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授乳期にも葉酸は必要!産後に食べたい簡単レシピ

葉酸は新しい細胞を作るのに重要な役割を担っています。そのため、妊娠の可能性のある女性や妊婦さんに特に必要な栄養素だと、知っている方も多いと思います。実は出産を終えた後も葉酸が必要なのをご存知ですか?
厚生労働省では、授乳期には通常の女性の推奨する量よりも100μg多い340μg以上摂取することをすすめています。今回は産後も葉酸を摂り続けたほうが良い理由、そして産後食べたい簡単レシピをご紹介します。

<目次>
1. 産後も葉酸が必要な理由
2. 葉酸を日々の献立に取り入れるポイント
3. 産後忙しい時でも作れる簡単レシピ
3-1. 鶏塩レバー
3-2. ほうれん草ときのこのクラムチャウダー

1. 産後も葉酸が必要な理由

① 母乳育児に欠かせない栄養素
葉酸は母乳を作り出す血液の元となり、母乳に含まれる葉酸が赤ちゃんの栄養源となります。母乳育児の場合は特に、卒乳まで葉酸を意識的に摂りましょう。

② 貧血予防に大切な栄養素
葉酸は造血ビタミンとも言われ、不足すると巨赤芽球性貧血を起こしやすくなります。これは、鉄不足で起こる鉄欠乏性貧血とは違う種類の貧血で、だるさや動悸・息切れなどの一般的な貧血と同様の症状のほか、味覚症状や食欲の低下・白髪などの症状が出ることもあります。妊娠中から葉酸の必要量が増えているため、産後も葉酸不足に陥りやすく、巨赤芽球性貧血のリスクも妊娠前よりも高くなるので、しっかり摂る必要があります。

③ 産後の傷ついたママの身体の回復を助ける
葉酸は細胞分裂を促すため、胎児の成長に欠かせない栄養素と言われていますが、この働きが、出産でダメージを受けた子宮の細胞分裂を行い、体力回復を助ける産後に欠かせない存在です。

④ 産後うつの予防に役立つ
産後うつとは、産後の急激なホルモンバランスの変化により、不安感や焦燥感・夜眠れない・無気力などの症状を伴う病気です。葉酸にはホルモンバランスを整える作用があり、産後うつの予防にも期待できるビタミンです。最近ではうつ病と葉酸やビタミンB群不足に関する研究が世界中で行われています。

2. 葉酸を日々の献立に取り入れるポイント

葉酸はほうれん草から発見されたビタミンで、その名の通り緑の野菜に多く含まれます。例えば、ほうれん草・春菊などの葉野菜、ブロッコリーや枝豆、野菜以外ではのりなどの海藻類・納豆などの豆類にも比較的多く含まれます。他にも、レバーにとても多く含まれますが、レバーの摂りすぎはビタミンAの過剰摂取となり、妊娠中は胎児に影響があるため注意が必要ですが、産後は積極的に摂りたい食材のひとつです。

葉酸は、光や熱に弱く酸化しやすい成分です。保存や調理で損失されやすいため、食品が新鮮なうちに手早く調理して食べることが効率の良い摂取法です。生で食べられるものはサラダにして食べたり、おやつに果物を食べて取り入れたりすることもおすすめの方法です。
産後は特に忙しいので、料理の時間も短く仕上げたいもの。シンプルな調理法で栄養を逃さずに身体に取り入れたいですね。

3. 産後忙しい時でも作れる簡単レシピ

産後のママは出産によるダメージを受けていて、さらに生まれた赤ちゃんのお世話で寝不足・授乳・産後のホルモンバランスの乱れによるストレスなどにより、まさに栄養が枯渇状態です。でも、産後はとにかく時間がなく忙しいので、料理の時間はなるべく短く簡単に済ませたいですよね。
今回はそんな産後ママを助ける!葉酸を効率良く取り入れられる簡単レシピを2品ご紹介します。

