コラム

妊娠中、質の良い睡眠とれていますか?簡単に作れる睡眠の質を上げるレシピをご紹介

公開日:2022年3月16日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

妊娠中はとにかく眠たくて、ぼんやりとしてしまうことが多いかと思います。特に妊娠後期はお腹が大きくなり、膀胱が圧迫されることで頻尿になったり、不眠を招くホルモンである「エストロゲン」が出ることにより、寝つきにくくなる場合があります。妊娠中の睡眠不足は、長期的に続くことでうつ病のリスクを高めることもわかっています。睡眠不足になってしまうことは妊娠中仕方ないことではありますが、少しでもお腹の赤ちゃんのためにもしっかりと睡眠をとり、体調を整える必要があります。

妊娠中の眠気や睡眠不足の原因は?

初期・中期・後期それぞれの時期によって異なります。それぞれ見ていきましょう。

【妊娠初期】(4~15週)

妊娠すると大量に放出される、プロゲステロンという女性ホルモンが眠気を誘う作用があるため、妊娠初期は特に眠気を感じる方が多くいます。また、プロゲステロンが急激に増加する妊娠初期は、抑うつ気分・怒りの爆発・イライラ・不安感などといった精神的な症状を引き起こし、これが不眠の原因となると言われています。他にもつわりによる吐き気や頭痛なども、睡眠不足や日中の眠気の原因となります。

【妊娠中期】(16~27週)

安定期と言われる妊娠中期ですが、お腹が大きくなる時期で、さまざまなマイナートラブルが伴います。お腹が苦しくて寝苦しくなることや、腰痛も不眠の原因となっている方も多いかもしれません。また、この時期は胎動を感じやすくなる時期のため、気になってしまい眠れないということもあります。

【妊娠後期】(28~39週)

足のむくみやこむら返り・頻尿など、マイナートラブルが最も多いのが妊娠後期です。妊娠中のこむら返りの原因は足の血流が悪くなっていることがほとんどですが、カルシウム・マグネシウム不足も原因の一つと言われています。

眠りの質を高めるためのキーは自律神経

妊娠中は女性ホルモンの変化により、自律神経のバランスが乱れやすくなります。気持ちが落ち着かない・不安感が強くなるなどの不安定な状況に悩まされる場合があり、それが不眠の原因ともなります。自律神経のバランスを整えるために、生活習慣の見直しが大切です。

交感神経と副交感神経

自律神経という言葉を聞いたことがありますか?「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、昼間は交感神経・夜間は副交感神経が活発になるというリズムを持っています。主に交感神経が優位なときは活動的に、副交感神経が優位なときはリラックスした状態になります。

自律神経を整え、質の良い睡眠をとるための1日の過ごし方

【朝】

①起きたらまず、朝日を浴びる
光を感じると自律神経が活動モードに切り替わり、身体がすっきりと目覚めます。

②朝食をしっかりと摂る
脳の自律神経が元気に働くため、朝食はとても重要です。腸の活動も促されるため、味噌汁や納豆・ヨーグルトなどの発酵食品を取り入れましょう。

【昼】

①無理のない運動で日中は交感神経を優位に
安定期に入り、医師からも運動の許可が出ている場合は、体調を見ながら無理のない運動を始めることができます。おすすめはウォーキングやマタニティヨガなどです。普段からあまり運動をしない方は少しずつから始め、慣れてきたら徐々に運動量を増やしていきましょう。
ただし、妊娠中の運動は普段とは違い注意も必要です。お腹がはってきたり、気分が悪くなったりした場合は無理せず休みましょう。また、運動中や前後には水分補給を行い、脱水症状にならないようにしましょう。

【夜】

①夕食は寝る3時間前が理想
食事をすると身体は活動モードに切り替わります。寝る3時間前までに食事を済ませ、ゆったりとした時間を過ごして眠る時間までに休息モードに切り替えましょう。

②お風呂でリラックス
お風呂に入ることで入眠を得やすくなります。シャワー派の方もぜひ、湯船に入る習慣を身につけることがおすすめです。体が温かい状態は眠りにつきにくく、温まった体温が下がったときに眠りにつきやすくなります。寝る直前の入浴は避け、寝る2時間前くらいに入るのが良いとされています。

