コラム

朝ごはんしっかり食べてますか?妊娠中の簡単朝ごはんレシピをご紹介

公開日:2021年10月6日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

朝ごはんは一日の始まりの大事なスイッチ

突然ですが、皆さんは朝ごはんを毎朝食べていますか?厚生労働省の国民健康・栄養調査報告書(平成29年)によると、朝ごはんを食べない女性の割合はもっとも多い年代で20代の23.6%となりました。妊娠中は頭がぼーっとして一日中眠たい、なかなか朝スッキリと早く起きられないなどの理由から、朝ごはんを食べることが難しい場合もあるかと思います。生活のリズムを整えるのが難しい妊娠中ですが、つわりがひどく体調が悪い時を除き、「早寝」「早起き」「朝ごはん」は生活のリズムを整えるうえでとても重要です。

体内時計のリセットのために朝ごはんが必要

人間の身体には体内時計というものがあります。体内時計は光と関係があり、太陽が昇っている間は活動的に、沈んだら休息をするように働きかけています。これが「体内リズム」とよばれるもので、私たちが生活する「生活リズム」とずれてしまうと大きなストレスになるのです。
「体内リズム」と「生活リズム」のずれをなくすにはポイントが2つあります。それは「太陽の光を浴びること」と「朝ごはんを食べること」です。朝はなるべく決まった時間に起きて、カーテンを開けて光を浴びるようにしましょう。朝ごはんの内容は、炭水化物と一緒にたんぱく質も併せることで、ずれてしまった体内時計をリセットする効果が大きくなると、研究で明らかになっています。そのため、忙しい朝ですが、パンやご飯などの炭水化物だけでなく、卵やベーコン・チーズなどのたんぱく質と野菜も一緒に摂ることが理想的です。
朝起きた時に頭がぼーっと働かないなと感じることはありませんか?それは、寝ている間にも脳がブドウ糖を使ってしまい、不足しているためなのです。朝食でしっかりと補給し脳と身体を目覚めさせることで、一日元気良く過ごすことができますよ。朝早く起きて朝ごはんを食べることは、私たちの生活リズムを整えるうえで非常に重要なことと言えます。

妊娠中は必要なエネルギー量がアップ

妊娠中は、非妊娠時に比べて必要なエネルギー量が増えています。

日本人の食事摂取基準(2020版より)

妊娠初期:(~15週)+50kcal
妊娠中期:(16週~27週)+250kcal
妊娠末期(28週~)+450kcal

ここで注意が必要なのは、必要なエネルギー量が増えたからといって、甘いもので補給しよう!おやつをたくさん食べて良い!というわけではありません。妊娠中の食事のポイントは量より質が重要です。妊娠中はエネルギー量だけでなく、しっかりと補っておきたい栄養素がいくつもあります。妊娠中は赤ちゃんに栄養を届けたり出産に備えたりするために、通常以上に栄養を食事で補う必要があります。非妊娠時よりも多く摂取が勧められている栄養素は、たんぱく質・葉酸・鉄分などがあげられます。さらに、ビタミンDやカルシウムは妊娠中に特に追加で摂取するべき付加量は設定されていませんが、もともと現代の日本人が不足しやすい栄養素であるため、赤ちゃんに栄養を届けるためにも意識して摂取するべき栄養素です。これらの栄養素は、昼食・夕食だけで補うことは難しいですし、効率良く吸収するためにも3度の食事で補うことが望ましいのです。

おすすめは和食!パン食の人も単品で終わらせない工夫を

朝ごはんでバランスの良い食事を摂るためにおすすめなのは和食です。主食をご飯にすることでパンに比べて脂質が少なく、腹持ちが良いことがメリットです。おかずも豆腐や納豆・卵焼きを組み合わせることで朝食からたんぱく質や鉄分を補うことができますし、味噌汁に野菜や海藻類を入れれば不足しがちな葉酸も摂取できます。難しく考えなくても自然とバランスの良い朝の献立を作りやすいのが、和食のメリットなのです。
忙しく時間がない、食欲がないなどの理由から、朝ごはんをパンやご飯のみで済ませてしまう人も多いと思います。特にパン食の場合、トーストとコーヒーのみなどおかずなしの単品で済ませてしまうパターンが多いのではないでしょうか。朝が主食のみだと腹持ちが悪いうえに、一日を通して必要な栄養素を摂ることが難しくなります。購入する場合はパンにハムやチーズなどたんぱく質の含まれているものを選びましょう。作る余裕のある方は、例えばスクランブルエッグをのせて卵トーストにしたり、ほうれん草、コーン、トマトをのせ、チーズをのせて焼いてピザトーストにしたりするなどのひと手間で、栄養バランスもアップします。フルーツの入ったヨーグルトも添えたら、理想の朝ごはんに一歩近づきます。