3-1. 鶏塩レバー

<材料(2人分)>
鶏レバー 200g
塩    小さじ2

<調理方法>
【塩レバーの下処理】
① レバーの白い部分(脂肪)を取り除き、一口大に切る。ハツがついている場合は半分に切り、中の血を洗い出す。
② ボウルに①を入れて、水をためて手でかき混ぜたら流水で洗い流す。これを3回ほど繰り返したら15分ほど氷水に漬けておく。ザルにあげてキッチンペーパーで水分を拭きとる。

【塩に漬け込む】
③ ビニール袋またはボウルに②の鶏レバーと塩を入れて優しくもみこむ。冷蔵庫で30分~2時間ほど置いておく。

【茹でる】
④ 鍋にたっぷりの湯を沸かし、③の鶏レバーを入れる。再び沸騰したら火を止めて蓋をして30分ほど蒸らす。火が通ったら完成。(火の通りが不十分の場合は蒸らし時間を延長する。)

そのまま食べても美味しいですが、ごま油と刻んだネギをかければご飯がすすむ一品となります。ご主人のお酒のおつまみにも最適です。

■調理のポイント
予熱で火を通すことで臭みの発生を抑えることが、このレシピ最大のポイントです。また、レバーの中にある血の塊や余分な脂肪もしっかり取り除くことで、臭みを取ることができます。下処理に少し時間がかかりますが、あとは予熱で放置するだけで臭みがないぷりぷり食感の塩レバーができあがります。

■鶏レバーの葉酸の量
鶏レバー100gで葉酸は1300μgも含まれています。鶏レバーを食べることで葉酸の必要量を大幅に超えてしまうこともありますが、食品からの摂取では体内での吸収率が悪く、吸収率は50%程度なので、摂りすぎの心配は必要ありません。サプリメントに含まれる葉酸は吸収率が良いため、葉酸を意識した食事と組み合わせて摂る場合は規定量を守ることが大切です。

3-2. ほうれん草ときのこのクラムチャウダー

<材料(2人分)>
ほうれん草 2株
しめじ   1株
人参    1/2本
玉ねぎ   1玉
じゃがいも 中1個
あさりの水煮缶 1缶
ベーコン  1枚
牛乳    300ml
水     200ml
バター   15g(常温・またはレンジで柔らかくしておく)
小麦粉   15g
塩     小さじ1
サラダ油  適量

<調理方法>
① ほうれん草は洗い、長さ4cmのざく切りに切る。
② しめじは根元を切り、手で房を分ける。
③ 玉ねぎ・人参・じゃがいもは皮をむき、1cm角に切る。
④ 小麦粉とバターを練っておく。
⑤ 鍋にサラダ油をしき、熱したら玉ねぎ・ベーコンを加えて炒める。しんなりしたらしめじ・人参・じゃがいもを加え、炒める。
⑥ 水200mlを加え、煮立ったらほうれん草・あさりの缶詰めを汁ごと加え、蓋をして弱めの中火で10分煮込む。
⑦ 牛乳と塩を加え、ふつふつとしてきたら④の小麦粉とバターを混ぜ合わせたものを溶かし入れる。とろみがつくまで弱めの中火で煮たら完成。

■調理のポイント
葉酸は水溶性ビタミンで水に溶けてしまうため、下茹でするとビタミンの多くが茹で汁に溶けてしまいます。そのため、スープなど、溶け出した葉酸も一緒に摂れる調理法がおすすめです。また、下茹でが必要な場合は、茹でるのではなく、電子レンジで加熱したり蒸したりする、水を使わない調理法を選ぶことで、葉酸を捨てることなく体内に取り入れることができます。ブロッコリーは生の場合100gで220μg葉酸が含まれますが、茹でた場合だと約半分の120μgに減ってしまいます。調理法を工夫することで効率良く葉酸を取り入れることができます。

今回は、ママと赤ちゃんに嬉しい、葉酸が摂れる簡単レシピをご紹介しました。産後は食事を作ることが体力的に難しい場合もあります。無理をせずストレスを溜めないことが、ママにとっても赤ちゃんにとっても一番です。
食事だけから葉酸を摂ろうとすると不足することもあるので、サプリメントも組み合わせて補いましょう。

(記事監修:管理栄養士 松尾和美)

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