コラム

「家の中は大丈夫」ではありません!産後は脱水・熱中症に注意!

公開日:2023年7月26日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

ついに夏の到来です。夏と言えば気温が高く、脱水や熱中症になりやすい時期です。前回妊娠中の水分補給のお話をしましたが、実は産後も注意が必要なのをご存知ですか?産後はあまり家から出ない方も多いので人ごとだと思われがちですが、室内でも知らないうちに脱水や熱中症になってしまうこともあるので注意が必要です。今回は夏場における産後の脱水や熱中症対策について、管理栄養士が解説します。

自分の水分補給できてますか?産後の脱水・熱中症に注意!

家事や育児に追われ忙しく過ごしていると、ついご自分の水分補給を忘れてしまっていませんか?室内にいても少し動いただけで大量に汗が出てくるこの季節、脱水症状になる方が実はとても多いのです。特に気をつけてほしいのが、母乳を中心に赤ちゃんを育てている方です。母乳の9割は水分でできています。一般的に1日1000mlほど母乳を与えるため、体の中の水分をなんと900mlも失っている計算になります。汗をかいていなくても、自分では気づかないうちに脱水になっている場合があるのです。症状としては、めまい・ふらつき・だるさや吐き気のほか、トイレに行く回数が極端に減っている場合も要注意です。

また、夏場に授乳をする方に、もう一つ気をつけていただきたいのが熱中症です。室内にいるので大丈夫と思うかもしれませんが、実は熱中症は室内にいても、栄養や水分がしっかり摂れていないことや、日の当たる場所や風通しが悪く閉めきった部屋にいることでも起こります。赤ちゃんも危険なので、部屋の温度や湿度には十分に気をつけましょう。母乳育児は母乳=血液を赤ちゃんに与えることになるので、必然的に多くの水分とたんぱく質が必要となります。ですが赤ちゃんのお世話に注力するあまり、食事がきちんと摂れていないと、水分・たんぱく質不足になりやすく、寝不足や部屋が極端に暑いなど他の要因も重なった時に、熱中症で倒れてしまう可能性が高くなります。

産後の脱水対策としてできることは?

ついつい自分のことに無頓着になりがちな産後ですが、まず必ず1日数回に分けて、水分補給をすることを心がけましょう。この時、コーヒーや紅茶・緑茶で水分補給をしないように気をつけてください。カフェインの入った飲料を飲んでも、利尿作用により余計に脱水が進んでしまうため、必ずノンカフェインの飲み物を選ぶようにしてください。水・麦茶・ハーブティなどがおすすめです。

最もおすすめなのは水で、体温に近い温度のものを飲むと内臓を冷やさないので安心ですね。目安は1日1.5~2lですが、夏場は日中だけでなく寝ている間も知らずのうちに汗をかくので、2~2.5lを目指して数回に分けて飲んでいただくと良いでしょう。一度にたくさんの水を飲みすぎると血液が薄まり、貧血になりやすくなるため、こまめに飲むことを意識してくださいね。

また水分だけでなく、塩分を補給することや適切な食事を摂ることも大切です。水分と塩分を同時に摂れる食事としておすすめなのは味噌汁です。味噌汁の塩分は私たちの体の塩分濃度に近いと言われています。最低でも1日に1杯の味噌汁を毎日飲むことで、熱中症の予防につながります。熱中症対策におすすめの味噌汁レシピのポイントは、豆腐・油揚げ・魚・豚肉などたんぱく質源の食材を必ず1つ入れること、ミネラルが補給できるわかめ・あおさなどの海藻類を入れることです。玉ねぎ・ねぎ・にんじん・じゃがいもなど年中手に入りやすいものや、ナス・トマトなど季節の野菜を入れても美味しいですよ。食事をきちんと作る時間がない中でも栄養たっぷりの味噌汁を飲むことで、健康バランスがぐっと良くなり、熱中症予防ができます。

たんぱく質は毎食忘れず食べていただきたいですが、産後は忙しいので無理して全部作ろうとせず、コンビニの時短フードも活用してみてください。具体的にはゆで卵・パウチの焼き魚・鯖の水煮・チーズ・焼き鳥などです。これらは袋を開封するだけですぐに食べられるたんぱく質源なので、ストックしておけば時間がない中でもさっと食べることができて便利です。

 

夏と言えば汗をかきやすく、ただでさえ脱水や熱中症のリスクが高まる季節です。その上で母乳育児をしている方はよりそのリスクが高くなるため、室内にいても長時間日光の当たる場所や締め切った場所にいないように気をつけていただき、クーラーもうまく活用しましょう。服の素材や服装にも気をつけて、体内に熱がこもらないようにしてください。また、しっかりと水分・塩分・たんぱく質の補給を行い、脱水や熱中症の予防をしていきましょう。ストックできるものはしていただき、まとめて作り置きができるものがあれば作っておくと便利ですね。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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