妊活を始める方必見!鉄の大切さと適切な摂り方
公開日:2023年9月21日
記事監修:管理栄養士 松尾和美
赤ちゃんを授かりたいと思った時に必要な栄養素はいくつもありますが、その中でも重要な栄養素である鉄。今回は鉄をテーマにお送りします。よく聞く栄養素ですが、そもそも鉄にはどんな働きがあるの?という疑問から、鉄の吸収をアップさせる食べ合わせや、逆に吸収を抑えるNGな食べ合わせをご紹介します。
そもそも鉄はどのような働きをするの?含まれる食材とは?
鉄にはいくつかの働きがあります。まず、鉄は赤血球の原料になります。赤血球とは、血液の中を流れている血球成分の1つです。この赤血球に酸素を乗せて、肺から全身へと酸素を運びます。さらには、卵子の老化を抑制する抗酸化酵素が働くためにも必要で、すなわち鉄は妊娠するために必要なミネラルと言えます。鉄が特に多く含まれる食材としては、肉のレバー類や魚の血合いなどがあります。野菜では小松菜やほうれん草などに含まれます。
鉄が不足するとどうなるの?
赤血球が作れなくなる
鉄が不足することで、赤血球が作れなくなります。妊娠すると、体内を流れる血液の量を増やして赤ちゃんへ与えるために、全体の血液の量に対して赤血球の材料である鉄が足りず、血が薄い状態となります。これがいわゆる鉄欠乏性貧血という状態で、妊娠時になりやすいので、妊活を始めたら鉄は非妊娠時よりもしっかりと多く摂るべきですね。
全身へと酸素が運べなくなる
赤血球の材料である鉄が不足すると、肺から全身へと酸素が運べなくなります。酸素が不足すると、酸欠により頭がぼーっとしてしまったり、疲れやすくなってしまい危険ですよね。やはり鉄はしっかりと摂る必要がありますね。
妊娠しづらくなる
フェリチン値と言う貯蔵鉄量を表す指標があります。フェリチン値が下がっている場合、卵子の質が悪くなると言われています。卵子の質が悪いと、結果として妊娠しにくくなります。こういった理由からも、妊活を意識したら、鉄の摂取を積極的にしていきたいですね。
鉄をしっかりと摂るためのコツ
吸収をアップする「ビタミンC」と一緒に摂る
鉄の吸収をアップさせるためには、ビタミンCが必要です。ビタミンCは、野菜ですと黄パプリカ・赤パプリカ・ブロッコリー、フルーツですといちご・柿などに多く含まれています。これらに含まれるビタミンCと鉄を一緒に摂ると、鉄の吸収が良くなります。ビタミンCは水溶性で熱に弱いので、サラダとして生で食べるか、スープに入れて汁ごと飲むようにしましょう。
2.吸収を阻害するものと一緒に摂らない
●緑茶やコーヒーなどと一緒に摂ることを避ける
せっかく鉄が含まれている食材を意識してたくさん摂っても、鉄の吸収を妨げてしまう飲み物があります。具体的には緑茶や抹茶、ほうじ茶やコーヒーなどに含まれるタンニンと一緒に鉄を摂ると、体への吸収が妨げられてしまいます。これらをどうしても飲みたい時は食事中に飲むことは避け、間食の時間に摂るようにしましょう。
●食物繊維と一緒に摂ることを避ける
食物繊維は体に良いですが、多すぎる食物繊維も鉄の吸収を妨げてしまうため、玄米やごぼうなど食物繊維が比較的多いものは、鉄が含まれる食材を意識して食べる際は、量を控えめにしていただくと良いですね。
妊活を意識したら必ず摂ってほしい鉄。なぜこれほどに鉄が必要と言われるのか?不足した場合のデメリットや鉄の吸収をアップさせる食べ合わせ、鉄の吸収を抑えるNGな食べ合わせについて解説しました。妊娠中から産後も鉄は重要です。妊活を意識した時点から、鉄を意識して摂る習慣をつけるようにしましょう。
この記事の監修者:松尾和美
保有資格
・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者