③パソコンやスマホは控える
パソコンやスマホの強い光を浴びると交感神経の働きが活発になり、質の良い睡眠を妨げます。寝る前は本を読んだり、スローテンポの音楽を聴くなど、ゆったりとした時間を過ごすことで眠りにつきやすくなります。

睡眠の質を高める食事

①深い眠りを誘うアミノ酸 グリシン

グリシンは体内で合成できるアミノ酸の一種で、心地良い睡眠をもたらす効果があると言われています。

【睡眠に対するグリシンの効果】
●深部体温を下げて「深い眠り」を導く
●寝起きの疲労感や眠気が減る
●睡眠サイクル(レム睡眠・ノンレム睡眠)が整う

~多く含む食材~
牛すじ・鶏軟骨・豚足・エビ・カニ・ホタテ・イカなど

②セロトニンを合成するアミノ酸 トリプトファン

セロトニンは脳をリラックスさせる睡眠ホルモンです。そのセロトニンを合成するのが私たちの体内では合成できない、アミノ酸のトリプトファンです。

~多く含む食品~
魚介類・鶏肉・卵・大豆製品など

③ストレスを鎮める ビタミンB1

ビタミンB1はイライラや不安などのストレスを鎮める働きがあるため、安眠に役立つビタミンです。

~多く含む食品~
豚肉・うなぎ・大豆製品など

~おすすめレシピをご紹介~

1.やみつきじゃこ大豆

【材料】(作りやすい分量)
大豆ドライパック 2パック
ちりめんじゃこ 30g
片栗粉 小さじ2
ごま油 大さじ1

(調味料)
ごま 大さじ1
砂糖 小さじ2
みりん・しょうゆ 各大さじ1

【作り方】
① 大豆ドライパックはポリ袋に入れ、片栗粉を加えてよくふり、全体に粉をまぶす。
② フライパンにごま油をしき、熱したら大豆を加え、油を全体にいきわたらせる。
③ 大豆を端に寄せて隙間をつくり、火を止めてちりめんじゃこ、調味料を加える。再び火をつけてふつふつとしたところで全体を混ぜ合わせて調味料を絡める。

(ポイント)
トリプトファンやビタミンB1を多く含む、大豆が主役の一品です。冷蔵庫で4~5日保存ができるので、常備菜や小腹がすいたときのおやつにも最適です。

2.ブイヤベース

【材料】(作りやすい分量)
エビ 4尾
アサリ 100g
タラ 2切れ
玉ねぎ 1/2個
ニンニク 1かけ
片栗粉 適量
塩 適量
オリーブオイル 大さじ1
白ワイン 大さじ1
カットトマト缶 1/2缶
水 200ml

(調味料)
塩 小さじ1/3程度
黒コショウ 少々

【作り方】
① アサリは3%の塩水に一晩漬けて砂出しし、流水で洗う(500mlの水に大さじ1の塩)
② エビは殻をむき、背ワタをとり、片栗粉と塩を適量まぶして10分ほどおいて流水で洗い流す。タラは塩をふり10分ほどおいて出た水分をペーパータオルで拭き取る。食べやすい大きさに切っておく。玉ねぎは薄くスライスし、ニンニクはみじん切りにする。
③ 鍋にオリーブオイル、ニンニクを入れて弱火でじっくりと香りを出し、玉ねぎを加えてしんなりするまで炒める。
④ エビ・アサリ・タラを入れ、カットトマト缶・白ワイン・水を加えたら中火で煮立て、蓋をして4分煮る。最後に味をみて塩で調味し、黒コショウで味を調えたら器に盛りつけて完成。

これ一品で主役級。魚介のうまみたっぷりでお手軽にできるブイヤベースです。お好きな魚介でアレンジしてくださいね。アサリからうまみや塩味が出るので、塩は最後に味をみて調整してください。

 

妊娠中の眠気は個人差もありますが、とても自然なものです。赤ちゃんからの、身体を休めてほしいというサインなのかもしれません。あまり気にし過ぎず、身体を休めましょう。妊娠中はマイナートラブルも多く、深刻な睡眠不足に陥りやすい時期です。睡眠不足で悩んでいる場合は、自律神経を整えるような意識をして、病院にも相談してみてください。少しでも快適なマタニティライフを過ごせるよう心掛けましょう。

お役立ち情報やお得なキャンペーンなど配信中♪
友だち追加

この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

一覧へ戻る