公開日：2023年11月15日

記事監修：管理栄養士 松尾和美

妊娠したら意識して摂った方が良い、と言われる栄養素はたくさんありますが、その中でも代表的な葉酸。そもそも葉酸とはどのような栄養素なの？なぜ葉酸が妊娠初期に必要と言われているの？また葉酸が含まれる食材とは？など、基本的な疑問から葉酸が含まれるレシピまで、管理栄養士がご紹介します。

そもそも葉酸とは？

どのような栄養素？

葉酸はビタミンＢ群の一種で、ビタミンＢ１２とともに血液中にある赤血球を作り、不足すると貧血の原因になります。さらに、葉酸はおなかの中の赤ちゃんが成長する際にも必要で、不足すると赤ちゃんの神経管閉鎖障害の原因となります。
葉酸は水溶性ビタミンなので、一度にまとめて摂っても体に貯蔵しておくことができない性質を持つため、一度に大量に摂るのではなく、できれば毎日毎食意識して摂っていただくのが良いでしょう。日本人の食事摂取基準（2020年版）によりますと、葉酸の１日の推奨量は18歳以上の男女ともに、240µgとされています。妊娠を希望する、または妊娠中の女性は、この240µgにさらに追加で240µg、すなわち１日480µgを摂ることが推奨されています。

なぜ葉酸が妊娠初期に必要？

前述のように、葉酸はおなかの中の赤ちゃんの成長に大きく関わっており、妊娠中にお母さんの葉酸摂取量が不足すると、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の原因となります。では、葉酸がいつから必要か？と言いますと、妊娠初期からです。ただし一般的に最終月経の１日目を妊娠１日目としてカウントするため、月経が来ないな？と思い病院などで検査をして、妊娠が発覚した時点で既に妊娠２ヶ月ごろとなります。
このような理由で、妊娠１ヶ月目からきちんと葉酸を摂るためには、妊娠の可能性が少しでもある時期、すなわち妊活をスタートした時から意識して摂る必要があることがわかりますね。

葉酸が含まれる食材とは？

葉酸は緑の野菜に多く含まれます。具体的に多く含まれる食材と、100g当たりの葉酸の含有量（µg）をピックアップしました。焼き海苔（1200µg）、乾燥わかめ（440µg）、枝豆・生（320µg）、モロヘイヤ・生（250µg）、ブロッコリー（220µg）、ほうれん草（210µg）、アスパラガス（190µg）、いちご（90µg）などです。

葉酸が摂れる管理栄養士おすすめのレシピ

ほうれん草の豆乳グラタン

＜材料（２人分）＞
ほうれん草 １束
薄切りベーコン １袋
玉ねぎ １／２個
とろけるチーズ 適量
豆乳 ５００ｍｌ
薄力粉 大さじ３
コンソメ顆粒 小さじ１
塩 適量
バター ２０ｇ

＜作り方＞
① ほうれん草はお湯で茹で、しんなりしたら火を止めて、よく絞って水切りし、お好みの大きさにカットしておきます。
② 薄切りベーコンは短冊切りに、玉ねぎはくし切りにしておきます。
③ フライパンを熱してバターを入れ、薄切りベーコンと玉ねぎを炒め、塩・コンソメ顆粒を振り入れて下味をつけておきます。
④ ③に火が通ったら、薄力粉をダマにならないようにふるいながら、全体的にまぶして炒めます。
⑤ 薄力粉が全体的に馴染んだら、豆乳を３回に分けて加えて混ぜます。ここで一度に大量に入れるとダマになりやすく、口当たりが悪くなるので注意してください。
⑥ ⑤をとろみが出るまで煮て、その後①のほうれん草を入れて少し加熱します。
⑦ ⑥の具材を耐熱皿に入れます。上からとろけるチーズをかけ、オーブンで焼き色が着くまで焼いて完成です。

いちごの簡単ヨーグルトゼリー

＜材料（６個分）＞
豆乳または牛乳 ５０ｃｃ
砂糖 １００ｇ
ゼラチン １０ｇ（ゼラチンをふやかす水は５０ｃｃを用意します）
いちご ３００ｇ（上の飾り用に６粒分は潰さずに残しておきます）
ヨーグルト ３００ｇ
レモン汁 大さじ１

＜作り方＞
① ゼラチン１０ｇを水５０ｃｃであらかじめふやかしておきます。この時、水の中に少しずつゼラチンを振り入れておくと、ダマにならずにふやかすことができます。
② いちごは飾り用に６粒を避けておき、それ以外は細かく刻んでボウルに入れ、スプーンの背（もしくはミキサー・ブレンダー）で潰しておきます。
③ 豆乳または牛乳を鍋に入れて温めながら、①のゼラチンと砂糖を溶かします。この時ゼラチンが固まらなくなるため、沸騰させないようにしてください。
④ ③に、②で潰したいちご、ヨーグルト、砂糖、レモン汁を入れ、さらに混ぜます。この時ミキサーやブレンダーを使用すると均一に混ざりますが、泡立て器などでも十分です。
⑤ 器に分けて冷蔵庫で１時間ほど冷やし固めます。②で避けた飾り用のいちごを飾って完成です。

 

今回は前半で葉酸についての解説、後半では葉酸が含まれる食材を使用したおすすめのレシピをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか？材料はシンプルで、妊娠中気になるカロリーも抑えつつヘルシーに、さらには使用する調理器具も比較的少ないため、忙しい方でも簡単に作れる一石三鳥なレシピです。ぜひ作ってみてくださいね。

お役立ち情報やお得なキャンペーンなど配信中♪

この記事の監修者：松尾和美