コラム

妊娠中の貧血傾向に注意!赤ちゃんのために大切な意識

公開日:2023年10月31日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

よく聞く「貧血」ですが、意識して予防できていますか?症状が出てやっと意識する方が多い貧血ですが、実は赤ちゃんへの影響もあるため、妊娠中から気をつけていただきたいです。今回は妊娠中からぜひ知っておいて欲しい、貧血とその予防や赤ちゃんへの影響について、管理栄養士が解説します。

貧血は妊娠中から産後にかけて、意識・注意しましょう!

貧血は妊娠中から産後に、特に注意してほしい症状の1つです。貧血とは、血液中にあるヘモグロビンの濃度が少なくなっている状態で、妊娠中の基準としては 11.0g/dl未満、もしくはヘマトクリット33%未満の状態を指します。ヘモグロビンとは鉄(ヘム)とたんぱく質(グロビン)の2つが結合したものです。
妊娠中はおなかの赤ちゃんへの鉄の供給も必要になるため、通常より鉄が欠乏しやすく、鉄欠乏性貧血になりやすい傾向があると言われています。そして産後、特に母乳育児をする場合、さらに鉄欠乏性貧血が進みやすくなります。母乳は血液から作られ、1日おおよそ800mlほど赤ちゃんに与えるため、必然的に貧血になりやすいことがわかりますね。

妊娠中に貧血傾向だと赤ちゃんは貧血になりやすい?

前述のように、妊娠中から産後は鉄をしっかりと摂らないと、鉄欠乏性貧血になるリスクが高いです。そして気になる赤ちゃんへの影響ですが、ママが貧血の場合は、おなかで育っている赤ちゃんへ与えることができる鉄の量が、必然的に少なくなってしまいます。こうして生まれた赤ちゃんは、産後からすぐに鉄欠乏性貧血になるリスクが高いと言えます。
実はそもそも母乳に含まれる鉄は少なく、母乳のみで育児をしている場合は、ミルク育児の場合よりも赤ちゃんが鉄欠乏性貧血になりやすいと言えます。ミルクはバランスが整うように栄養が添加されているため、鉄を含めたさまざまな栄養素がバランスよく含まれています。そのため、妊娠中に鉄欠乏性貧血だった場合は、産後の赤ちゃんには母乳だけではなくミルクも併用して、鉄不足にならないように対策を講じてあげると良いのではないでしょうか。もしあまり元気がなくぐったりしやすい・顔色が悪い・母乳やミルクを吸う力が弱いなどの様子が見られた場合は、赤ちゃんが貧血になっている可能性があるので注意が必要です。

離乳食では鉄を意識して

前述では、妊娠中に貧血だった場合は、出産後は母乳とミルクを活用して、赤ちゃんの鉄欠乏性貧血を予防しましょうというお話をしました。生後5・6ヶ月ごろからは離乳食が始まりますが、基本的に鉄分は不足しやすいので、ご自身が貧血でなかったとしても、鉄分は意識して食べさせるようにしましょう。
離乳食初期はレバー・肉の赤身・魚の血あい肉などは与えられないため、ほうれん草や小松菜の葉の部分を柔らかく茹でてブレンダーにかけ滑らかにし、葉物野菜から鉄が摂れるように工夫すると良いでしょう。
生後7・8ヶ月ごろからの離乳食中期では、動物性のレバー・肉の赤身・鮭やマグロなどの魚の血あい肉なども食べられるようになります。この時、柔らかく煮て骨や皮は必ず取り除き、細かくほぐします。初期から食べることができるほうれん草、小松菜などの葉物野菜も併用して、赤ちゃんが鉄欠乏性貧血にならないようにしっかりと鉄を与えてくださいね。調理が難しい場合は、ベビーフードもうまく活用していただくと安全で良いですね。このように、産後の赤ちゃんへの鉄の供給は、特に意識していただくことをおすすめします。

 

今回は妊娠中からの鉄欠乏性貧血のリスクと、鉄が不足した場合の赤ちゃんへの影響、予防や鉄を意識した離乳食についてお伝えしました。産後はとにかく時間がなく忙しいと思いますが、貧血で倒れてしまったら大変です。ご自身も鉄の多く含まれる食材を意識して食べましょう。毎日食べるのが難しい場合は、サプリメントで補うのもOKです。赤ちゃんと一緒に鉄を補給していきましょう。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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