コラム

産後のストレスや痛みをケアするための食事方法

公開日:2022年6月8日

記事監修:管理栄養士 松尾和美

無事に出産をし、ほっとしたのも束の間、すぐに授乳、おむつ替え、沐浴と、朝も夜も休みのない怒涛のスケジュールが始まります。産後はストレスや疲れから、体のいたるところに複数の悩みが発生しやすくなります。産後に関節が痛んだりする方も多いのではないでしょうか。今回はストレスや疲れ、関節の痛みに悩むママに、知っておいて欲しい必要な栄養についてのお話です。

産後のストレスケアが大切

体の回復もままならず、産後すぐに赤ちゃん中心の生活が始まるので、今までのゆっくり過ごしたマタニティライフとはガラッと一変します。授乳のためにお酒も禁止、昼も夜も身軽に自由に出歩くこともなかなか難しいことが多く、睡眠も十分に取れず疲れが溜まっていき、時には孤独を感じることもあるかもしれません。いろいろな要因でストレスが溜まりやすい時期です。まず、一番ケアしたい、ストレスにおすすめの食材をご紹介します。

1.抗酸化力の強いビタミンE

私たちが生きていくのに酸素は欠かせないものですが、その酸素が過剰に生じると活性酸素になります。活性酸素は主にストレス、紫外線、大気汚染などにより生じます。そこで活性酸素を除去する働きのある栄養素を摂る必要があり、それがビタミンEです。ビタミンEは強い抗酸化力を持っているので、ストレスを感じた時には特に摂ってもらいたい栄養素と言えます。
具体的には、野菜ですとかぼちゃ・種実類ですとアーモンド・他には小麦胚芽・魚介類ですとうなぎ・あゆ・にじますなどに、ビタミンEが多く含まれています。ビタミンEは脂溶性ビタミンの1種ですので、生で食べるより油調理をして食べることで、吸収率が上がります。例えば、かぼちゃの煮付けよりもかぼちゃのマヨネーズサラダの方が、ビタミンEの吸収率が上がるというイメージです。

2.睡眠の質を上げるたんぱく質

睡眠不足は疲労感の原因となり、情緒を不安定にします。また、適切な判断力を鈍らせるなど、生活の質に大きく影響すると言われています。睡眠の目的は、単に体の疲れを取ることだけではありません。寝ている間に脳内が情報の整理をします。質の良い睡眠はストレス軽減につながると言われています。産後は思うように睡眠が取れないことも多いかと思いますが、睡眠の質を向上させることで、短時間でもぐっと疲労感やストレスを軽減させることができます。そのために、アミノ酸の1種であるトリプトファンという栄養素が多く含まれている食材を食べることをおすすめします。
具体的には、乳製品ではチーズ・大豆製品では納豆・種実類ではカシューナッツなどです。これらを食事や間食に取り入れてこまめに食べることで、睡眠の質の向上につながります。

3.ストレス緩和を実証済みのGABA

GABAはアミノ酸の1種です。脳内の血流を活性化したり、脳の興奮状態を落ち着かせると言われています。また、神経にも大きく関わっており、血管を緩めてリラックスへと導くことが期待できます。そこで、ストレスを軽減させたい場合はGABAを含む食材を食べることをおすすめします。
具体的には、主食では玄米・果物類ではバナナ・魚介類ではかつお・まぐろなどです。玄米だけでは食べづらいという人は、白米と半々で混ぜて炊くなどもおすすめです。バナナは間食にも取り入れやすく、手作りでホットケーキや蒸しケーキを作る時にも大変使いやすい食材なので、常備しておきたいところです。

痛みの原因は実はホルモンバランスの乱れかも?ケアする食材選びとは

産後は赤ちゃんを抱っこしたり、重いカバンやベビーカーを押したりと体力勝負なので、体全体が痛くなりがちです。特に手や腕を酷使するので、腱鞘炎に悩む方も多いのではないでしょうか。物理的に負担がかかることはもちろんですが、実は関節痛の原因の1つにホルモンバランスの影響があるのをご存知ですか?ここでは、ホルモンバランスケアにおすすめの食材をご紹介します。

1.女性ホルモン様に働くイソフラボン

イソフラボンは、聞いたことがある方も多いかもしれません。大豆に含まれる天然の成分で、大豆全体の中でも0.2~0.4%程度しか含まれていない貴重な成分です。イソフラボンは女性ホルモンのうち、エストロゲンと似た働きをすると言われています。産後はホルモンバランスの崩れが多くの女性で見られますが、イソフラボンを摂取することでホルモンバランスのケアができます。
具体的には大豆や大豆製品にイソフラボンが含まれるため、大豆そのもの・発酵食品の代表の納豆・大豆由来の調味料である醤油・味噌などを摂っていただくことをおすすめします。

2.ホルモンの原料になるたんぱく質

たんぱく質と言いますと筋肉や血液を作るイメージが強いのですが、実は女性ホルモンのエストロゲンなどもたんぱく質が原料で作られています。そこで、産後のホルモンバランスのケアに、たんぱく質が含まれる食材を意識して摂ることも大変おすすめです。母乳を出すにもたんぱく質が必須ですので、ママは赤ちゃんの分と自分のケアの分で2人分のたんぱく質を食べることを意識してくださいね。
具体的には、肉類ですと牛肉・豚肉・鶏肉、ラムや馬肉も赤みが多く、高たんぱく質でヘルシーなのでとても良いですね。他には魚介類全般、卵、豆腐などの大豆製品に、たんぱく質が含まれています。料理をする時間があまり取れない場合や、一度に多く食べられない場合は、プロテインなども活用していただくことをおすすめします。

 

産後は寝不足や疲れ、体の痛みと、ストレスに囲まれているものです。大変な時期なので自分で全てやってしまおうと無理をせず、うまく休める時間を確保してください。ストレスが軽減されれば、育児を楽しむ余裕が生まれやすくなります。
出産はママにしかできないことですが、育児は決してママだけの仕事ではありません。家族や周りの力を借りながら、赤ちゃんとのかけがえのない時間を大切に過ごしましょう。

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この記事の監修者:松尾和美

保有資格

・管理栄養士
・野菜ソムリエ
・美肌食アドバイザー
・栄養療法ダイエットアドバイザー
・ベジフルビューティーアドバイザー
・ファスティングマイスター
・薬事法管理者
・コスメ薬事法管理者

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