コラム

産後に必須なビタミンK!ちゃんと摂れてますか?

公開日:2023年10月4日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

産後の授乳期に、特に意識して摂りたい栄養素がいくつかあります。今回はその中でも、不足すると赤ちゃんに影響が出る可能性もある「ビタミンK」に焦点を当てて、主な働きや不足した場合の赤ちゃんへの影響、そしてビタミンKが含まれるおすすめの食材について、管理栄養士が解説します。

授乳期にビタミンKが不足するとどうなるの?

ビタミンKの主な働きは、血液を固めるサポートやカルシウムの吸収と骨形成を促進するサポート、血管壁を健康に保つサポートなどです。なかなか日常生活では聞かないビタミンなので、意識したことがないという方も多いかもしれません。
ビタミンKが不足すると、例えば怪我をして流血した場合になかなか血が止まらなかったり、カルシウムがきちんと吸収されずに骨がスカスカになってしまったり、血管壁が弱くなってしまうといったリスクがあります。仮に母乳に含まれるビタミンKが不足した場合、ママから母乳をもらっている赤ちゃん自身にこれらが起こりうるわけです。赤ちゃんの場合は、頭蓋内出血が見られるなどのリスクもあります。
授乳期において、母乳中に含まれる栄養素のうちで特に量が少ないと言われるのが、このビタミンKです。ですので、ママは意識してビタミンKを摂る必要があります。厚生労働省によりますと、授乳期に必要なビタミンKの量は、1日150μgと目安量で定められています。これは妊娠していない時から妊娠中も変わらない目安量です。国民健康・栄養調査によると、平均摂取状況は目安量を上回っていると言われるため、野菜や豆類などを普段からしっかり食べていれば不足する心配はほぼありません。一方、ビタミンKは多量に摂っても健康被害が見られないことから、上限量は設定されていないため、意識して少し多めに摂っても問題ありません。

ビタミンKを含む食材と量について

ビタミンKが多く含まれている食材とは?

特にビタミンKの含有量が多いと言われる納豆、それ以外にもさまざまな食材に、ビタミンKは含まれています。野菜類では、ケール・菜の花・モロヘイヤ・ブロッコリー・小松菜・ほうれん草などの緑黄色野菜に含まれています。海藻類ではわかめ・海苔など、豆類では大豆・枝豆などに含まれています。

どれくらいの量を食べれば1日に必要なビタミンKが摂れる?

最もビタミンKが多い納豆では、25g食べると1日に必要な150μgが摂れます。納豆1パックは約50gですので、1パック食べるだけで1日に必要なビタミンKの約2倍量が摂れることがわかりますね。その他、ほうれん草の場合は55g、菜の花の場合は46g、ケールの場合は71g、乾燥わかめの場合は9g(水で戻すと10倍量になり、約90g)、焼き海苔38gとなっています。

おすすめの食べ方は?

ビタミンKは脂溶性ビタミンなので、基本的には油と一緒に食べることで体への吸収率が上がり、より効率的に摂ることができます。そのため、例えばほうれん草や菜の花・ケールは、オイルで炒めてパスタの具材にする、キッシュやケークサレの具材にする、サラダとして食べる場合はオイルドレッシングを使用する、などがおすすめです。しかし産後に胃の調子が悪いこともあるため、吸収率はやや下がりますが、油を使用しない食べ方でも問題ありません。例えば味噌汁の具材として使用する、バナナやりんごなどのフルーツと一緒にスムージーの具材として使用するなどです。匂いの強いケールも、フルーツとヨーグルトと一緒に混ぜることで、とても飲みやすいスムージーになります。ぜひ色々とアレンジして試してみてくださいね。

 

産後授乳期に必要なビタミンですが、鉄やカルシウムなどに比べて産院で指導されることが少ないビタミンK。しかし、実は母乳に含まれる栄養素としては少なく、しかも赤ちゃんの頭蓋内出血などの原因にもなりうるので、毎日の食事の中で特に意識して摂りたい栄養素です。今回は具体的にどのような食材をどれくらい摂れば1日に必要な量が摂れるか?や、おすすめの食べ方を紹介させていただきました。今回ご紹介した食材があまり摂れていないかも、と思った方は、ぜひ今日から意識してみてくださいね。

お役立ち情報やお得なキャンペーンなど配信中♪
友だち追加

この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

一覧へ戻る