コラム

産後のイライラ・落ち込みは栄養不足が原因かも!?不安定な心に効く簡単レシピ

赤ちゃんが順調に育っているか、無事生まれてくるか、など漠然とした不安を感じて過ごす妊娠期を経て、やっと待ちに待った赤ちゃんと出会えて幸せなはずの産後ですが、ちょっとしたことで涙が出たり、周囲の何気ない一言に傷ついて落ち込んでしまったりすることがよくみられます。
放っておくと大変な事になってしまう可能性もあるため早めの対処が必要です。
今回はそんなマタニティブルーを予防する簡単レシピをご紹介します。

<目次>
1. マタニティブルーとは?
2. マタニティブルーを長期化させないためのポイント
2-1. 休養を取る
2-2. 栄養を摂る
3. 産後の不安定な心に効く簡単レシピ
3-1. 鯖缶で作るトマト煮込み
3-2. 塩豚簡単チャーシュー

1. マタニティブルーとは?

ホルモンバランスの急激な変化により、産後間もなくして情緒不安定になることは誰でも起こりうる自然の現象で、マタニティブルーと呼ばれます。出産後はエストロゲン・プロラクチンといった妊娠を維持するために増加していたホルモンが急激に低下します。これがマタニティブルーの原因となるのです。
マタニティブルーはたいていの場合1週間ほどで治まってきます。しかし、寝不足や出産・育児の疲れがなかなか取れない場合、マタニティブルーが長期化し、「産後うつ」になってしまう可能性もあります。

2. マタニティブルーを長期化させないためのポイント

2-1. 休養を取る

産後は出産によるダメージが大きく、身体が休まらないまま赤ちゃんのお世話がスタートします。夜は数時間ごとの夜泣きでまとまって眠ることができないうえに、ホルモンバランスの変化により気持ちが高ぶったり、逆に落ち込んだりして寝付きが悪くなります。そのため、まずは赤ちゃんが眠っているリズムに合わせてゆったりと身体を休めることが何よりも大切です。
眠ろうと思っても目が冴えてしまい眠れない場合も、目を閉じて横になっているだけで身体は休まります。身体を休めるためには産後、家事・育児をどのように分担してやっていくのか、パートナーや周りの頼れる人に妊娠中のうちから相談しておくと良いでしょう。パートナーが料理初心者な場合は、妊娠中に簡単な料理の作り方を覚えてもらうのも良いですね。

2-2. 栄養を摂る

出産により300ml前後の出血があると言われています。帝王切開や、出産時にトラブルがあった場合はさらに出血量は多くなります。また、産後は胎盤がはがれたところや子宮にできた傷からの出血(悪露)があり、産後お母さんの身体はダメージを受けています。産後の身体の回復を早め、身体から出て行ってしまった栄養を補給するためにも、食事から栄養をしっかりと摂ることが大切です。
とはいえ、産後すぐの無理な家事は禁物。買い物は家族に頼む・宅配サービスを利用する・お惣菜なども時には利用しながら心にも身体にも負担をかけないようにしましょう。産後忙しいとなかなか料理をする時間がなく、おにぎりやパン・うどんなど糖質に偏りがちです。産後、出産により体内の栄養素が不足しているうえに、母乳育児の場合たんぱく質や鉄・カルシウムなどがさらに身体から減っていくことになります。身体の栄養素不足は精神面の健康が崩れる原因となるため、産後マタニティブルーが重症化しないようにするためにも食事面に注意することが重要です。

<産後特に不足している栄養素>
【たんぱく質】
たんぱく質は産後忙しい生活を送っていると不足しがちな栄養素です。身体の回復・母乳を作る材料のもとになるだけでなく、心のバランスを整えるホルモンや神経伝達物質の材料となります。
(多く含まれる食品):豆腐・鶏ささみ・タラなど

【鉄分】
出産により多くの鉄分を失っているため食事での補給が必要です。鉄分は血液の原料になるだけではなく、脳内の神経伝達物質の生成をサポートしており、不足すると精神が不安定になってしまいます。
(多く含まれる食品):あさり・豚レバー・鶏レバー・大豆など

【カルシウム】
産後は歯や骨が弱くなり骨粗鬆症や歯のトラブルが起こりやすくなります。また、カルシウムは身体の生理機能を調整し、心を安定させる働きがあります。
(多く含まれる食品)牛乳・チーズ・しらす・ほうれん草など

