、菓子パンのみ、ご飯+納豆のみなど簡単に済ませてしまうと、いつの間にか水分不足になってしまいます。水やお茶をこまめに飲むとよいのですが、なかなか水分を摂れない場合は、朝食に果物を1品足す、スープを飲むなど食事に水分を足す工夫をするとよいでしょう。
水分を摂りやすいメニューとして、ご飯をお粥や雑炊にする、水炊きや寄せ鍋など鍋料理を取り入れる、ポトフなど野菜を入れた具材たっぷりスープや味噌汁を献立に追加するなどもおすすめです。

授乳期に気を付けたい食べ物

授乳期の食生活

授乳期はお母さんが食べたものが母乳に影響しますので、口にするものは注意して選びましょう。

脂っこいもの

脂質の多い食事は食べ過ぎが問題になります。母乳の脂肪分も多くなり、乳管が詰まりやすい、乳腺炎の原因となる場合があります。脂肪の多い肉類に偏らず、魚などもいっしょに摂るようにすることや和食中心にすると脂質も抑えやすくなりますのでおすすめです。

授乳中の薬の服用は、できるだけ避けたほうが安心です。薬が必要な場合は、医師や薬剤師に授乳中であることを伝え、相談するようにしましょう。安全に授乳できる薬もあります。

たばこ、アルコール

妊娠中と同じく、たばこやアルコールは避けることをおすすめします。授乳中の喫煙は、母乳を介して、ニコチンなどの有害な化学物質が赤ちゃんに吸収されてしまいます。母乳をやめるのではなく、母乳を続けていくことを考えて、たばこはやめるようにしましょう。
アルコールは、血液中と同じように母乳のアルコール濃度も上昇します。 母乳の分泌量が減るなど赤ちゃんの健やかな成長の妨げになる可能性があります。 ノンアルコール飲料などを用いて、上手くストレス発散しましょう。

カフェインを含む食材

コーヒー、緑茶、チョコレートなどカフェインを含む食材は、母乳中に移行します。摂りすぎると、赤ちゃんの機嫌が悪くなる、母乳の分泌が減少する可能性があります。 たくさん飲んでしまいそうなときは、ノンカフェイン飲料を利用するようにしましょう。

授乳期は、栄養バランスのとれた食事を摂ることが、赤ちゃんの成長にもお母さんの身体のためにも大切になります。慣れない育児でストレスをためないよう、上手く周りの人に協力してもらう、買い物は宅配のサービスを利用するのもよいでしょう。赤ちゃんの健やかな成長のためにも笑顔で過ごす工夫をしましょう。

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