コラム

産後の気分の落ち込みを防ぐ、管理栄養士おすすめレシピ

公開日:2023年6月14日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

産後は授乳、おむつ交換、沐浴など、昼夜問わず赤ちゃんのお世話で休む間がない上に、家族以外と話す機会も少なくなったり抜け毛や体型の変化など、今までにはなかった悩みが出てくる時期です。このような要因が重なり、産後女性の多くが気分が落ち込みやすくなると言われています。そこで今回は、産後の気分の落ち込みを防ぐおすすめの食材とレシピを、管理栄養士がご紹介します。

栄養学的、産後の気分の落ち込みを防ぐコツ

産後の気分の落ち込みを防ぐコツを栄養学的にお伝えすると、たんぱく質とビタミンDです。そもそも気分の落ち込みは脳が関係しています。セロトニンという脳内の神経伝達物質の産生が低下すると、気持ちが落ち込みやすくなるほか、攻撃性が高まったり、不安やうつ・パニック障害などの精神症状を引き起こしやすくなると言われています。そのためこれらを回避するには、セロトニンの原材料になる食材や、分泌を促す食材を摂れば良いのです。
セロトニンの原材料はたんぱく質です。つまり、産後の気分の落ち込みを防ぐためセロトニンを増やすには、まずたんぱく質を摂るのが良いことがわかりますね。また、ビタミンDが不足するとセロトニンの分泌が促進されにくくなり、気分が落ち込みやすくなるという実験結果もあります。通常、日光に当たることにより体内で作られるビタミンDですが、赤ちゃんの予防接種が始まるまでは外出を控えることが多く、しばらくは日に当たる時間が減ってしまうでしょう。そのため産後には、たんぱく質に加えてビタミンDも食事から取り入れてもらいたいのです。

産後の気分の落ち込みを防ぐ食材リスト

セロトニンを増やすたんぱく質

肉類
牛肉・豚肉・鶏肉・馬肉・羊肉などです。より脂肪分の少ない赤身を選ぶと、たんぱく質が相対的に多く摂れます。特に馬肉は高たんぱく質な上に、鉄分も豊富でおすすめです。なお、妊娠中ほど気をつけなくても良いですが、産後もまだ免疫力が下がっていることもあるので、肉類はしっかりと加熱してから食べるようにしてください。

魚類
鮭・鯖・かつお・マグロなどです。これらにはたんぱく質のほか、EPA・DHAという悪玉コレステロールを低下することが期待できる脂質(オメガ3系の脂質)が豊富なので、気分の落ち込みの予防だけではなく、産後にダイエットをしたい方にもぴったりです。肉類と同様に、念のためお刺身やお寿司などは極力避けて、しっかりと加熱してから食べるようにしてください。

鶏卵
鶏卵には食物繊維とビタミンC以外の栄養が全て含まれています。完全栄養食と言われコスパも良く、どんな料理にも合わせやすいのでおすすめです。

乳製品
牛乳・チーズなどです。特にチーズは小さいサイズでもたんぱく質がぎゅっと詰まっているため、ピザやパスタに使用したり、果物と合わせて間食用にもおすすめです。ただし乳製品はほかのたんぱく質に比べると脂質が多く、乳腺炎の懸念もあるため、食べすぎには気をつけてください。

大豆製品
豆腐・豆乳などです。先の4種類が動物性たんぱく質であるのに対して、大豆製品は唯一の植物性たんぱく質です。大豆は『畑の肉』とも呼ばれているほど栄養価が豊富です。大豆製品の脂質は悪玉コレステロールを下げる働きがあるので、ダイエットをしたい方にもおすすめです。また、女性ホルモン様に働く大豆イソフラボンが豊富なので、ホルモンバランスが気になる産後にピッタリです。

セロトニンの分泌を促すビタミンD

きのこ類
椎茸・舞茸・えのき・エリンギなど、ビタミンDが含まれる代表的な食材がきのこ類です。食物繊維も豊富なので、お腹の調子が気になる場合にもおすすめです。

しらす干し
骨まで丸ごと食べることができ、ビタミンDはもちろんカルシウムも豊富で、骨や歯の健康も気になる妊娠中~産後には、特に食べたい食材です。

魚類
鮭・うなぎ・かつおなどです。これらはビタミンDもたんぱく質も摂れ、おすすめです。

産後の気分の落ち込みを防ぐレシピ

セロトニンを増やすたんぱく質レシピ

「マグロのステーキ~ガーリックソース~」

材料(2人分)
マグロ(刺身用) 300g
塩・胡椒 適宜
バター 40g
ニンニク 1片~お好みで(チューブでも可)
醤油 大さじ2
みりん 大さじ2

作り方
① マグロに塩と胡椒をまぶします。
② ニンニクを刻みます。
③ フライパンにバターと②のニンニクを入れて加熱し、①のマグロを焼きます。
④ マグロの両面に焼き目がついたら、お皿に取り出します。
⑤ フライパンに残っているバターに、醤油とみりんを入れてソースを作ります。
この時煮詰まってしまったら、水を少し足して伸ばしてください。
⑥ ④のマグロに⑤のソースをかけて完成です。

お好みで三つ葉を飾ったり野菜を添えると、華やかな1品になります。今回はマグロでご紹介しましたが、ほかの魚や肉にも置き換え可能なレシピです。

セロトニンの分泌を促すビタミンDレシピ

「きのこの簡単クリームパスタ」

材料(2人分)
スパゲティ 200g
塩(茹で用) 小さじ2
舞茸 100g
エリンギ 100g
ベーコン 3枚
薄力粉 大さじ2
バター 15g
黒胡椒 お好みで

*クリームソース
牛乳 500ml
コンソメ顆粒 小さじ2
塩 小さじ1/2

作り方
① 舞茸・エリンギ・ベーコンは適当な大きさに切ります。
② フライパンにバターを入れて熱し、①を炒めます。バターは焦げやすいので火加減に気をつけてください。
③ ②に火が通ったら、薄力粉を入れて馴染ませます。
④ その間にパスタを茹でます。塩を入れることでパスタがプリッと茹で上がります。
⑤ ②のフライパンにクリームソースの材料を加え、とろみが出るまでさらに加熱します。
⑥ ④のパスタに⑤を絡めて盛りつけ、お好みで黒胡椒を振って完成です。

きのこたっぷりのクリームパスタです。育児の合間の時間がない時でも簡単に作れるので、ぜひ試してみてください。お好きな野菜や半熟卵などを載せても美味しいです。

 

いかがでしたでしょうか?産後の気分の落ち込みの原因や、落ち込みを防ぐための食材とレシピをご紹介しました。対策としてセロトニンを増やすのは、そこまで難しいことではありません。身近な食材でセロトニンの量を増やしたり、分泌を促すことができます。産後は忙しく自分のことがおろそかになってしまいがちですが、しっかり食べることで気分の落ち込みを防ぐことができるので、家族に頼んだり、冷凍食品やテイクアウトなども活用しましょう。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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