【亜鉛】
感情のコントロールに関わる神経伝達物質を作るのに亜鉛が関与しています。亜鉛が十分に体内にあることで精神の安定や脳の機能を高め、うつ状態の緩和に効果があると言われています。
(多く含まれる食品):牡蠣・豚レバーなど

【ビタミンB群】
ビタミンB群は「代謝ビタミン」と呼ばれ、私たちが食べた食物をエネルギーに変換するときに役立ちます。特に興奮や緊張・リラックスなど、感情に関与する神経伝達物質はたんぱく質から作られ、合成させる際にビタミンB群が多く関わっています。妊娠・授乳を経て不足しやすいビタミンなので食事で取り入れることが重要です。
(多く含まれる食品):豚ヒレ肉・豚もも肉・牡蠣など

3. 産後の不安定な心に効く簡単レシピ

産後の忙しいママや、お料理初心者のパパでも気軽に作れる心も身体も喜ぶレシピを2品ご紹介します。

3-1. 鯖缶で作るトマト煮込み

(材料)4人前
オリーブオイル   大さじ1
にんにく      1かけ
鯖の味噌煮缶    1缶
玉ねぎ       1玉
えのき       1房
カットトマト缶   1缶
【調味料】
塩         小さじ1/2
ケチャップ     小さじ1
ウスターソース   小さじ1

(作り方)
① にんにくはみじん切りに、玉ねぎは薄くスライスする。
② えのきは石づきをとり、2㎝程度の長さに切る。
③ フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱火で熱し、香りを移す。
④ 玉ねぎを入れてしんなりするまで炒め、さらにえのきを加え、炒める。
⑥ サバの味噌煮・トマト缶を加えてへらでつぶして細かくする。
⑦ 中火で10~15分水分がなくなるまで煮詰めていく。
塩・ケチャップ・ウスターソースで味を整え、器に盛り付けたら完成。

産後は買い物行くことも大変なので、長期保存が可能な缶詰をお料理に活用すれば買い物の頻度を減らすことができます。サバの味噌煮缶を使うので味付けが決まりやすく、ご飯やパンにはもちろん、パスタのソースにも使えます。骨まで食べられるサバの缶詰はカルシウムが豊富。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富に含まれています。

続いてビタミンB群が豊富で産後の疲労回復やイライラを予防する効果が期待できる豚肉を使ったレシピをご紹介します。

3-2. 塩豚簡単チャーシュー

(材料)4人前
豚ヒレ肉ブロック  250g
にんにく      ひとかけ
しょうが      ひとかけ 
ネギ        1本分
キャベツ      2枚
【調味料】
酒         60ml
しょうゆ      大さじ1
塩         小さじ1
砂糖        小さじ1
水         100ml

① しょうがは薄くスライスし、にんにくは包丁でつぶす。
② 豚肉は1cmの厚さに切る。ネギは小口切りにする。
② 蓋付きの鍋に調味料・豚肉・にんにく・しょうがを入れ、上にネギをのせ蓋をする。
③ 中火で煮立て、沸騰したら弱めの中火にし、弱火で30~40分ほど豚肉が柔らかくなるまで煮る。煮汁が少なくなるまで煮詰めたら完成。
④ キャベツをざく切りにし、ふんわりラップをして600ワットの電子レンジで3分加熱する。キャベツを皿に盛り付け、その上に③のチャーシューとネギを盛り付ける。

鍋に入れて煮込むだけでできる簡単な肉料理です。レンジで蒸したキャベツなどの野菜の上にのせて残った煮汁をかければ、野菜もお肉も一緒に美味しく食べられるバランスの良い一品になります。

食事と心は大きく結びついています。忙しく余裕がない時は少ない材料でシンプルに作れるレシピや、缶詰を利用しておいしくて栄養のある食事で産後の疲れた身体や心を整えましょう。また、パートナーやご家族など周りの頼れる人に家事や育児を分担し、ママはなるべく自分の身体を休める時間を取りましょう。
出産直後のイライラや気分の落ち込みは一時的なものですが、長期化する場合は早めにご家族や地域の助産師さんに相談するようにしてくださいね。

(記事監修:管理栄養士 松尾和美)

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