産後のママは不足しがち?ちょい足しでカルシウムが摂れるレシピ
公開日:2023年1月18日
記事監修:管理栄養士 松尾和美
今回のテーマは産後のカルシウムについてです。国が実施する調査では、どの年代の女性もカルシウムの摂取量が不足しているという結果が明らかになっています。産後、特に授乳期は、体に蓄積されているカルシウムを母乳を通じて赤ちゃんへ与えるために、ママはどうしてもカルシウムが不足しやすくなるため、意識してたっぷり摂る必要があります。今回は産後のカルシウム摂取を助ける、忙しくても簡単に作れるレシピをご紹介します。
カルシウムは何から摂れる?産後のカルシウムの必要量は?
カルシウムは、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚、豆腐や納豆などの大豆製品、野菜類や海藻などに多く含まれます。中でも牛乳などの乳製品は、他の食品に比べてカルシウムの吸収率が高いうえに1食の摂取量も多く、効率良くカルシウムが摂れるのでおすすめです。厚生労働省の定める日本人の食事摂取基準2020年版より、妊娠中・産後と区別なく、18~49歳の女性において、1日のカルシウムの必要量は一律で650mgと定められています。
日本の成人女性は、どの年代もカルシウムが不足している?
2019年に実施された国民健康・栄養調査の結果で、日本人女性の平均的なカルシウム摂取量(成人以上)は、20~29歳で420mg/日、30~39歳では421mg/日、40~49歳では445mg/日でした。カルシウムの必要量である650mg/日と比較すると、若い方は特にですが、どの年代でもカルシウムの摂取量が足りていないことがわかります。仮に授乳期のママがカルシウムを十分に摂れていないとすると、赤ちゃんへのカルシウム供給を優先するため、ママの歯や骨にあるカルシウムを無理やり溶かしてでも与えることになります。結果、ママは骨粗鬆症のリスクや歯がボロボロになってしまうことも。これは恐ろしいですよね。
とはいえ、産後のママは忙しい!
国の調査でもわかるように、成人女性のカルシウム摂取量は不足しており、特に授乳中のママにおいては赤ちゃんへの栄養供給の観点からも、しっかりとカルシウムを摂るべき、ということがわかっていただけたかと思います。とはいえ、産後のママはとにかくやることが山積みで忙しいですよね。その中でしっかり料理をして毎食食べる、ということは理想ではありますが、なかなか難しいと思います。そこで、ちょい足しすることでカルシウムが摂れる、簡単レシピをご紹介します。
ちょい足しで簡単!カルシウムが摂れるレシピ
今回は朝食や昼食におすすめのアレンジがしやすいパンケーキと、夕食におすすめの味噌汁のちょい足しレシピをご紹介します。
●もちもちカッテージチーズ入りパンケーキ
【材料】(直径10~12cm 4~6枚分)
・ホットケーキミックス 200g
・牛乳 70ml
・カッテージチーズ 80g
・卵 1個
・バター 10gほど(食用油でもOKです)
【作り方】
① 卵を割って、ほぐしておきます。
② カッテージチーズと牛乳を、①で割りほぐした卵液と混ぜ合わせます。
③ ホットケーキミックスに少しずつ②を入れながら、ダマにならないように混ぜます。
④ フライパンを熱して、バターを伸ばします。一旦火を止めて、濡れ布巾にフライパンの底を当てて少し冷まします。その後、③をフライパンに流し入れ、約3分焼きます。
⑤ ぷつぷつと表面に小さな穴があいてきたら、裏返してさらに2分ほど焼いてできあがりです。お好みでシロップや蜂蜜をかけてくださいね。
※中まで火が通っているか、竹串を指して確認してください。竹串に何もついてこなければ中まで火が通っています。産後は免疫力が回復し切れていないことや、体力が落ちていることもあり、食中毒にかかりやすいため、きちんと加熱してください。
もし自宅にホットケーキミックスがない場合は、小麦粉150g+ベーキングパウダー10g+砂糖40gで代用できます。このとき、べーキングパウダーはアルミフリーのものを選ぶとより安心です。砂糖をきび砂糖や黒糖に置き換えるとミネラルが豊富なのでおすすめです。時間のある時にたくさん作って冷凍しておくのも良いですね。
炒り卵、ゆで卵、チーズ、ハム、レタス、トマトなど、好きなたんぱく質源と野菜を載せておかずパンケーキにすると、満腹感が出るだけではなく、たんぱく質もビタミンも食物繊維も摂れてより良いですね。サンドイッチ感覚で色々とアレンジしてみてはいかがでしょうか。
●まろやか牛乳入りお味噌汁
【材料】(2人分)
~牛乳入り味噌汁の基本の材料~
・水 250ml
・出汁パック 1パック
・味噌 大さじ1
・牛乳 150ml
【作り方】
① 鍋に水を張り、出汁パックを入れて煮出します。
② お好みの具材を①に入れ、柔らかくなるまで煮込みます。
③ 火を止めて味噌を溶かします。
④ その後、牛乳を入れます。このとき、冷たさが気になる場合は弱火で加熱し、沸騰しない程度まで温めて完成です。(牛乳を先に別の鍋で温めておいて、味噌を溶かした後に混ぜるだけでもおいしく仕上がります)
~味噌汁の具 おすすめの組み合わせ例~
・かぼちゃ+油揚げ
・豆腐+わかめ
・あさり+青ネギ
・たまねぎ+豆腐 など
油揚げや豆腐はたんぱく質やカルシウム、マグネシウム、イソフラボンが豊富に含まれています。あさりはカルシウムやカリウム、亜鉛、鉄などのミネラルがたっぷり入っています。これらと野菜を組み合わせて入れることで、おかず代わりにもなります。
たんぱく質や野菜などはしっかり摂ろうと思っていても、カルシウムまで意識するのはなかなか難しいですよね。産後は忙しくてママ自身のご飯にまで時間をかけていられないかもしれませんが、朝ごはんに牛乳を飲んだり、チーズをおやつに食べたりすることでもカルシウムを摂ることができます。ちょい足しの簡単レシピも活用していただき、ママと赤ちゃんの体づくりをしていきましょう。
この記事の監修者:松尾和美
保有資格
・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者