忙しい朝の時間術、作り置きを活用しましょう

朝ごはん作りは毎日のことなので、できるだけ簡単に済ませたいものですよね。前日にあらかじめ味噌汁の野菜を切っておく、夕食の残りのおかずを活用するなど、忙しい朝になるべく調理の時間を減らせるように工夫しましょう。さっと食べられるような果物や納豆・ヨーグルト・チーズなどを準備しておくのも良いでしょう。
常備しておくと忙しい朝が楽になるおかずをまとめました。

ゆで卵

意外と時間のかかるゆで卵。前日にゆでて冷蔵庫に置いておくと翌日の朝食にすぐに食べられます。ただし、ゆでると日持ちがしなくなるため、特に免疫力が落ちている妊娠中は、翌日中には食べるようにしましょう。

しっとりささみ

たんぱく質が豊富な鶏ささみ。鶏むね肉よりもサイズが小さい分、短い時間で簡単にできてしまいます。作り方は熱湯の鍋に入れて湯が冷めるまで置いておくだけ。ほぐしたものは冷凍保存も可能なので、使いたいときにすぐに使えて便利です。
※詳しい作り方はコラム終盤の「しっとり鶏ささみで中華粥」のレシピに載せています。

カット野菜

【レタスを洗ってちぎるだけ】【トマトを洗って保存容器に入れるだけ】【少し時間があれば千切りキャベツに塩もみをしておく】など、生野菜の下準備をしておくと、朝はお皿に盛りつけてドレッシングをかけるだけで野菜サラダの完成です。生野菜はたくさんの量を食べられないというデメリットがありますが、過熱による栄養の損失がなく、特にビタミンBやCなどの水溶性ビタミンを効率良く摂ることができます。

【フレッシュ野菜のパワーサラダ】

時間のない朝におすすめ

材料(2人分)
キャベツ 2枚
人参 10g
ミニトマト 2個
ゆで卵 2個

(手作り玉ねぎドレッシング)
玉ねぎみじん切り 1玉分(200g程度)
オリーブオイル 70ml
砂糖 大さじ1
塩 小さじ1
酢 70ml
醤油 50ml

(作り方)
① キャベツは芯の固い部分を削ぎ落し、千切りにする。
人参も皮をむき、スライサーで千切りにする。
ボウルにキャベツ・人参を合わせ、塩で軽くもんで保存容器に入れて一晩置いてしんなりさせる。

② ゆで卵は食べる直前に皮をむき、角切りにする。
ミニトマトは1/4のくし切りにする。

③ お皿に千切りのキャベツと人参をのせ、ゆで卵とミニトマトを盛りつける。
手作り玉ねぎドレッシングの材料をすべて混ぜ合わせ、サラダにかけたら完成。

(ポイント)
前日に塩もみすることで、余分な水分が抜けてたくさんの量を食べることができます。手作り玉ねぎドレッシングはたくさん作って保存も可能です。5日間程度を目安に使い切ってください。

 

妊娠中は食欲がなくて朝ごはんを食べたくない日もあるでしょう。そんな時はおかゆやスープ、お茶漬けなどがおすすめです。水分が多いものは食欲がなくても比較的食べやすくなります。ごまや大葉などの香りがあるものを取り入れると、食欲がわきやすいのでおすすめです。
先ほどご紹介したしっとり鶏ささみを使って、さっぱりと食べられる朝粥をご紹介します。

【しっとり鶏ささみで中華風朝粥】

食欲のない朝におすすめ

材料(2人分)
鶏ささみ 2本
ご飯 200g
中華スープのもと小さじ1
お湯 300ml
万能ねぎ 小さじ1
塩昆布 2つまみ
煎りごま 適量

① しっとり鶏ささみを作る。
鶏ささみに塩を少々すりこみ、5分ほど置いておく。
その間に湯を沸かし、沸いたところに鶏ささみを入れて火を止め、蓋をして30分ほど置いておく。

② ささみに火が通ったら、筋を取りながら細かくほぐす。
※スープは捨てずに中華スープなどのベースに使えます。
※鶏ささみはたくさん作って冷凍保存も可能です。
ほぐしてから冷凍しても、ほぐす前の状態で冷凍してもどちらでも○。

③ 温かいご飯を器に盛りつける。
しっとり鶏ささみを盛りつけ、お湯で溶いた中華スープを注ぐ。
塩昆布と万能ねぎ・煎りごまを散らしたら完成。

(ポイント)
脂身の少ない鶏ささみはさらっと食べられるので、忙しい朝や食欲のない朝におすすめです。
温かいお粥で胃腸も温まり、一日の始まりにおすすめの一品です。

 

一日を気持ち良く過ごすために大切な朝ごはん。妊娠中の規則正しい生活リズムを作るうえでも、お腹の赤ちゃんの健やかな成長のためにも、非常に重要な役割を担っています。リラックスして楽しい朝の時間を過ごせると良いですね。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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